【北半球で最も活発な氷河】 グリーンランド🇬🇱イルリサット
今回はグリーンランドのアヴァンナータ自治体の中心都市、『イルリサット』を中心に調べました!
イルリサットでは、氷河や氷山などの雄大な自然を見ることができます。
調べている中で、『そうだ、自分は氷河の崩落を見てみたかったんだ!』ということを思い出しました(高校生の頃から)。
それでは早速、イルリサットについて書いていきたいと思います!
グリーンランド
初めに少し、グリーンランドについて書きます。
グリーンランドはかつて、デンマークの植民地でした。
現在は自治権を持ち、対等な立場でデンマーク王国を構成しています。
大西洋にある世界最大の島で、大部分は北極圏にあります。
地図上ではかなり大きく見えますが、オーストラリア大陸の⅓くらいの大きさです。(メルカトル図法では、緯度が高いほど実際より大きく描かれます)
ここで、大陸と島の違いは?という疑問が湧きましたが、大陸に明確な定義はないようです。慣例でオーストラリアより大きな陸地を大陸、小さな陸地は島となっているようです。
・アヴァンナータ基礎自治体
グリーンランドの北西部にある基礎自治体です。本記事の中心となるイルリサットがある自治体です。
人口、面積ともにグリーンランド2位です。
面積は52.3万km2で、日本の1.4倍です(日本の面積は37.8km2)。
人口密度は0.02人/km2だそうです。
例えるなら、兵庫県の西宮市(甲子園球場があるところ)に2人しか住んでいない計算になります。
そう考えるとすごいですが、人口密度が低いのは人が住めない部分(氷の塊など)が多いからですね。
イルリサット
イルリサットはグリーンランド語で氷山の意味だそうです。グリーンランド西部にあるアヴァンナータ自治体の中心都市です。
首都のヌーク、シシミウトに次ぐグリーンランドで3番目に大きな町で、人口は4670人です。
移動手段の1つは犬ぞりです。人口と同じくらいの頭数の犬が住んでいます。
気候はツンドラ気候です。
最高、最低気温を東京と比較してみました。
夏も寒く、冬はとても寒いです。
他のグリーンランドの町と違い、イルリサットは3月が一番寒いそうです。
・北極圏
イルリサットを含め、アヴァンナータ全体が北緯66.33°以北にあります。
いわゆる北極圏であり、夏は一日中太陽が沈まない白夜、冬は一日中太陽が昇らない極夜があります。
以下のデータを参照して、イルリサットの日照時間のグラフを作ってみました。
縦軸が1日の時刻(下から上に、0時→24時)、横軸は日付を示しています。
オレンジは太陽が出ている時間、グレーは太陽が沈んでいる時間です。左がイルリサット、右は東京を示しています。
イルリサットは、6月から7月にかけて、縦は全てオレンジになっています。
つまり太陽がずっと出ている白夜です。
5月下旬と8月上旬は午前2時頃に太陽が沈んで、午前4時頃に太陽が出てきます。
…どんな感覚なんでしょう。
厳密にはオレンジの日照時間の中にはトワイライト(薄明るい時間)の時間も含まれています。先ほどのリンク先にはトワイライトの時間が区別されて表示されますので、興味ある方は見てみてください。
イルリサットのグラフが3月と10月でずれているのは、夏時間の始まりと終わりの部分です。
白夜、極夜について、頭では理解するのですが、どんな感覚になるのか実際に体験してみたいなと思います!
