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サッカーにおける守備で重要な3つの優位性!!

 今回は「守備でも重要な3つの優位性」というテーマでお話させていただきます。
 3つの優位性というのは、まず「数的優位性」:そこにいる人の数でどちらが勝っているか。それから「位置的優位性」:相手よりもボールに近い、ゴールに近いなど、立ち位置的に優位かどうか。そして最後に「質的優位性」:能力的にどちらが勝ってるか。この3つのことです。
 スペインではもう15年以上も前から「3つの優位性」をもとに「どこにパスを出すべきなのか」「どこにポジションを取るべきなのか」といったことを「ゲーム中にどう考えて、どう判断していくのか」決められるようにしなさいと言われてきました。その考えが、ここ数十年で日本にもやってきて、サッカーの本にも優位性というワードが載るようになりました。
  遅れて日本に届いた「3つの優位性」の考え方ですが、日本では主に「攻撃」の時の判断材料として話されます。ですが、僕が行ったバルセロナにあるアカデミーでは、守備の時にも「3つの優位性」を大切にしようと言われてきました。
 例えばディフェンスラインの選手が4人だったとします。相手の攻撃参加人数が3人だった場合は、なんとなく守り切れそうな感じがします。ですが、例えば相手のカウンターアタックでこちらのセンターバック2人しかディフェンスに残っていない状況で、相手が4人も攻撃参加してきたとします。これはピンチに感じると思います。
 冷静に考えてほしいのですが、質的に優位であれば、守備に人数を割かずに攻撃に備えておいた方が良い場合があります。例えば相手の攻撃選手が4人のアマチュア選手だったとします。守備をするのがファン・ダイク選手とルベン・ディアス選手で、ゴールキーパーがテア・シュテーゲン選手であれば、2人のセンターバックとゴールキーパーで守り切れます。この場合、質的優位性で勝っているので、守備に人数を割かずに攻撃に備えるべきです。優位性をもとに、自分の行動を決定しています。
 同じように、日本の選手が間違っていることがあります。味方ディフェンダーが3人で相手の攻撃人数が4人の時があったとします。サイドの深い位置まで突破されましたって状況で、ボランチの選手がディフェンスラインの穴埋めに走って、ディフェンスラインに吸収されることがあるのです。当然、数的には不利な状況なので、戻って守備する選択肢は必要です。ですが、数的不利な状況でも守備の人数を増やさない場合もあります。
 サイドからパスを送ろうとしている選手から見ると、パスコースがない場合はあります。攻撃選手が同じパスコースでかぶっていたり、同じラインに立っていたりする状況です。この状況であれば、守備の人数は増やさなくて良いことになります。同じパスコースや同じラインは、そのコースさえ消せば、何人いようとパスカットできます。これが、位置的優位性が保たれている守備の状況です。良い立ち位置に立てば、相手の人数を消していくことができるのです。
 
 ここまでの話をまとめると、多くの人たちが守備のことを考えるとき、「相手がフリーになっている」「数で負けている」という考え方から自分の動きを決定していきます。ですが、例え相手がフリーでも、危険度の低いところであれば別にマークする必要はありません。数で負けていても、こちらが上手かったり、ポジショニングが良かったりすれば、問題なく対応できます。つまり、数的優位性ばかり考えるのではなく、位置的優位性や質的優位性を加えて、たし算、ひき算するべきなのです。
 人数を増やそうとすると、その分攻撃でも守備でもたくさん走らないといけなくなります。どこかで物理的に無理な状況が生まれてしまいます。守備の時にも、3つの優位性から自分の動きを考えるべきです。守備に必要なければ、仲間を信じて攻撃に備えたりすることも大切です。
 ただし、判断をミスしてしまうと相手にやられてしまいます。質的優位性や位置的優位性は、本当に優位性が保たれているのか注意してください。数的優位性は、数を数えればまず間違うことはありませんが、質的優位性や位置的優位性は、目に見えないものなので間違えることもあります。ここは、注意が必要です。
 今回は「守備でも重要な3つの優位性」というテーマでお話させていただきました。
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※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』です。
「サッカーが上手くなりたい人」におすすめの情報を発信しています。スペインバルセロナにあるアカデミーやアルゼンチンのクラブでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。
音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify
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