メッセージボトル_3

変化は神だ ~情報過多との戦い~ -メッセージボトル #3

22歳からの17年。
わたしのサラリーマン人生を一言で表すとするなら「変化は神だ」

今この瞬間を疑い、現状維持を嫌悪し、
常に取り組むべき課題を探し続ける。
環境の変化を受け入れ、諸手をあげて歓迎し、まるで変化を神のように讃えてきました。
明日が今日と同じなら、そんな明日は来ない方がマシだ。
そんな強迫観念にも似た想いで、繰り返しの日常を嫌い、何かチョットでも「新しいこと」であれば、何でも無邪気に首を突っ込み続ける。

と、ここまで恰好つけて書いてみましたが、裏を返せば極端に「飽きっぽい」性格なだけなのかもしれません(笑)

そんな自分が、転職することもなく同じ会社に17年も勤め続けてこられたのは、ひとえに「人材サービス」という領域が、本当に面白い仕事だったからだと思います。

人の一生を左右しかねない求人情報、
誰かを幸せにすることもあれば、不幸にすることもあるかもしれない。
リッチな新卒向け採用LPから、街の小さなレストランが店先に出す手作りのアルバイト募集の貼り紙まで、その規模・メディアを問わず、求人広告には出会いが溢れています。

人材サービス領域は、とても変化の激しいマーケットです。
景気変動性が高く、サービスのライフサイクルもコンビニに並ぶお菓子に比べれば長持ちするものですが、それでも移り変わりが激しい。
今日のアタリマエが明日には古びれた過去の遺産になるかもしれない。
そんな、じゃじゃ馬なマーケットを相手に翻弄され、右往左往し続けた日々でした。

特にここ2~3年は、その変化のスピードが更にどんどん加速していると強く感じます。

そんなわたしのモチベーションの源泉となった言葉が、この「変化は神だ」という言葉です。この言葉を胸に3月末で今の会社を卒業します。
理由は至ってシンプルで、変化は神だから。沢山の素敵な仲間たちと離れるのは寂しい限りですが、思い切って決断しました。

今、採用市場に起きている変化

人事・採用にまつわる新たなトピックは、常に星の数ほどありますが(実際、日々 新たなサービスがリリースされていますよね)、業界・職種、大手中小問わず、あらゆる企業に影響を及ぼすであろう大きな変化は、やはり、従来の求人メディアを利用した採用活動から、自社HP採用(オウンドメディアリクルーティング)へ、採用の主戦場が移行しつつあることだと思います。

TVCMで見ない日はない お馴染み「indeed」の台頭、Google for jobs(Googleしごと検索)の正式ローンチ、私が知っているだけで50を超えるATS(採用管理システム)サービスの群雄割拠などが、この大きな流れの象徴的な存在です。

脱・求人メディアの流れ

長年、商品企画として自社の求人メディアを創ることに情熱を傾けてきた身としては少し寂しいことでもありますが、従来の求人メディアは、今後数年でかなりの数が淘汰されるかもしれません。
もしくは自社HPへの集客手段の1つとして、その役割を「発見機能」へと大きく変えるのではないかと思っています。
(一方、ニッチで尖った小さなメディアは乱立するかもしれませんが)

自社サイトに募集内容を載せ、indeed、Google アドワーズ、SNS等を活用したWEB集客が採用の一丁目一番地になりつつある。
いや、もう「なった」が正しいでしょうか。

この変化がもたらすことは?

オウンドメディアリクルーティング時代、
採用活動は「情報過多」との戦いになると、わたしは思っています。

求職者=情報過多による「迷い」と、「レコメンド」への欲求。

企業=情報過多による「差別化の難しさ」と、「ブランディング」の勝利。

少なくとも数万円支払わないと世の中に発信されなかった求人情報たちが、今 一気にスマホ画面を通じて世に溢れ出しています。

indeedが掲載無料と大々的な広告をうっているように、求人情報は発信することも受け取ることも、そのハードルが大きく下がり、それこそ店頭の貼り紙やハローワークで済ませていた募集広告すらもスマホの世界に雪崩れ込んできました。

