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MBAではなくEMBAという選択

10年間コンサルで働いたあと、私はいまノースウェスタン大学(Kellogg)がグローバルで持つExecutive MBAにイスラエル・テルアビブで通っています。働いていた外資系の戦略ファームではアメリカや欧州でMBAをとってから入ってくる人も多く、面接・インターン等を通じて接する機会も多かったのですが、日本ではあまりメジャーではないEMBAという選択は今後もっと増えてもいいのではないかと感じています。大前提としてEMBAは社費派遣の人が多いのですが、キャリアの合間にEMBAを挟む人も決して少なくなく、私費で来てキャリアチェンジをしていく人もたくさんいます。そういった意味で、キャリアチェンジの手段として、MBAと比べて検討する価値はあると思います。以下、MBAと比べる形で、EMBAという選択がキャリアにどういう意味があるのか、いくつか感じたことをお伝えさせていただきます。

①得るものの違い:信頼vs人脈

MBA・EMBAでは在学中・卒業後に得るものも異なると思います。授業を通じて経営学の知見を得られるというのはもちろんですが、その後のキャリアにフォーカスを当てた場合、MBAは学歴=信頼を元にレベルアップしていくこととなります。社費派遣を除いた私費派遣の場合、20代後半~30代前半にMBAに行き、コンサル・投資銀行・Google等のテック系へと転職していく人が多いものと思います。これに対してEMBAの場合はすでにトラックレコードを積んでいる人が多いため、どちらかといえば箔というよりも人脈が得られる資産として多いと思います。ミドルマネジメントからCEOクラスの人がいますが、「XXXがしたい」ということを明確に伝えれば様々な人を紹介してもらうことができます。実際クラスメートの中にはプログラムがスタートして4か月程度で別の会社に転職をしていった人もいますし、私も欧州の会社を経営する方に「サッカーチームのスポンサーを探しているのだが、だれか日本で知らないか?」といった相談を受けたりしています。これはクラスメートの年齢層が低いMBAでは(あると思いますが)相対的には少ないことだと思います。

②時間の使い方:フルタイムvsバートタイム

MBA・EMBAでは時間の使い方も大きく異なります。MBAは基本フルタイムの学生を前提とするのに対して、EMBAはパートタイムとなります。ただ実際はEMBAの中でも、比較的コミットメントを求める(例えば毎週末は授業でつぶれる)ところと、他都市や国からのFly inを前提として、ある一定期間のみ集中的に授業をする(例:ひと月に1~2回、4日間連続ぶっ続けで授業)ところで分かれるようです。EMBAの学費はMBA並みに高いのですが、他方でコンサルタントやエンジニアなど、すでに手に職があってある程度日本の顧客からも稼げるという方の場合、日本から通うのではなく学校のある海外に住み、「リモートで稼ぎながら海外で住む」ということも可能なのではないかと思います。100%MBAに時間を投入するのではなく、海外に住みながら違うバックグラウンドを持つ人々と知り合い、仕事もリモートワークで続ける、そういった形の時間の使い方も決して非現実的ではないと思います。学費は大きな問題ですが(社費でEMBAへのスポンサーを得るのは相当困難だと思います)、働き続けることによって私費で工面することの現実味は増すと思いますし、むしろMBAよりもそういったことはやりやすいと思います。

おわりに:人生100年&社会人50年時代のキャリアスイッチ

少し前にリンダ・グラッドソンの「LIFE SHIFT」という本が流行りましたが、人生が伸び、社会人人生が伸びるということはキャリアに関する意思決定の回数が増え、タイミングも遅くなるということだとを意味します。新卒で入った会社で螺旋階段を上がっていくというモデルから、20~30代前半までいくつかトライを続けてキャリアを固め(場合によってはMBAに行き)そのあとは走りに抜けるというモデルに変化してきましたが、今後はさらに40代や50代でもキャリアを時代に合わせて変化させていく必要が出てくるのではないでしょうか。30代以降にいかに世界の変化に関するインプットを得て、キャリアにバッファーを入れていくのか、非常に重要なトピックだと思っています。その意味で、キャリアの発射台としてのMBAから、変曲点のバッファーとなりうるEMBAにフォーカスが当たっていくというのもまた自然の流れなのではないかと感じています。

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kenhosomi

イスラエル・テルアビブ在住。米・ノースウェスタン大学とテルアビブ大学のEMBA(Executive MBA)プログラムに通学中。10年間コンサルののち、退職、現在甲羅干し中。
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