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良い作品を残したいと考えている画家が、作品を残すことよりも絵を描きたいから描くが好きと気づいたお話

と言っても小説の中の一部です。

SFのお話なので荒唐無稽なところがありますが、
ある天才ではないけれど、画家として仕事をしていて、
左半身付随状態に嫌気がさして、「コールドスリープ」していて、それから200年後に目覚めた時から始まるストーリーです。

目が覚めたものの、左半身の状態を治せるような状況にはありません。
それどころか、起きた自分と、その画家を起こしたもう一人の老婆しかその星には生存していないという状態です。

その中で、画家は、やはり描くべきだと筆を取り絵を描きます。

ところが画家を起こした未来の老婆は、画家が集中して絵を描いていることを気に入りません。

そして嫌がらせのために、
画家がコールドスリープ前に描いて本人にとって傑作である絵を収めている美術館が破壊されて、絵はもうまともな状態ではないと伝えます。

画家は、そのことにとてもショックを受け、
絵画は永遠に残り、時を越えていけると言う信念が崩れたと感じ打ちひしがれます。
その中で、昔の父とのやり取りを思い出しました。

子供の頃に絵に関しての周りからの非難を受け、挫折を味わった時のことです。
画家の父親は、
なぜ描くのか、
他人の評価のため描くのか、
良い作品を描きたいのか、
自分が満足していなくても他人からの評価が高ければ良いのか、
ということを伝えていきます。

そして幼少期に、
自分の満足がいくものが描ければ良い、
そのことに対する見返りや評価とかそういったものが自分にとって大事ではない、ということを悟ったことを思い出します。

自分が何かを生み出すこと、
何か社会に対しておこなうこと、
何かを残すこと、
それをどう評価するか、
なぜやるのか、
それに意義や意味は無い。

究極、人間がすることには、意味は無い。
意味がある
意義がある、
変えられない運命がある、
持って生まれた宿命やカルマがある、
のではない。

人間はまったく自由、
意義のすべてはあと付け。

画家は、自分の満足の行く絵を最後仕上げることができ満足でした。
そして、未来の画家を起こした老婆の命を助け死ぬときも、
自分の選択に満足していた。

というお話です。



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