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シャングリラへゆく⑱開発を断念した危険な国道★動画付き

雲南の香りに魅せられて僕は旅をした
冒険家が探し求めたシャングリラに想いをよせ
奥へ奥へ雲南省の秘境を旅した記録

①から読めばより深く楽しめます
シリーズ「チベットへゆく」の第二部
シャングリラへゆく物語

開発を断念した危険な国道

10月4日朝
香格里拉シャングリラに位置する山奥に
稲城亜丁ダオチェン・ヤーディンという場所がある

ダライ・ラマ五世が霊峰とし拝んだ
仙乃日山(シャンナイリーXian nai ri)
6032mの麓にある聖なる湖の珍珠海

チベット仏教信仰の湖に昨日ドローンを
墜落させダイブした日本人の僕

今日は扎灌崩 という場所から直進し歩いて
海抜4700mにある五色海と
海抜4600mにある牛奶海(ミルクレイク)
まで登る

朝早く起きると宿の前から見える谷は
雲海が広がっていた

午後には山を出る為、朝早く宿を出る
ドライバーの孫君は宿で待機
登山すると足の疲れで運転が出来なくなるので
宿で逆に今までの運転疲れを取る事にした
4人で山に登る

山岳道は整理されてるとは言え
かなりキツイ山道を登る事になる
人も多く列になり登るような細い道もある
観光地化されてるので
危ない場所は空くなく登れるようになっている

初めは雄大な景色を見ながら進み
ハイキング気分

正直 山登りつてゴールを
知らない方がいい気もする
どこまで行けばゴールか分からないから
あそこまで行けばゴール!という
自分で想像する箇所が何個もあり
たどり着くと、ただの通過点で、
またそこから次のポイントを目指し歩く

初めからわかってたら気が遠くなる
気もするがペース配分は分かりにくい

海抜が高いから、
そこまで急いで歩く事もせず
人の流れに沿って登っていく

ブル猫の妻は途中で離脱
もう体力の限界で迷惑かけるからとして
途中で待機する事になった

途中から岩山の階段を永遠に
登るように道が見える

あそこまで 
ずっと階段を登っていくの・・・って

もうハイキング気分はとっくになくなっている
でも景色は最高に綺麗

案外、こういう時に元気な劉さん

僕とブル猫は高山病の影響も受けつつ
息も切れながらハァハァと
死にそうな男二人と
元気な女性一人

最後の難関の急な階段が続く山道を登り
丘の上に着いた

そこから更に上になだらかに登ると
海抜4700mの五色海に着く

時間帯、季節で色が虹色になるらしく
そう呼ばれている

やっとゴール! と力を振り絞って登った!

僕とブル猫は、もうお互いに
言葉もでない・・・
目と目で大丈夫!大丈夫!と合図していた

五色海から 先に見える もう一つの湖

それが牛乳湖(ミルクレイク)
海抜4600m
ここから100m下がる事になる

まだあそこまで行くの?
結構遠くに感じる

もう いいんじゃない・・・
と弱音を吐きながら牛乳湖を3人は目指す

牛乳湖の入り口で
ブル猫はダウンして休憩
もうダメ!って言って座り込んだ

僕と劉さんは1周歩こうとなり牛乳湖を1周
本当は僕も、休憩し座り込みたかったけど
人の少ない場所に移動して
昨日水没したドローンが復活するか
試してみたかった

牛乳湖を半周しドローンをセットして
電源を入れて飛ばしてみた

宿で電源は入れていたので電源はつくけど
実際に飛ぶかは不安がった

1時間近く水没していたドローンだから
壊れててもおかしくない

でも見事復活し綺麗な映像を撮影してくれた
3分の動画です

その後、孫君からも連絡が入り
早く山を下りてきてと言われ僕らは一気に下山

ほぼノンストップに近い状態で山を下りた
もう足はガクガク
日本なら、このまま温泉に入り疲れを
癒したいが中国でそんな優雅な旅はできない

足はかなり痛く膝も足の裏も1歩進むだけ
ズキンと痛い

日頃の運動不足が身に染みるし
お腹もペコペコでクタクタ

3時頃にホテルに着き孫君と合流し
大型バスに乗り換え麓まで下りた

駐車場に止めてある車を孫君が
取りに行く間に
僕らはバーガーキングを買いに行った

来た時は、こんな場所でバーガーキングって!と
笑ったけど、バーカーキング最高!だ
心の底から中国で米国最高!ってマジ思ったよ!

皆でハンバーガーを買い
車に乗り込んだ

車の中で
ハンバーガーを夢中で食べた
こんな美味しいバーガーキングは
生まれて初めてだ!
マジ米国最高!

時刻は16時過ぎ
この時、僕は次どこに向かうか知らなかった
そろそろ麗江に戻るルートかなと

で劉さんに これから どこ行くの?
って聞いてると

明日、更に南下した位置に
瀘沽湖ルーグーコという湖がある
その周りには世界最後の母系社会で知られる
モソ族が住む村があるらしい

そこに明日向かうと聞く

僕は、まだ麗江じゃないのね・・・
良く知らないから
行ってからのお楽しみにしておこう!

で今日は?

どこか途中で1泊するみたいよ
と教えてくれた

でも、ずっと山道を走ってる
普通の山道ではなく
都市なんて どこにもない相当な山奥

景色見ながら1泊ってどこで??

