見出し画像

文字組の話(禁則処理)

前回はフォントについての話をしました。
今回は文字組(組版)についての話をしようと思います。

組版とはなんでしょうか。

ChatGPT(GPT-3.5)にも聞いてみました。

組版(Typesetting)は、印刷物やデジタル出版物を制作するプロセスの一部であり、テキスト、イラスト、グラフィックスなどの要素を適切に配置して、読みやすく、美しいデザインの文書や出版物を作成する作業を指します。組版には以下の要素が含まれます:

1. 文字の配置: テキストのフォント、フォントサイズ、太さ、スタイル、色などの属性を設定し、文章をページ上で適切に配置します。文字の行間や文字間隔も調整され、読みやすさが確保されます。
2. 段落の設定: 段落のフォーマット設定には、インデント、行送り、段落の間隔、文字列の揃え方(左寄せ、中央揃え、右寄せ、均等割り付けなど)が含まれます。
3. カラム設定: ページを複数のカラムに分けたり、カラムの幅や間隔を調整したりして、テキストや図表をページに配置します。
4. グラフィックスの配置: イラスト、写真、図表などの画像要素を文章に組み込み、適切な位置に配置します。画像のサイズ調整やキャプションの追加も行われます。
5. ヘッダーとフッター: ページのヘッダー(上部)やフッター(下部)にタイトル、ページ番号、著者名などの情報を挿入します。
6. ページ番号: ページ番号の配置や書式設定を行い、ページ順序に沿ったナビゲーションを提供します。
7. タイトルページと目次: タイトルページや目次をデザインし、読者が文書の内容を理解しやすくします。
8. ページレイアウト: ページの余白、ヘッダーとフッターの配置、テキストとイメージの配置、グリッドの設定など、ページ全体のデザインとレイアウトを調整します。
9. 禁則処理: 文章の最初や最後に残りすぎる文字や行(オーファンとウィドウ)を防ぎ、美しい文字組を実現するための処理を行います。
10. 印刷用フォーマット: 最終的な出版物が印刷される場合、印刷用のフォーマット(カラープロファイル、解像度、切り取りマークなど)を設定します。

組版は、出版業界や広告業界、デザイン業界などで非常に重要な作業であり、美しいデザインや読みやすい出版物を作成するためにデザイナーや組版師によって専門的に行われます。組版にはデザインソフトウェアや組版ソフトウェアが使用され、テキストや要素の配置が自動化されることもあります。

ChatGPT(GPT-3.5)

wikiでは「文字・図版・写真などを配置する作業の総称」。
ChatGPTでは「読みやすく、美しいデザインの文書や出版物を作成する作業」。

どちらも文字を組む作業という位置づけではありますが、ChatGPTの方の説明にある「読みやすく、美しい」という言い回しは良いですね。列挙されているように、文字組には多くの機能が存在し、それらを用いて文書を読みやすく、美しいものにするのが組版の目的となります。

今回は特に禁則処理について掘り下げていきます。

禁則処理にも様々なルールがあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E5%89%87%E5%87%A6%E7%90%86

ChatGPTにも聞いてみたのですが、回答が思っていたのと違ったので割愛します。禁則処理に対する英訳がカーニング(kerning)にされており、文字間の調整の話をしてくれました。文字間の調整は禁則と関連する機能ではあるのですが、それはそれで別の機会に掘り下げたい内容なので後日のトピックとします。

蛇足ですが、禁則処理のプログラムをChatGPTに作ってもらったのですが、こちらも思っていたのと違う結果が出たので伏せておきます。禁則文字を発見したら即改行する、といったプログラムを生成してくれました。おそらく私の使用方法が間違っていたのでしょう。後日改めて挑戦します。

前置きが長くなりましたが、禁則処理とは文字列を読みやすく改行するためのルールです。

行の始めに句読点(、。)が来たり、行の最後の文字がはじめ括弧類(「)だと文章が読み辛いですよね。このnoteの文章を表示する時も禁則処理は適用されていて、文書を読みやすく保っています。(ブラウザによるかもです)

それら文字を無理やり行の始めや行の最後の文字にしたい場合は、その文字で行を満たすくらいしかありません。やってみましょう。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

見る環境によっては1行で表示できているかもしれませんね。2行で表示されるようにズームアップをするか、ブラウザの幅を調整していただければ幸いです。複数行で表示されているのであれば、2行目の始めの文字が句点(。)となっているはずです。

では文字列の真ん中あたりに1文字「あ」を書いてみるとどうなるかやってみましょう。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。あ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

「あ」が2行目の先頭になりました。
これは、句点(。)を何とかして2行目の行の始めの文字にしないように努力した結果です。「あ」は行の幅としては1行目に収まるのに、禁則処理によって2行目に追い出され、2行目の最初の文字になるように調整されました。これが禁則処理の一つの行頭禁則になります。

次は行末禁則をやってみましょうか。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「

1行目の最後の文字がはじめ括弧(「)になってます。
では同じように文字列の真ん中あたりに1文字「あ」を書いてみます。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「あ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「

「あ」が1行目の行末になりました。
これは、はじめ括弧(「)を何とかして1行目の最後の文字にしないように努力した結果です。「あ」が入力されたので、これ幸いと移行の文字が全て禁則処理によってはじめ括弧類を次の行に追い出しています。これが行末禁則になります。

最後に分割禁則もやりましょう。
禁則処理では英単語や連数字は途中で改行しないようにしています。試してみましょう。

I have a pen. I have an apple. I have a banana.
という1行の文章のbananaを長くしてみます。

I have a pen. I have an apple. I have a bananananananananananananananananananananananana.

bananaの長い単語が途中で分割されることなく2行目に追い出されましたね。これが分割禁則です。

他にも禁則処理のルールはありますが、代表的なのがこの3つのルールになります。このような禁則処理を行い、複数行に渡る文章を美しく、読みやすく改行するためのルールが禁則処理となります。今回の記事の中のサンプルが美しい文章とは程遠い例なのはご勘弁ください。

このような禁則処理は弊社のSVF製品でも利用することが可能です。
[段落]-[組版処理]タブの設定項目
様式ファイル設計時にテキストフレームで上記のタブで「禁則処理を有効にする」をオンにすることで禁則処理が適用されます。

お試しいただける方は是非お試しください。
文章が長くなってきましたので、今回は一旦ここで終了します。

お読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?