電子カルテのUI/UXを考える その14

どの電子カルテにも、患者さんにアレルギーがあることを知らせる機能がついている。F社の電子カルテでは、アレルギー情報を登録すると、患者画面の上部に黄色いマークとして表示されるが、このマークのUI/UXには致命的な欠陥がある。

マークの上にマウスを重ねるとアレルギー情報が表示される仕組みであるが、よく見るとボタンに見えなくもない。間違ってクリックしても情報が表示されたら問題ないのであるが、困ったことにクリック後には何も表示されなくなるのである。

一般的にボタンをクリックして何も表示されなければ、ボタンに関する記録はないと判断するのではないだろうか。そのため、せっかくこのマークに気がついても、それをクリックしたユーザーは、アレルギーはないと勘違いする可能性が高い。

ワンテンポ遅れてポップアップが表示されることも、このマークがボタンと勘違いされる要因となっている。どうしてもこのUIにこだわるのであれば、クリックされる前に情報を表示させなければ、それこそ悲劇的なデザインになりかねない。