劉さんも さぁ〜
ブル猫らも さぁ〜
孫君は 走れるところまで行って
暗くなれば宿探そうかと・・・
だいたい宿がありそうな村は
イメージあるらしく瀘沽湖ルーグーコに少しでも
近づきたいと孫君も考えてる

まぁそんな感じなので
宿は期待できないな~と想像はつく

まぁ寝れたらいい宿だろう
温泉付き宿が奇跡的に見つからないかな~と

まぁ期待すればガッカリするので
最悪の宿を想像しておこう!

僕が今まで中国で1番ヒドイ宿は
四川省の九塞溝きゅうさいこう
帰りに寄った松藩古城

松藩はチベット統一した王 
ソンツェン・ガムポと文成公主の像があり
唐の姫だった文成公主が
吐蕃トバン(当時のチベット)へ
嫁いだ時に寄った城で
ソンツェン・ガムポ王が迎えに来た場所

その時も世界遺産の九塞溝きゅうさいこうから成都市まで
戻るには時間が足りず
途中で1泊する為に寄った村

1泊50元(当時で700円程)の激安ホテルに
妻と二人で泊まった

本当に田舎の山中の中国特有の汚さ
小さい部屋にベッドが1つありTVもあるが
壁も汚いトイレやシャワーは共同で汚くて
使えない

その為、近寄る事すら出来ない

とにかく汚いので早く寝たのを覚えてる
汚い宿で貧乏バックパッカー旅は慣れてるけど
中国で汚いって 本当に汚いから(笑)

少しづつ日も傾きかけている

2時間程走った時に
ゲートのような場所があり
一人のオジサンが立っていた

ここを抜けていくのか?と聞かれる
孫君は そうだよ!と答えてる

この先は危険だから気をつけて走るように
言われてる

死んでも知らないよ!って
自己責任だから!ってさ(笑)

雨が降ったり土砂崩れが起きると
頻繁に通行止めになる道

その為、危険だから中へ通さない為に
人が門番をしている

孫君は名簿にサイン!
恐らく事故が起きた時に誰が通行したかを
記録する為のような簡易的な書類
死んでも自己責任!

という事も小さく書いていると思う

その先から道が車1台通れる細い道に切り替わる
山を削り道を作り左側は谷
ガードレールがない区間が多く危険

孫君は
この路は国道を作る予定だったけど
あまりにも自然災害での通行止めが多く
工事を途中で断念
今も中途半端なまま
でも一応貫通して道が抜けれるから
地元の人で多少整備しつつ
通り抜けできる裏ルートと言っていた

雨でいつ通行止めになるか分からないから
もし入れないなら
かなり迂回しなければいけない
だから孫君も、ここに来るのも賭けだった
前日に雨が降れば通行止めになる事が多いらしく
天気は問題なかったので大丈夫と思いやって来た

そんな事もしらず
その場で話を聞きながら
もし無理だったらどれだけ引き返すの?って(笑)

この道で南下する途中で村が何個かあるらしく
孫君が調べた情報を元に危険な山道を進む

そしてこの道はかなりスリリングだった
僕は危険なジェットコースターに
乗ってるかのような緊張感!

地面は砂利道や砂道も多く滑りやすい
たまにタイヤが取られズルッと滑り
ヒヤッとする

頻繁に土砂崩れが起きてるのがわかる

もし滑って谷に落ちったら・・・
上海の残された娘の顔を想像する

孫君も運転が慎重!
疲れも出てくる
孫君 山に登らなくて正解だったな~と
本当に思った

今の僕らは登山帰りで足はガクガクで
アクセルもブレーキも普通の感覚で踏めない
かなり疲れている
皆、言葉では言わないが
この道に入った時かなり
ドキドキしていたと後から聞いた

その道を2時間程かけて走るってる時に
劉さんが この道の途中に
面白い村があるらしいと
携帯から情報を得る

孫君に声をかけ行ってみよう!と会話をしていると
急に車を止めた孫君

どうしたの?

すると目の前で小さな石や岩が
ゴロゴロと上から
転がって落ちてきた・・・
あれ?
ヤバイ
落石だよね・・・これ!
早く抜けないとヤバイ事になるよね
急いで!急いで!
岩が落ちて道が塞がる前に抜けないと!

開発を断念した危険な国道

何とか通り抜けして
危機一髪落石を回避!
もう少し遅ければ車が通れなくなったかも!
5人は車の中でパニックになり
ヤバイ!と連呼して早く 早く!と叫んでいた

カメラ撮影していたつもりが
後からカメラ見たら録画していなかった・・・
あーショック!逃げた姿を
トム・クルーズに見せたかったわ~
2分の動画です

そして夕方
陽が沈む少し前に僕らは
道を少しそれ、ある村に辿り着いた

そこは時の止まったような村
四川省の山の奥の奥へ奥へ入り旅をすると

誰にも気づかれず暮らす人々が今でもいる

シャングリラを探し求める旅人は
偶然たどり着く村をみて宿と食事に安堵して
ひと時の休息をとる

あー
また僕は次元の狭間に迷い込んだのかな~
理想郷を守る先住民が僕らの行く手を拒む
シャングリラは遠い

⑲時の止まった村に迷いこむ へ続く

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