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家で里山を再現するのが里庭2「日本人て本当にすごい〜沢山の命を支える里山を作っちゃった」


里山の自然を知れば里庭が見えてきます。

「まずは野菜や雑木林にズームイン」

無農薬野菜づくりのコツは目線を変えることだと思います。
白菜や玉ねぎ、ニンジンやキャベツたち。どれも私たちが長い歴史と暮らしの中で作り上げてきた作物です。これは野菜に限らず田んぼで作るお米たちも。実は雑木林も一年中葉っぱが付いているシイやタブ、カシなどの暗い森を切ってコナラや、クヌギ、サクラを植えて私たちのご先祖さまが作った林です。元々あった森を切って作った雑木林。そんな理由から雑木林のことを「二次林」と呼んでいます。私たちが作ったので、手入れしないで長い年月放置しておくと元の暗い森に戻ってしまいます。腐葉土などを作ったり、シイタケの原木を調達したりする雑木林は生活に密着していきた環境だった訳です。
畑や田んぼ、雑木樹林などが一つの景観を作り出している環境のことを「里山」と呼んでいます。
里山は私たちの暮らしと生活の中で完成させてきた最も身近な自然だと思います。

クヌギやコナラ。雑木林の木々達は定期的(8年〜12年程)の周期で切ります。伐採された切り株からは新たな芽吹きが始まります。

台場切りしたクヌギです。

伐採してから4何目の状態です。若返った木々にはどんぐりがいっぱい実がつきます。実ったどんぐりは動物達の大切な食料となります。


台場切りして4年後の状態です。若木には沢山ドングリがなります。

山の手入れがされなくなってどんぐりの実がならなくなってしまいました。このため多くの動物達が食料を求めて里に降りてきています。

切り株からは出る樹液は昆虫達の大切な食料源です。

切り株からは樹液はオオムラサキやカブトムシ、クワガタやカナブン達の暮らしを守る大切な食物となっています。手入れされなくなった雑木林は放置されて樹液も出ません。オオムラサキ達の暮らしが心配です。

伐採した木はシイタケの原木、炭焼きなどに利用します。

健康の維持は手入れが大切です。
私たちが作り上げてきた野菜や穀物、果樹たち。多くの種類は野生のなかで健康に生きていくのはかなり難しいと思います。ササや雑草などが茂る環境の中では白菜が健全に生きていくのは難しいでしょう。仮に生育し収穫したとしても一人で食する程度は賄えても市場に出せるようなものは難しいと思います。
つまり、『野菜類や果樹やコメたちは家畜たちと近い立場』と言うことです。
深い山の中で野生のオオカミは生存できてもプードルやマルチーズなどの愛玩犬にとっては厳し過ぎます。ヨシ、ガマがはびこる野生の種が蔓延る水辺では秋田こまちなどのお米が生活できません。

私たちが暮らしの中で作り上げてきた雑木林の環境や田んぼ、畑、スギやヒノキの植林地などは人々の適切な管理によって育まれてきた環境です。里庭も同様です。

野生の雑草が沢山はびこる環境や茂みの中で放置された野菜はあまりにも気の毒です。
それぞれの野菜にあった管理をすることで、無農薬でも元気に生育します。

つづく





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