コバルト、アフリカ、電気自動車

電気自動車は徐々に生活に浸透してきて、まだ数は圧倒的に少ないですが、東京でも外を歩いていると走っているのをたまに見るようになりました。
欧米圏の流れを汲んで、日本でもより一層、電気自動車の数が増えていくだろうと思います。
そんな時代の流れにいる中で、興味深いYoutubeの動画を見つけました。

この動画では、電気自動車などのバッテリーで使用されるコバルトという金属に焦点をあてて、コバルトの採掘に伴う問題について紹介をしています。
アフリカのコンゴ民主共和国ではコバルトの採掘が盛んに行われているのですが、採掘により周りの自然に悪影響を与る、生活のために個人で穴を掘って劣悪な環境で採掘をする等の問題が起きているようです。
全編を通して興味深い内容なのですが、特に個人的に気になる点は、子供が採掘をしている点です。
日本で家庭のため働いている子供がどれほどいるでしょうか?
高校生くらいになればアルバイトをする人もある程度いるでしょうが、もっと小さな子供はどうでしょう。
この動画では、見たところ小学生くらいの子供がコバルト採掘に労働力として加わっている様子が流れます。
採掘の現場は当然粉塵などが舞っていて人体にいいとはとても言えないと思います。
そんな環境に自分の意思で生活を選べないような子供が働いていることは、異常と言えるでしょう。
また、採掘現場にいるということは、その分だけ教育の機会を奪われているとも考えられます。
教育を受けていない子供が次第に大人になれば、また自分たちと同様に子供を働かせると考えるのが自然だと思います。
そうなればコンゴでは資源が尽きるまでずっと同じ状況が続くことになるでしょう。

いわゆる先進国では環境問題に取り組むために電気自動車の普及が推進されているように思いますが、その裏にはコバルト採掘にまつわる問題があることを知っておくべきだと、この動画を見て強く思いました。
一方で、僕たちはこの問題に対してどうすべきなのでしょうか?
地球温暖化といった環境問題は当然コンゴのコバルト採掘の問題とは別に存在しますし、より性能の良いバッテリーは社会の発展のために必要不可欠なのでコバルト採掘を止めることは事実上不可能です。
考えられる第一歩は、例えば自分が電気自動車を買うときに、その電気自動車にはどのようなバッテリーが搭載されていて、バッテリーに使用されているコバルトがどこで採掘されたものであるか確認することだと思います。
コバルト採掘の問題があることは事実ですが、適切に管理された採掘であれば、環境負荷は最小限に抑えられ、子供の労働は排除されると思います。
コバルトがどのように採掘されたものであるか確認し、そのコバルトが適切に採掘されたものであると分かれば、安心して製品を買うことができますし、分からなければ不適切な採掘によって製造された可能性があるとして購入の選択肢から外すことができます。
製品製造メーカーにしてみれば、製品を買ってもらうためにコバルトの生産について説明する必要があると分かれば、説明のためにコバルトがどのように採掘をされたのか(トレーサビリティが確保されているのか)調査をする事になります。
つまり、世間的にコバルトの問題が周知され、最終ユーザーが圧力をかけていくことが問題の是正につながる事になります。

この記事では、ほんの一部しか問題に触れていないので、興味が少しでも出た方は是非、動画を通して見ることをお勧めします。

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