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1 Webメディアsoarについて

初めまして依田 賢一(よだ けんいち)と申します。
前回、目次を作成させていただきました。今回はイベント冒頭のWebメディアsoarについてと編集長の工藤さんの自己紹介の部分を書き起こししていきたいと思います。それではどうぞ。

1 Webメディアsoarについて

話し手:工藤瑞穂さん(夏の暑い日に吹く窓から入ってくる涼しい風のような声をされていると僕は思いました。)


soarは多様な困難がある人であったりとか、そういった生き方をサポートする事例というのをどんどん紹介するメディアとなっております。

2 工藤 瑞穂さんの自己紹介とsoarについて

話し手:工藤瑞穂さん

 私自身の紹介をさせてください。工藤瑞穂と言います。青森県の生まれになります。え〜、宮城教育大学に進みまして、日本赤十字社にずっと勤めていて献血の仕事を7年していたんですけれども、その時に震災を経験したのが結構大きな転機になりまして、そこからボランティア活動であったりだとか被災地の支援だったり、あとは社会課題について対話をする場とかそういった場作りをはじめました。東京に来たのは5年半ですね。そこからsoarを運営しています。
 私がsoarを始める大きなきっかけとなったのは身内が統合失調症になったということでした。統合失調症っていう症状を知っている方ってどれくらいいらっしゃいますかね?

(会場の半分くらいが手をあげる)

 ありがとうございます。私の場合はおじさんが統合失調症になったんですけれども、幻覚とか幻聴があったりとか、被害妄想とかがあったりとかそういう症状なので、なかなか社会生活が難しくなってしまうっていう病気なんですね。
 おじさんはものすごく一生懸命働く人だったんですけども、たまたま部署が変わった時にどうしても合わなくて、子供のためにやめるわけにはいかず、我慢を続けているうちにどんどん症状がひどくなってしまって、今はもう10年くらい精神病棟に入っていて、多分一生出れないんじゃないかって医者には言われています。

私たちもすごく、、こう、家族で色々サポートもしてきたんですけども、どうしたらいいのかわからなくて戸惑う気持ちの方がとても大きくて。どうして病気がひどくなる前に助けてあげられなかったんだろうっていう思いになっていきました。

そこでいろんな情報を探していくうちに、soarが大好きな!大好きな!大好きな!「ペテルの家」という場所に出会いました。「ペテルの家」というのは北海道の浦河町というすごく過疎した町にある場所で、統合失調症がある人たちが一緒に暮らしながら働いている場所です。

病気になると、やっぱり、こう、、病気である人とない人が分けられてしまうこと多いかなという風に思っていて、、

「もうゆっくり休んでもイイし、働かなくても大丈夫だし、やりたいことがあったら治ってからやろうよ、治療に専念しようよ」

っていう風に周囲の人が優しくいってくれると思うんだけども、それが精神心疾患のある人達にとっては社会との関わりを断たれていたりとか、

「人間だったら生きている中で誰でも苦労して生きていくはずなのに、その苦労すら病気で奪われてしまっているんじゃないか」

という風にいっていて、

「それだったら、何か衝突があったりうまく行かないことがあってもイイから、病気であっても自分のやりたいことをやってみようとか、自分たちでビジネスを起こして金儲けをしてみよう!」

とか。そういうすごく素敵なことしている場所です!

 ここ年に一回はお祭りがあって、私行ってみたんですけども、メインコンテンツが「幻覚アンド妄想大会」というお祭りで、まあすごい面白いんですけど、えーここでは

「一般的にはタブーとされていたり隠さなきゃいけないこととか恥ずかしいこととされている幻覚や幻聴がとても彼らの見ている世界って面白いよね。」

っていう風に捉えられていたり、ネガティブかもしれないということの中に可能性があるんじゃないかとして捉えられています。実際、幻覚が見えて起こした事件によって、地域に新しい制度ができたりしています。なので、ここの壇上に登壇している人たち(写真)はみなさん病気がある人たちなんですけれども、自分たちの弱さとか、情けなさを共有して発表して、それを笑いあったりしていて、一番面白かった人がグランプリをもらえる大会なんですけど。病気があったとしてもこんな風に笑ったりとか、幸せになることっていうのはできるんだなあっていうのを私は学びました。

ただそれと同時にもっと早くにこういう場所があると知っていたら、おじさんのことも連れてこれたのかもしれないのになっていう後悔もしました。

この時に困難に直面した時に、良い情報を知らないってことが、人にとっては人生の命運を大きく分けてしまうことなんだなと気づきました。実際にペテルの家もほとんどネットに情報がなくて、たまたま本で見かけて知ったっていう感じだったんですね。

 そこからいろいろ話を聞いていくと

「発達障害があっても働ける場所を知りたい。」

「自分がどうしても数を数えられないっていう特性があってなんのバイトをしてもバイトをクビになってしまう」っていう女の子がいたりとか。

家族や友人で「夫が働きすぎて鬱病になったと思うんだけれども、なかなか病院に行ってくれなくて、どう支えてイイかわからない」っていう悩みだったり、

「子供が重度の障害や難病があって自分が亡くなった後にこの子って結婚したり働いたりとかってできるのかなっていうのがすごく不安で、同じ立場の親の話を聞きたい」とか、

「どこに情報があるかわからなくてサポートにつながれない」という人がたくさんいるというがいることがわかりました。

その一方でsoarで紹介しているような、サポート、素晴らしいサポートをしている方々とか、困難の中であってもがあっても、自分らしさを見つけて生きている方がたくさんいらっしゃいます。

「なかなか現場が忙しくて、情報発信まで手が回らないとか、また課題に無関心な人が多いのでどう発信したら良いかわからない」っていうような情報発信の悩みを抱えていることがわかりました。

なので、すでに困難がある人がいて、サポートする活動があるにも関わらずそれが結びついていないせいで、本当は助かるかもしれない人が助からなかったり、解決されるかもしれない課題が解決されてない状態なのだとしたら、その両者を結びつけていくような、情報でその媒介していくような役割をしたいなと思うようになりました。

 インターネットを使えば、いつ誰がどこにいても、無料で情報を探すことができるので、今までだったら対人の支援っていうのが医療とか福祉だと、主体だったかなと思うんですけど、せっかくインターネットがあるんだからWebメディアで記事として情報を届けていこうということを思いつきました。

そこでsoarというWEBメディアが生まれました。

続く

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