見出し画像

キャッシュレスの先にあるモノ③

こんにちは。ITジャーナリストの久原です。

前回は、なぜ今キャッシュレスに対して、国をあげて取組むのか?について整理してみました。
今回は、キャッシュレス支払方法と利用割合はどうなっているのか?を考えていきたいと思います。

「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態(=キャッシュレス)」の支払手段としては、現段階では大きく分けて3つに整理されます。
1:前払い(交通系電子マネー)
2:即時払い(デビットカード)
3:後払い(クレジットカード)

2016年の民間最終消費支出に占める国内の割合では、約20%がキャッシュレスでの決済であるが、それぞれの比率は以下のとおりです。
1:前払い(交通系電子マネー)=1.7%
2:即時払い(デビットカード)=0.3%
3:後払い(クレジットカード)=18.0%

前回の記事で、朝のコンビニで交通系電子マネーでの支払う光景を目にする機会が増えたことを考えると文化に根付いてきた気がすると記載しましたが、クレジットカードの10分の1程度しか利用されていないのが現状です。
交通系電子マネーは、主な支払方法をタッチ式といった非接触の方式を取っており、クレジットカードのように店員にカードを渡して、スライド式といった接触方式に比べサインも必要ないので断然に手軽である利点があります。

ただ、事前にチャージを行う必要があったり、Suicaでは金額の上限が2万円に設定されていたり、交通系ではないが楽天Edy、nanacoはチャージの上限額が5万円で、WAONも設定変更することで2万円から5万円に引き上げられるが、それでも高額な買い物には適していないし、ECサイトでもクレジットカードに比べ登録できるカードが制限されている等、ちょっとした支払い以外は使い勝手はよくないです。
それでは、チャージする条件を増やせばいいかというと、紛失時の問題も付きまとうので、そう単純な話にはならないかもしれません。

クレジットカードの利用も、個人で行っているような小さな飲食店や小売店はクレジットカードでの決済を行えないところが多く、クレジットカードでの決済ができる店であっても少額の決済では使えないとか、ランチの時間帯はクレジットカード決済が断られるといった店舗が存在します。

もちろん、導入費用、固定月額費用、決済費用等の理由があることも考えられますが、そういったときは、日本以外でキャッシュレスが進んでいる国と比較をしてみると面白いかなと思います。

次回は、どのような方法で各国がキャッシュレスを普及させたか?という観点から少し掘り下げていければと思います。

この記事が参加している募集

お金について考える

日本一背の高いITジャーナリストとして、「ITって便利だな!」「ITって面白いな!」と思ってくれる人と増やしたいという思いで、全国各地で講演をしていきたいなと思っています! ぜひとも、サポートを宜しくお願いします!