無秩序は存在しない

◎TMの創始者マハリシが1970年代に無秩序は存在しないという講義を行った概要を以下に記載します。秩序だけが存在することの理解を繰り返すことの重要性を説いています。TMとnTechを用いることでヴェーダの理解が深まり、それを可能とします。

◼︎無秩序は存在しない
この世界には、無秩序は存在しません。
秩序だけが永遠に存在しています。時間と空間の全領域において存在するものは、すべて完全性・完全性・完全性です。
そのように言うと、「では、私が体験している無秩序は、いったいどこからやって来るのだろうか」という疑問が浮かんでくることでしょう。
苦しみはいったいどこからやってくるのでしょうか。私たちは苦しみたくないのに、苦しまなくてはなりません。それはどうしてでしょうか。
その答えを、次のような例えを使って説明することができます。あなたは今、とても快適なベットでぐっすり眠っています。そして、虎に襲われる夢を見ています。では、この夢のなかの虎はどこからやって来るのでしょうか。それは、別の意識状態からやってきます。

実のところ「虎はやっては来てはいません」と一言で片づけることができます。彼は、快適なベッドで寝ていたのです。しかし、夢を見ていたその人は「虎は私のところにやってきました」と主張するでしょう。なぜなら、彼はそれを体験したからです。

私が「虎はやっては来なかった」と同じ話を何千回聞かせたとしても、彼は「でも、私はそれを体験しました」と言い張るでしょう。私は、いったいどうやって、トラが来なかったことを説明すれば良いのでしょうか?

トラに襲われる状況を体験してきた人に対して、私たちはこのように言います。それはあなたの夢の意識状態において起こったことです。目覚めの意識状態では、虎は存在しません。夢の意識状態と目覚めの意識状態とでは、状況がまったく異なるのです。

それと同じように、夢、眠り、目覚めの意識状態と、より高い意識状態である、超越意識、宇宙意識、神意識、統一意識とでは、状況は全く異なります。三つの意識状態で体験される無秩序は、より高い意識状態においては存在しなくなるのです。

マハリシ・ヴェーダ科学は、目覚め、夢、眠りの三つの意識状態を、超越意識、宇宙意識、神意識、統一意識へと成長させていきます。意識が成長するにつれて、長年見続けてきた、トラに襲われる夢がだんだんと消えていきます。そしてやがてその人は、「いいえ、あれは別の意識状態における体験でした。私はトラに襲われたりはしていなかった」と言うようになります。

私は惑わされていた、私は誤って何か別のものを見ていた、永遠の真実である秩序を見る代わりに、病気を見はじめ、痛みを感じはじめていたと気付きます。

いま、世界中の人々が、無秩序、病気、苦しみを体験しています。しかし、それは生命の本来あるべき姿ではありません。人間生命のあるべき姿は、アハンブラフマースミ「私は総合性である、私は総てである」という状態です。バランスの状態、秩序の状態こそが、生命の真の価値です。

無秩序、病気、苦しみはすべて、実在、アートマーに関する無知が原因で引き起こされています。人は、「無秩序は存在しない、寝室には虎はいない」ということを繰り返し学ばなければなりません。そしてまた、そのことを実際に認識できるように、その人の目覚めの状態に、ある体験がもたらされなくてはなりません。

ヴェーダの大師たちの伝統は、私たちに、超越意識を体験する、自然で単純な方法を与えてくれました。
この超越意識の体験だけが、目覚めや夢や眠りの意識状態を変化させ、改善することができます。目覚めの状態が、より目覚めるようになると、無秩序、病気、苦しみといった否定的な価値は減少しはじめます。そして最終的に、この世界には無秩序は存在せず、秩序だけが永遠に存在していることに気付くのです。

─ マハリシ・マヘッシ・ヨーギ ─

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?