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サッカーにおける「テクニック」とは?

皆さんこんにちは!盛吉健吾です。
皆さんはサッカーにおける「テクニック」をどのように考えますか?

・ドリブルで何人も交わしていく選手
・リフティングや足技が豊富な選手
・キックの種類が豊富な選手

などがあると思います。確かに僕もこの様な選手は「ボールを扱う技術が高い」と思います。
ただ僕は「サッカーのテクニック」と「ボールを扱う技術」は別だと考えています。
この情報だけでは「サッカーのテクニックが高い」という評価は難しいです。


サッカーにおけるテクニックとボールを扱う技術の違い


「ボールを扱う技術が高い」「サッカーのテクニックがある」なのか?


ここで考えるのはサッカーのテクニックです。

「ボールを扱う技術」も大切なんですが、このサッカーにおけるテクニックに関して、大切になってくるのは試合中に伴う「判断」の部分になります。

サッカーの試合中に起こるシチュエーション、変化していく状況の中(相手ゴール前、自陣ゴール前、相手・味方選手の位置、スペース、時間など)で判断を下した上での技術。「判断」+「実行」が「サッカーのテクニック」となります。

このテクニックに伴う「判断」にはPAD+Eという考え方があります。

PAD+Eとは何か?

P 認知 (percepcion)
A 分析 (analisis)
D 決断 (decision)
+
E 実行 (ejecucion)

サッカーのテクニックをトレーニングするには、トレーニングの中にサッカーの試合中に起こる判断が含まれていなければなりません。

日本のトレーニングでよく目にするリフティングやコーンドリブルは、この考え方でいうと(E)の特化型。

僕自身はこのような(E)実行を高めてくれるトレーニングはとても大切だと考えています。サッカーにおいて、個人のプレーは勿論ですがチームのプレーモデル又は戦術を支えるのは、パスやコントロール、ドリブルそのモノです。


しかしこの(E)の部分を試合中により高いレベルで発揮するには、つやるか?(判断)の部分もトレーニングする必要があります。

PADの入ったトレーニングとは?

PADの入ったトレーニングをどうやってやるのか?特に試合中のいつ、このテクニックを使うのか?といった「判断」をトレーニングするのに、最も大切になってくるのは「試合背景」です。

チームのプレーモデルに沿って試合の中にでるシーンを切り取ってトレーニングする(試合背景を含む)ことで、テクニックアクションの判断は鍛えられます。簡単に例をあげると、

例 パス・コントロールのトレーニング (5対3ポゼッション形式)

・試合背景なし
個人個人に目の前の敵に対する判断は存在しているが、「試合中のいつ?」の部分はこのトレーニングに存在していないので試合中におけるPADは存在しない。このようなグリッド内のどこでも移動できるようなポゼッション形式の練習を、スペインではコンセルバシオンと呼んでいる。

・試合背景あり
7人制の3-1-2の3-1をオレンジ、3-1-2の1-2を青が行うイメージ。
幸せと同じポジショニングと相手の状況がこのポゼッションには存在しています。
このトレーニングには、
・いつ前を向くか?
・いつパスをだすか?
を試合の判断を伴ってトレーニングする事ができます。

(E)の種類

カタルーニャ州のサッカー協会ではこのサッカーの試合中に起こる(E)の種類を「攻撃」と「守備」のシチュエーションで分類して、可視化しています。

攻撃
・抜くドリブル
・運ぶドリブル
(日本はドリブルに関して、スペインよりも言語化されたEの種類が圧倒に豊富)
・パス
・コントロール
・シュート
守備
・タックル
・クリア

試合中起こるテクニックアクションを細かく可視化する事で、試合のどのテクニックアクションにエラーが起きているのか?
またそのエラーは「判断なのか?」「実行なのか?」を見ることができると思います。

「判断」」と「実行」どちらかのトレーニングや考え方に偏るのではなく、適切トレーニングできるようになりたいですね。