一ヶ月ほど前に舞台でコントをやる機会がありまして、そのために台本を書きました。

で、無事に実演は終わったのですが、この台本どうしよう問題が残りました。せっかく書いたのに一度きりしか使わないのはもったいない。かといってもうコントをやる機会はない。

ということで、コントの台本を丸ごと公開することにしました。このコントはフリー素材とし、誰でもどこでも演じていいことにします。改変なども自由ですし、演じている動画などのアップロードも構いません。台本自体の再配布だけご遠慮ください。

また、任意ですが、ご利用の際は堀元 見のTwitter（@kenhori2 )までご連絡頂けると「あ、書いた甲斐があったなあ」と満足しますのでよろしければぜひご連絡ください。

あと台本書くの楽しかったのでこういう仕事あればください。最初だけ一本2000円とか格安で書きます。詳しくは一番下に載せたよ。

ちなみに、実演したときの空気は「ややウケ」でした。

～～～以下台本～～～

【登場人物】
婦：主婦。主婦っぽい格好。
旦：旦那。スーツ姿

【第一場面：朝、主婦と旦那が、食卓を挟んで2人で会話】

婦「ねえ、あなた。裕子の帰りが最近遅いのよ。私が言ってもきかないから、あなたがガツンと言ってやってよ！」
旦「いや〜、でもな〜。オレも強く言いにくいしな〜（なよなよと、優柔不断に）」
婦「もう！あなたはいつもそうなんだから！！しっかりしなさいよ！九州男児でしょ！？男は亭主関白ぐらいでいいんだから！！メシフロネルしか喋らないぐらいになってみなさいよ！」
旦「ええ〜、そんな…」
婦「とにかく、裕子にはあなたから言っておいてくださいね！私はゴミ出しに行ってきますからね！！」
旦「じゃあ、オレも仕事行ってくるわ（力なく）……」
※二人ともハケる

【第二場面：エプロン姿の主婦（婦）と、帰ってきた旦那（旦）】
婦「ふう。今日も疲れた」
※旦、袖から出現。
婦「あなたおかえりなさい。お風呂になさいますか？それともご飯？」
旦「メシ」
婦「はい、じゃあ今持ってきますね」
旦「……」
婦（食事を出す）　旦（微動だにしない）
婦「じゃ、食べましょうか。」
婦「いただきます」
旦「……」
旦「……（無言で食べ続ける）」
婦「どう、美味しい？」
旦「フロ（うなずき）」
婦「えっ！？お風呂入るの！？お風呂にホントは入りたかったの？」
旦「ネル（首振り）」
婦「えっ！？何！？寝るの？？？」
旦「ネル」（首振りながら）
婦「首振りながらネルって言ってるじゃん！！どっちなの？？寝ないの？」
旦「フロ（うなずきながら）」
婦「え？？さっきから何なの？？？メシ、フロ、ネルしか言ってない……はっ！！あなたまさか、朝のアレを真に受けたの？」
旦「フロ（うなずきながら）」
婦「うなずきながらフロって言ってる！？フロって”はい”なのね？」
旦「フロ（うなずきながら）」
婦「いや亭主関白ってそういうことじゃなくない！？フロネルメシしか喋れなかったら会話できないじゃん！！それやめて普通に話してよ！」
旦「ネル（首振り）」
婦「”ネル”は”いいえ”とかそういうのもういいから！やめてよ！！」
旦「ネル（首振り）」
婦「やめないの……？」
旦「……メシ！！」（茶碗を差し出しながら）
婦「あ！！ご飯ね！！メシはご飯ね！！……じゃあもう分かりましたよ！！それで一生行くものとして接しますからね！！」
婦（メシをよそい、渡す）→旦（無言で食べ始める）