さらに、紙時代は1コマ1社という枠サイズの概念の中、1社1社、企業単位で仕切られていた求人情報は、1職種1勤務地毎に分解され、情報量としては数倍に膨らんでいます。
紙の求人紙で、1コマ=3職種5勤務地だった情報は、WEBの世界では15ページの求人情報に細分化される、というように。

まとめると、

①求人を「掲載する」「世の中に発信する」ことの、金銭的なハードルが大きく下がったこと
②各社の求人募集が1社1コマから1職種×1勤務地=1ページへと細分化さたこと

この2点が、世の中の求人情報件数を爆発的に増加させました。

これにより、求職者・企業それぞれが、情報の洪水の中に埋もれることになったと考えます。

情報過多の時代に、どう向き合って行くべきか?

これは、以前の私のツイートです。

レコメンドへの欲求。

これは、人材紹介、リファラル、SNS等での口コミ、就活・転職リアルイベントなどが受け止めていくニーズでしょうか。

キャリアコンサルタント有資格者の増加も、今後どのようなポジジョンで、どんなサービスへと展開されていくのか楽しみです。
(ちなみにわたしも5年以上前ですがGCDFで資格を取りました。更新せず、失効しましたが 汗)

ブランディングの勝利。
たった数秒で取捨選択されていく求人情報。

情報の洪水に埋もれた各社の求人情報は、多すぎるライバル企業と常に厳しい比較検討の目に晒されています。
しかし、ここでわたしが言う「厳しさ」とは、労働条件(給与や待遇の良し悪し)の戦いではありません。それよりも、求職者の判断スピードの急激な加速に伴う「一瞬のすれ違い」との戦いです。

たった数秒の反射神経的な直観で、読み込むに値する求人情報かどうか?が取捨選択されていく。
クリックされるか否かは、数秒の戦い。仮に幸運にもクリックされたとして、その後に続くのは詳細ページを読み込んでもらえるか否かの、わずか十数秒の戦い。

試しにアナリティクスで自社の各求人ページの平均滞在時間を見て頂くと、かなりショッキングな数字が見られると思います。

一言で伝わる「会社のビジョン」「仕事のやりがい」「その会社らしい人」(=採用ターゲットの定義)にはじまり、「働きやすさ」「経営者や上司の人柄」「職場のリアルな雰囲気」まで、これらの言語化が採用ブランディングの大事な素材となります。

わずか数秒のすれ違いの中で、何に「尖って」伝えるべきか?
メディアを選ぶこと=最適な媒体選定によるコストダウンを軸とした採用コンサル企業は多数存在します。各種KPIから次の打ち手を科学するマーケッターも大事な存在です。
でも、本当に大事なことは「ブランディング」である、それがわたしの昔からの信条です。

これからの時代、求職者に発見されることへの投資(HPへの集客コストや求人メディアへの出稿費)だけでなく、それ以上に採用ブランディングへの投資がカギになる。

例えば、わたしが知る病院は、求人費の予算を社員の働きやすさへの投資に振り切り、院内託児所や独身寮の整備を進め、
自社のビジョンを分かりやすく伝えるため漫画でパンフレットを創り、結果的に50名の看護師採用を、今期の求人費用はほぼゼロで、口コミとリファラル(=レコメンドの世界)のみで達成されていました。

変化は神である。
わたし自身、採用活動にお悩みの企業様への関わり方を大きく変えようとしています。

多すぎる求人情報の洪水の中、選べない・決めきれない求職者が増えていること。企業側の情報発信の質を変えることで、迷い続ける求職者が、もっと仕事を選びやすい世界にしたい。この記事でも書いていますが、これが次なるわたしの大きなミッションです。

もう少し具体的な新たな取り組みについては、4月以降こちらのnoteでも随時報告していきたいと思います。

Twitterでも日々、徒然なるままに採用ブランディングについて呟いております。よろしければフォローお願いします。

また、Instagramでは、採用とは全く関係のない(笑)、我が家の猫さんたちの日常を記録しています。こちらもぜひ^^




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