電子カルテのUI/UXを考える その21

個人的にはあまり評価できないF社の電子カルテだが、それでも以前使用していたN社のものに比べたら、ましな方ではないでだろうか。4年前にN社の電子カルテを使っていた時には、本当に信じられない経験をしたので紹介したい。

①エンター1回ではログインできない
F社の電子カルテもログインする際に2回エンターする必要があるが、N社の場合は、1回目のエンターでは画面に何の変化も起こりらない。このことを知らなければ、IDとパスワードを間違えているかと思い、何回も入力させられることになる。

②tabキーでカーソルが移動しない
記事入力欄にはSOAPの4ヶ所があるが、いくらtabキーを押してもカーソルが移動してくれない。一応矢印キーでは移動できるが、小指でそんなかったるい操作なんかできる訳ない。最も入力する頻度が多い場所で、この仕打ちはひどすぎる。

③確認ダイアログがしつこく出る
DPC病名を登録する画面で、登録してから終了までのすべての操作に確認のダイアログが出現し、本当にうんざりさせられる。例え間違っていても後から修正できるし事務もチェックするのに、なぜここまで神経質になるのか理解できない。

④紹介状を作成する際に混乱する
文書作成を選択すると、「Uターン」「Jターン」「Iターン」から選ぶように表示されるため、思考回路が一時停止する。「Iターン」が 紹介状のことらしいが、ターンもしないのにターンをつけて呼んでいるため、全く意味がわからない。

開発にかかわったスタッフは、誰一人としてこれらの問題点に気づかなかったのだろうか。現在使っているユーザーのためにも、早急に改善してほしいと思う。利用者の足をひっぱる電子カルテがまかり通るようなら、日本の医療界に未来はない。