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インストバンドのドラマーが ギターを手にしてソロ活動をはじめるまで

僕は、ループマシンと呼ばれる録音再生機器を使って、多重録音的にドラムとギターのフレーズを組み合わせ、オリジナルの楽曲を演奏しています。

足もとにあるのがループマシンで、ギターとドラムの音をここに集め、録音再生しながら演奏しています。
ドラムが設置できない場所でライブするときは、代わりにセンサー内蔵クリップのドラムキットを使ったり、お客さんの手拍子を録音して、それに合わせて演奏したり。

もともと ドラムを演奏していた

もともと僕は、「百景」というギター、ベース、ドラム編成のインストゥルメンタル(楽器だけの)バンドでドラムを担当していました。

大学時代の後輩たちと結成し、さまざまな音楽イベントに出演したり、アメリカなど海外にもライブツアーにいきました。

バンドを結成して、レーベルからアルバムをリリースするなど精力的に活動できていたのですが、大阪から東京へ拠点を移して数年が経ち、転機が訪れます。だんだんといままでのように活動するのが難しい状態になっていきました。

音楽をどう続けていくのか

このままいくと、たぶんバンドが止まってしまうだろう。
でも音楽を続けていきたいという気持ちだけは揺るぎませんでした。

僕はバンドの時、作曲やアレンジについてもアイデアを提案していました。バンドとイメージの違う曲のアイデアが貯まってきた事もあり、バンドと並行しながら「たなかけん」名義でファーストアルバムをリリースする直前のタイミングでした。

ソロでライブするために

よし。じゃあ、ソロもちゃんと活動しよう。

そう決心したものの、ドラムやパソコンだけでライブするのはなんかちょっと違う。せっかくなら曲を演奏して、それを聴いてもらいたい。
鍵盤はほぼ弾けない。じゃあギターはどうだろう? 曲のアイデアを考える時に使っていたくらいで、とても人前で弾けるレベルではない。

簡単なフレーズなら弾けるかもしれない


そうか。ループマシンを使えば、1曲通して弾けなくてもフレーズをどんどん録音して足していって曲にしたら、僕でもできるかも知れない。1小節くらいの簡単なフレーズなら、練習したらライブでも弾けるようになるんじゃないか。
そう思いながら、早速ループマシンを購入し、ギターを練習しはじめました。

ギターはもちろん、1人で演奏するのも初めて。勝手が違うので最初は大変でした。ソロをスタートさせて、台湾のフェスや各地の音楽イベント、CLASKA、スターバックスコーヒーなどいろんな場所でライブができました。バンドとはまた違った景色です。


僕は、自分を表現して、直接それが人に伝わる瞬間が大好きです。

バンドでアメリカのライブに出演した際、初めて演奏を聞いてくれたオーディエンス全員が、どこの誰かもわからない日本から来た僕たちに割れんばかりの拍手と大きな声援をくれました。自分たちを信じて演奏して、それでいいんだよと認めてくれた感覚。これで良かったんだという感覚。

その感覚は、いまでも体の中に残っていて、思い出す度に心がワクワクしてきます。

だから音楽を続けているんだと思います。

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