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クリムゾン・キングの宮殿 (名盤021)

「クリムゾン・キングの宮殿」

「クリムゾン・キングの宮殿」は1969年に発表されたキング・クリムゾンのファースト・アルバムです。楽しい気分や晴々とした気分、ストレスの解消等、ロックがそれらだけではないということ、つまり、恐怖をダイナミックに示したのが本作でした。また、クラッシックとジャズの混在、楽器が弾けない立場からでも理解ができる巧みな演奏力、それ故の説得力も兼ね備えたアルバムです。穏やかな曲もありますが、それは束の間で良くないことがやがて訪れるような気配、結果、想像力も刺激するアルバムでもありました。アートなアルバム・ジャケットもインパクトがありますが、演奏はせず作詞専門のメンバーも在籍しているのもこだわりと強い文学性も感じられます。ロックにアートと文学、それは砂糖とミルクを加えたコーヒーみたいですが、味わい深い上質さも兼ね備えています。ギター、ベース、ドラムの主要楽器の他、サックス、フルート、メロトロンの存在感も強く、サックスに至っては恐怖のあまり悲鳴をあげているみたいですがボーカルは加工により歪んでて率先して恐怖を与える役割を果たしています。また、音響のこだわりも感じられて宮殿で演奏しているような重厚な響きも感じられます。

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