ヒ素お好み焼事件が「でっち上げ」だった件に関し、和歌山地裁に意見書を提出しました
・・・・以下、意見書1(テキスト版)・・・・
2024年4月25日
和歌山地方裁判所刑事部御中
意見書1
林眞須美氏(以下「林氏」)の第3次再審請求について、以下の通り、私の独自取材でわかった事実に基づいて、意見を述べさせて頂きます。
片岡健
※私の住所や連絡先は、同封した名刺に記載している通りです。
記
(1)意見の趣旨
検察官が林氏について、M氏(筆者注・原本では実名。以下同じ)にかけた第一生命の死亡保険金3000万円を詐取するため、M氏にヒ素入りのお好み焼きを食べさせたとして起訴しながら、確定審の第一審の判決で無罪とされた殺人未遂事件(以下「ヒ素お好み焼き事件」)の事実関係について、貴庁は、当事者である林氏やM氏に直接話を聞くなどして全面的に調べ直すべきです。
(2)意見の理由
私が和歌山カレー事件について取材する中、林氏が2022年5月、M氏を相手取り、「虚偽の被害届を提出された」などと主張して和歌山地裁民事部に損害賠償請求訴訟(本人訴訟)=■■■■=を提起していたことがわかりました(筆者注・原本では■■■■は事件番号)。
この損害賠償請求訴訟について調べたところ、M氏は答弁書で林氏の請求を棄却するように求めるにあたり、ヒ素お好み焼き事件に関し、「被害届は私が提出したのではなく、警察に強制的に提出させられた」という趣旨の主張をしていたことが判明しました。
このM氏の主張は真実であり、和歌山県警は、ヒ素お好み焼き事件が本当は存在しないと知りながら、M氏に虚偽の被害届を強制的に提出させたとみるほかありません。また、和歌山地検についても、このような和歌山県警の不正を承知しながら林氏を起訴したとみるほかありません。
なぜなら、確定審の第一審では、M氏は、ヒ素入りお好み焼を食べさせられたことが原因で入院したとされる際、手足がある程度動くのに、入院先の和歌山赤十字病院の医師に対し、「手足が動かない」と嘘を言い、「終身、ほぼ全介助を要する」などという虚偽の内容の障害診断書を書いてもらい、自分自身も独自に保険に加入していた日本生命から、高度障害保険金2000万円を受け取ったり、身体障害者一種一級の認定をうけたりしていたことが判明しているからです(確定審第一審第40回公判のM氏の証人尋問調書P135~140、同P144~145、確定審第一審第46回公判のM氏の証人尋問調書P183~184)。
このようなM氏が林氏からヒ素入りのお好み焼きを食べさせられた被害者であるとはおよそ考え難く、M氏は実際には、林氏と一緒に保険金詐欺をした「単なる共犯者」に過ぎなかったことは自明です。こうしたことは捜査機関が調べれば容易にわかることですから、和歌山県警や和歌山地検が捜査段階から承知していなかったはずがありません。
つまり、ヒ素お好み焼事件は「捜査機関が捏造した事件」だったということです。
他方、確定審では、検察官が林氏について、死亡保険金目当てで人にヒ素や睡眠薬を飲ませた事件がヒ素お好み焼事件を含めて多数あったように主張しており、林氏はこれらの全事件について否認しましたが、一部の事件は確定判決(確定審の第一審判決)で事実と認められたうえ、林氏がカレー事件の犯人だと示す間接事実であるかのような認定がなされています。
しかし現在、ヒ素お好み焼事件が「捜査機関が捏造した事件」だったと判明したため、このような確定判決の認定の信頼性が根本から揺らいでいます。
よって、貴庁は林氏の第3次再審請求の審理において、M氏や林氏に直接話を聞くなどしてヒ素お好み焼事件の事実関係を全面的に調べ直すべきです。
(3)特記事項
貴庁に本意見書を提出するに際し、私は事前にM氏、和歌山県警及び和歌山地検に取材し、事実関係を確認しています。その取材によって、和歌山県警が本当はヒ素お好み焼事件が存在しないと知りながら、M氏に強制的に被害届を提出させたこと及び和歌山地検もそのことを承知しながら林氏を起訴したことが改めて動かしがたくなっています。
その経緯については、私が運営しているnote(URLは以下の通りです)で公表しています。
また、本意見書についても、貴庁に到着次第、同noteで公表します。
●私のnoteのURL https://note.com/ken_kataoka/
以上
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