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レビュー「わたしの好きなアルバム10作品」 第八回 エレファントカシマシ5

「エレファントカシマシ5」

本作以前に発表された作品に例えるなら、セカンドアルバムや「生活」みたいに負の感情が強調された本作です。曲数が同じなのでセカンドアルバムと印象が被りますが、本作は装飾が加えられポップな印象も与えます。前作の「生活」は芸術家ゆえの苦悩だったように思いますが、本作は聴く側も身近に感じられるような苦悩が多いような気がします。負の感情を文学的な歌詞で、ミディアムテンポで力強く歌い演奏するのがあの頃のエレファントカシマシの特徴ですが、言わば、エレカシ・サウンドの真髄とも言える「曙光」がアルバムのラストに配置されているのは個人的には好みです。この曲も尺が長い曲ですが、それらが本作にも何曲かあってエレカシらしいですが、男シリーズ、夜シリーズもあって、これも、また、エレカシらしいです。他のメンバーとの共作はありませんが、初のスライダーギターは良好なアクセントになっています。負の感情が強調された本作ですが音楽的にも楽しめる作品です。これまでの、集大成、そんな言葉も浮かんでくるような作品でもあります。

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