・イルリサットへの行き方
日本からイルリサットへ行くには、デンマークから行くルートとアイスランドから行くルートがあります。
デンマークから行く場合はコペンハーゲンから、グリーンランドのハブ空港であるカンゲルルススアーク(Kangerlussuaq)へ飛び、乗り継いでイルリサットへ行きます。
アイスランドから行く場合は首都レイキャビクから直行便があるのですが、季節限定の運行のようです。
デンマークからの場合は、基本的に毎日運行しています。以下に参考のフライト情報を示します。左が東京から、右は関西からです。
上記はベストシーズンの夏(7月)で調べて見ました。
たとえば10月だともう少し安く、31万円〜であるみたいです。
乗り継ぎが長いものがありますが、コペンハーゲンで乗り継ぎのための宿泊を含めた時間になっています。
大阪からの場合、飛行機の遅延の可能性を考慮して、コペンハーゲンで一泊挟んでも良いかもしれません。
曜日により、復路のイルリサット→コペンハーゲンの所要時間がかなり長くなる曜日があるので注意が必要です。
私はよくSkyscannerで検索をしますが、日本→イルリサットの検索ではヒットしませんでした。
この区間を全て扱ってる代理店が無いということなんでしょうかね?
イルリサットの見どころ
イルリサットの見どころは、何と言っても氷河、氷山です!
これらについて書く前に、ここで少しだけ整理しておきたいと思います。
・氷床、氷河、氷山、フィヨルドについて
すごくざっくりした図ですが、パワポで書いてみました。
氷床
一言で言えば、巨大な氷の塊といったところでしょうか。英語ではice sheetといいます。
氷河
氷の重み、圧力、重力などで長期間にわたって流動する氷の塊です。
英語ではglacierといいます。(グレイシアという氷ポケモンがいましたね!)
イルリサット氷河はグリーンランド氷床から来ています。
氷山
氷河から海に流れ出した大きな氷の塊です。
英語ではicebergといいます。
氷の密度は水より少しだけ軽いだけなので、海面に出ているのは少しだけです。氷の大部分は海面の下にあります。コップの氷をイメージすると良いかもしれません。
フィヨルド
氷河の侵食によって削られた谷にをU字谷といいます。
そして、そこに海水が侵入して出来た地形をフィヨルドといいます。
フィヨルドはfjordと書きますが、これはノルウェー語です。ノルウェーにはフィヨルドが多くあります。ノルウェーのフィヨルドも見にいきたいです!
高校の地理の授業でいろいろ出てきましたね。
他にもカールやモレーン等々…懐かしいです。
何の役に立つか分からなかったけれど、氷河の授業はめっちゃ好きでした(今、役に立ったのかな?笑)
ちなみに、氷河ではなく河川の浸食によってできた谷がV字谷、それが海に沈んで出来た地形がリアス式海岸です。
自分の復讐も兼ねて、地形について少し書いてみました。笑
・イルリサット フィヨルド
北極線の北側250km(北緯69°)、イルリサットの南方にあります。
グリーンランド氷床からディスコ湾へ約40km続くフィヨルドです。
イルリサットの町から歩いて見に行くことができます。ハイキングコースもあります。
上の地図はイルリサット フィヨルドです。
左のイルリサットから右に向かって続く湾のようなところです。地図上にはディスコ・バクトと表記されています。
元となっているグリーンランド氷床は
・最大厚さ3.5km
・平均厚さ1.67km
・縦(南北)2,900km
・幅(東西)1,100km
の大きさで、世界で2番目に大きい氷床です。
(1番大きい氷床は南極大陸にあります)
グリーンランドの80%を氷床が覆っています。
日本の最西端の与那国島(沖縄県)から最北端の宗谷岬(北海道)の直線距離が約2,900kmなので、グリーンランド氷床がいかに大きいかが分かります。
・イルリサット氷河
別名、ヤコブスハブン氷河(Jakobshavn Glacier)といいます。
北半球で最も活発な氷河で、巨大な氷山が形成されています。
氷河は1日あたり20〜35m前進し、年間で200億トンの氷山が形成されます。
氷河から形成された氷山は、最大で高さ1kmになることもあります。巨大な氷山は浅いエリアでは漂流できず、堆積することもあるそうです。
(その後、氷河の動きなどで巨大な氷山が砕けて流れ出します)
海に出た氷山は海流に乗って北へ流れ、後に南方へと流れを変えて大西洋を南下します。
大きな氷山は北緯40〜45°(イギリスやニューヨークの緯度)に達するまで解けないそうです。
ボートでもフィヨルドに氷山を見に行くことができます。
太陽の沈まない夏の真夜中や、反対に太陽が昇らない真冬でも可能だそうです。
間近で見る氷山は、これまでに無い経験になること間違いないでしょうとのこと。
(自分も間近で見てみたいです!)