婦「腹立つわこいつ〜。もう普通に話しかけてやろ」

婦「そういえば、今日はちょっと違う材料を使ったメニューがあるんだけど分かる？」
旦「ネル」（首を振りながら）
婦「このお味噌汁、いつもと違ってちょっと高いお味噌使ってみたんだけど、どうかしら？」
旦「……（困り顔。何か言いたいけど言えない）」
婦「ほら困ってるじゃん！！メシフロネルしか言えないから困ってるじゃん！！」
旦「フロ（苦悶の表情でうなずく）」
婦「困ってるならやめなさいよ！！めんどくさいなあ……じゃあ、”元の味噌のほうが良い”の場合はフロ、”この味噌の方がいい”の場合はネル、”違いがわからない”の場合はメシ、と答えてください」
旦「メシ」
婦「あ、違い分かんないのね。じゃあ元の味噌でいいか」

婦「あ、そういえば、部長のところにお中元送るって言ってたじゃない？」（カタログを出す）
旦「フロ（うなずく）」
婦「そのお中元なんだけど、どんなものがいいかしら？」
旦「………（選択肢をよこせ、みたいな動き）」
婦「欲しがってないで、普通に喋りなさいよ……」
婦「じゃあ、ハムなどの加工食品がいい場合はフロ、クッキーなどの焼き菓子がいい場合はネル、ジュースなどのノンアル飲料がいい場合はメシ、缶ビールなどの無難なアルコールがいい場合はネルフロ、日本酒やワインなどのセンスを要するアルコールがいい場合はネルネル、洗剤やタオルなどの消耗品がいい場合はネルメシ、紅茶のティーパックや日本茶の茶葉などがいい場合はメシフロと答えてください」
旦「……（苦しむ顔をしながら）」
婦「あれ？ダメだったかな……？」
旦「……（苦しむ）」
婦「もう一度聞きたい場合は、フロフロとお答えください（音声ガイダンス風に）」
旦「フロフロ」
婦「ハムなどの加工食品がいい場合はフロ、クッキーなどの焼き菓子がいい場合はネル、缶……」
旦「ネル」
婦「焼き菓子で承りました。ってもう何よこれ！私音声ガイダンスみたいになってるじゃない！」

婦「そういえば、伊藤さん結婚したんだって、相手はフィリピン人らしいわよ」
旦「メシ！？（マジ！？の言い方で）」
婦「マジ！？の言い方じゃない！！そういう使い方もあるのね！」
旦「フロ（うなずき）」
婦「へえ……そんな使い方あるんだ……（ひらめいて）あっ！”爪”のことを英語で言うと？」
旦「ネール」
婦「すごい！（笑いながら）じゃあ、”複数の粉を混ぜ合わせているうちに色が変わる、小学生に大人気の駄菓子といえば？”」
旦「ねるねるねるねる」
婦「惜しい！ほぼ言えるのに惜しいな〜！」

婦「…あっ！じゃあ、”サッカー史上最高の選手とも名高い、アルゼンチン代表チームでキャプテンを勤めるサッカー選手といえば？”」
旦「フロネル・メッシ」
婦「すごい！！全部使い切った！！リオネル・メッシだと分かる形で、フロ・ネル・メシを全部使い切った！！」

（着信音）
旦「……（立ち上がりながら電話を取り出す）」
旦「メシメシ〜？」
婦「もしもしみたいに言った！！」

旦「フロ…フロ…フロフロ……（たまに笑う）」

婦「なんで会話成立してるのよこれ。絶対電話相手怒るでしょ。あっ！笑った！なんで電話できてんの？相手誰？？何この状況？」

旦（電話を切る）
婦「……相手、誰だったの？」
旦「メッシ」

婦「ウソつけ！」

～～～暗転。終わり～～～

ということで、人生初コント台本でしたが書くのはとても面白かったです。

演じるのはキツかったのでもうやりたくないです。僕が「主婦」の方をやったのですが、セリフ覚えに割と時間かかりました。あとツッコミの技術不足をものすごく感じました。プロの芸人さんはホントにすごい。

そんなワケで、今後は「台本書く人」だけやりたいなと思っています。この手の変な台本は無限に書けますので、「台本発注したいな」と思った芸人さん、YouTuberさん、映像制作関係の皆さん、誰でもお気軽にご相談ください。

作家デビュー記念として、最初の1本は2000円で引き受けさせて頂きます。大学生でも気軽に出せる金額だと思うのでお気軽にどうぞ。

連絡先はこれ。

Twitter： https://twitter.com/kenhori2 

mail: ojigisuru@gmail.com