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作品が作品たるゆえん

作品撮り大好きKeng Chi Yang (けんちゃん)です。
このnoteは写真家だけでなく、写真展などの展示に行く方にも見ていただきたい内容です。
作品をもっと深く楽しめるコツのようなものになるのでは、と思っております。製作側から見るとなかなか主語のデカいタイトルですが、出来れば落ち着いてご覧くださいませ。

今回は僕が撮っている「ポートレート(人物写真)」について、自身の作品解説も含めて書いていきます。

ポートレートと言っても様々なジャンルがあります。家族写真や肖像写真を指すポートレート、呼んだ女の子をロケやレンタルハウススタジオで可愛く撮るポトレと呼ばれるもの、そして僕が作品のメインに置いているファインアートと呼ばれる写真家(作家)の視点のみで製作された芸術写真。
ジャンルが違えば作品の意味合いも変わるので、今回はファインアートポートレートについて書かせていただきます。

作品が作品たるゆえん、これを私は「コンセプトや伝えるものがハッキリしており、製作者以外の意図が介入していない、そして製作者のスキルで再現可能な、商業写真では無いもの」として考えています。(結果として商業となったものに関しては素晴らしいと思います)
つまり、カワイコチャンが居ないと成り立たないとか、被写体側からの注文や、それっぽいものをいい機材で撮ってドヤるとか、そういうの一切抜きで正面から殴り合うのが「作品」だと言いたいです。

ここまで啖呵を切ってるので、じゃあお前の作品はどうなんだってなりますよね。なので、稚拙ながら私の作品でコンセプトや伝えたい事の解説をさせていただきます。

akadama

この作品「akadama」についての解説です。
コンセプトは後に書きます。
背中の赤い丸 (akadama) は太陽を表しています。太陽とは生、活力などを意味しています。そしてakadamaには数々の隠語があります。このakadamaを太陽とし、見た目で最も明るい場所にする為、細長いボックスをつけたストロボで照射。影の多い痩身に見えるようなライティングです。腕とかライトの具合でヒョロヒョロに見えるようにしてます。
そして忌み嫌われる数字4、akadamaが4つ並ぶ事で死を連想させます。そしてakadamaが映えるよう、シャドウ(暗い部分)に薄らとグリーンを被せます。緑は赤の補色で、赤が引き立ちます。
彼女が太陽(生と光)と反対(背景)に向いているのは死を意味し、背景の暗い藍緑は海の底を表しています。これはもう戻れない事を意味します。
これらでコンセプトの生と死、そして愛に溺れてしまった状態を表現しました。私が作品を撮り続けている愛がテーマの作品群のひとつです。
愛をテーマに撮っている理由は、商業カップルフォトへのアンチテーゼです。量産される薄利多売の愛の写真に対して、思うところが山ほどあります。

文字で説明すると少し長くなりました。作品が作品たるゆえんは、前述しましたが、コンセプトやその写真に写っているものの意味、そして何を伝えたいかにあると思います。

今回はファインアートポートレートについて書きましたが、肖像写真になるとまた話は変わってきます。お作法も入ってきます。そしてストリートフォト、建築、ネイチャーで全く違う話しになるので、直接作家さんからお話を伺ってみてください。展示に行くとみなさんコンセプトとか伝えたい事を丁寧に解説をしてくださいます。トークショーも良いですよ。文字よりも生で、実際に作品を見ながら聞いてみると、より展示を楽しめると思います。

御高覧、ありがとうございました。
Keng Chi Yang

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