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レビュー「わたしの好きな曲10作品」 第七回  お前の●●●

「お前の股ぐら」

唯一無二の声、故に何を歌ってもロックになってしまうキヨシローでしたが、あの声をなぞるように派手なメイクやカラフルなステージ衣装でもありました。加えて歌番組等に出演すれば誰よりも目立ってしまう好循環、同時に言動もそうでしたが、悪ふざけや皮肉もロックの役割を充分に理解した上でそれを果たしているようにも見えました。だからと言って堅苦しいこともなくユーモアも忘れてはいませんでしたが、それらが凝縮したのが、タイマーズとして出演した際の夜のヒットスタジオでのパフォーマンスは忘れられない事件でした。そんな思い出もあるのかもしれませんがいくつかのユニット等、RCサクセションの楽曲も含めて一番好きな曲はタイマーズの「お前の股ぐら」です。アップ・テンポなロック・ナンバー、性行為の様を見事に再現したリフ、リズム、加えてハーモニーはこれもまた、生的な事柄について歌われているローリング・ストーンズの「夜をぶっとばせ!」を手本にしている抜け目の無さ、また、強い愛を感じさせました。晩年の代表曲の「JUNP」は夢、平和、反骨精神、そんな前向きな言葉が浮かんでくるような曲で締め括りには相応しかったような気もしますが、3.11やコロナ禍の最中の際にはどのような行動に出たのかを想像すると残念な気分にさせられます。

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