カヤックもあるそうです。
・博物館、教会など
イルリサット博物館
グリーンランドの冒険家、Knud Rasumussenの博物館としても知られています。グリーンランドの歴史や、伝統衣装、道具などを知ることができます。
チケットはイルリサット美術館とセットです。
60DKK(約1,300円)
イルリサット美術館
建物は1923年に建てられ、当初は植民地管理者などが住んでいましたが、1995年に美術館としてオープンしました。
1階はEmanuel A. Petersenの絵を中心とした常設展、2階は時々展示物が変わります。
チケットはイルリサット博物館とセットです。
Zion's Church
18世紀に建てられた教会で、当時のグリーンランドでは最も大きな人口建造物です。
オーロラ
8月から5月にかけて、見られる可能性があります。最も良い時期は2月だそうです。
イルリサット近郊
・Eqi Glacier(イキップ氷河)
イキップ・サーミアとも言われているみたいです。The Calving Glacier (氷河の先端が海や湖に崩れ落ちること)として知られています。
頻繁に崩落するので、2時間も滞在すれば複数回の氷河の崩落を見られるそうです。
イルリサットから船で行く日帰りツアーがあります。
所要時間:6時間
期間:6〜9月
https://albatros-arctic-circle.com/eqi-glacier-tour
Ilimanaq(イリマナク)
人口は53人の小さな村です。
ディスコ湾の東側にあり、イルリサット氷河の入り口部分にあたります。主要産業はハンティング、漁業、観光業です。
イルリサットとは異なる生活環境を見ることができそうです。
冬、春はヘリコプターのみのアクセスで、政府がエアーグリーンランドに運行を委託しています。イルリサット空港から出発し、ヘリポート(というよりヘリストップだそうです)に到着します。
夏、秋はディスコライン運行の船で行くことができます。
・ヘリコプター
片道831DKK〜(約18,200円〜)
運行日は毎日では無いです。
https://www.airgreenland.com
より検索できます。
ディスコライン
片道465DKK〜(約10,200円〜)
週に1便程度です。
https://diskoline.gl/buy-ticket/90 より検索できます。
Oqaatsut(オカートスト)
イルリサットから北に21km(直線距離で北に約14km)の位置にある小さな村です。人口は29人です。
イルリサットから日帰り旅行ができます。徒歩でも可能だそうです(ちょっと遠い?)。
イルリサットから近いので、ヘリコプターはありません。
ボートツアーで訪れるのが最も人気ですが、イルリサットから歩いて行くこともできます。冬の間は陸路(雪道を歩くかスキー、犬ぞり、スノーモービル)しかありません。
おわりに
今回はグリーンランドのイルリサットを中心に書いてみました。
日本とは全然違う気候で、氷河や氷山などの大自然などあり、興味深く魅力的なところがたくさんありました!
自分が氷河に興味を持ったのは、高校の地理の資料集に載っていた、アルゼンチンの『ペリトモレノ氷河』を見た時です。
自然が創り出す壮大で美しい景観を見て、『氷河の崩落を見てみたい』と思いました。
ペリトモレノ氷河は、アルゼンチン南部のエル・カラファテにある『ロス・グラシアレス国立公園』にあります。
以前、行き方を調べたことはあるのですが、やはりお金と時間が物凄くかかるので、いつか行ってみたいなぁ〜と思いながら、その思いは日々の生活の中に埋もれてしまっていました。
今回、それを思い出すことができて(と言っても簡単には行けないですが…)、さらにもう1箇所行きたいところが増えてしまいました。笑
しかし、氷河の崩落というのは地球温暖化とも関連があります。温暖化が進むと氷河、氷床はどんどん溶けていきます。
もしグリーンランド氷床が全て溶けると、世界の海面は約7.6mも上がってしまうそうです。
壮大な自然を見てみたいとは思うのですが、考えさせられるところもありますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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