電子カルテのUI/UXを考える その3

確認ダイアログは、頻回に出現するととても煩わしく感じるものである。しかしながら、必要な時に確認ダイアログが出なければ、取り返しのつかないミスを引き起こしてしまうことは言うまでも無い。

F社の電子カルテでは、前回処方の上で右クリックすれば下のようなメニューが現れる。そこから「コピー」を選択することによって、簡単にDO(前回と同じ)処方ができるように工夫されているのである。

画像1

問題となるのは、コピーするつもりなのに「修正」が選択されていた時である。その場合は、処方入力画面が表示されるのだが、DO処方の内容を変更する画面と同じであるため、間違って「修正」を選択していることに気がつかないことがある。

もし、そのまま処方を変更して確定してしまうと、前回の処方内容が変更され、診察室のプリンターから処方箋がプリントアウトされる。この時点でようやく「修正」を選択していたことに気がつくことになるが、すでに後の祭りである。

いったん前回処方を変更してしまうと、それをもとに戻すことは容易ではない。「修正」を選択した際に確認ダイアログが出現すれば、うっかり前回処方を変更してしまうミスを防ぐことができるのに、これを省略している理由がわからない。