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【告知あり】「ボーカロイドと私」と私

ごきげんよう!今日も元気なインターネット中年・賢ニです。本日は、一丁前に「告知」なるものをしようと思います。と言いますのも、私がイラストで参加している同人誌「ボーカロイドと私」のデータ版がDL開始となったため、ぜひご存知ない方にもお知らせしたかったからです。

総勢60名近い方にご参加頂いた、分厚い随筆アンソロジーです。 ボーカロイドで人生が変わった人、仕事で関わっている人、一緒に生きて居る人、進学を考えた人、地域と交流する人、結婚した人、楽しむ人など ファン、クリエイター、企業、海外勢、その他様々な立場から「自分とボーカロイド」を書いています。 思い入れ、愛情、固執、冷静さ、拘り、希望、日常など様々な感情が織りなす多彩な文章を是非、手に取ってみてください。
【参加者】※敬称略 伊藤博之(クリプトン・フューチャー・メディア) 中村獅童、藤間勘十郎、澤村國矢(超歌舞伎 鼎談) 池田俊貴(初音ミクシンフォニーディレクター) カノウシン(映像ディレクター) chloe-クロエ-(DOG MONSTER) ラビット・ユキネマネージャー(ラビット・ユキネチーム) みくばんP(CBCラジオ) BIGHEAD(ボカロP、DJ) 左手(ボカロP) ぼーかりおどP(noa)(ボカロP) のくはし(イラストレーター) 壱村(イラストレーター) 橋本漆芸(ピアプロコラボ企業) 狐塚自転車工房(ピアプロコラボ企業) UMAPOII、ひろぴぃ、栗原、かまだ、Gally、ぐみ、歹、にゃん、欠乏症P、にぃた、きつねづか、春宮、Toiny、ブルーレイン、出世景清、えこ、まも、Eji、mochi、seki、ドライオン、NAT、Tai@Atmsphrca、ルイス2512、さんふら、あぶらぼうず、はにわ、キュアニート、winter、たこルカ、しぃた、まぐろ、風船猫、たくみ、にーご、リカルド(LR)、しゃる、泡沫たんぽぽ、あっちこっち、りのあ、カラサキウルハ、キヨ、ちふろる、れみっく、けーの、tk、Oxymoroff
【イラスト】※敬称略 のくはし、VOFAN、栗栖 歳、壱村、境ヶ原まるこ、あぶらぼうず、賢二、水素、しろくろ、あんこ、にゃん、Юрй(ゆうり)、かまだ、エポキシパテ、中古アンプ、Kazuna、風船猫、もえぎ、winter、Oxymoroff、じゃがバタ

と、書いてあります通り、執筆陣がとんでもないことになっているんですね。仕事としてボーカロイドに関わっている、いわゆる「公式」サイドの方々が、ファンの企画による同人誌に文章や言葉を寄せていることにインパクトを感じますが、見所はなんと言っても、ファンの熱量の高い文章やイラストたち。触ったら火傷しそうな一冊となっています。

「ボーカロイド」は、見るその人によって大きくその姿を変えます。音楽を発する道具であったり、日本のサブカルチャーの代表として教科書に載る概念であったり、あるいは創作の世界へ誘う天使、あるいは女神、創作そのもののテーマやヒント、恋人、家族、友達、憧れ、おもちゃ、アイドル、ビジネスパートナー、などなど。私たちが「ボーカロイド」と呼ぶそれを、様々な角度から眺めたとき、その浮かび上がった輪郭は、一体どんな形をしているのでしょうか。今から読むのが待ちきれません。

ところで、今回私はイラストを描くことで本誌へ参加をしていますが、実は随筆も書きたいと思っていたのです。ただ、募集時の私のモチベーション的に、書き切れる気がしなかったので、今回は応援するにとどめようと思って、挙げかけた手を下ろしたんですね。だから「イラストで参加しないか」とお声がけ頂いた時は、嬉しい驚き半分、それから申し訳なさがもう半分といった有様でした。しかしながら、大好きな超歌舞伎の絵が描けること、それも大好きな超歌舞伎の出演者のページに添える、見開きのイラストとあって、これもきっと何かのご縁だと思い直し、えいやっと参加を決めました。

私はもともと向上心に乏しい性格で、趣味である絵も文章も、別にうまくなりたいと思ったことはなく、ちょっとでも嫌なことがあればすぐに放り投げてしまうタイプの人間です。ですから、今回の夢のようなお誘いに、あたふたしてしまいました。私の似顔絵はきっと似ていない、大丈夫だろうか?失礼にならないだろうか?そもそも初音ミクを描くのも久しぶりではないか、どうしようどうしよう!その日から、私は慌てて、絵を描く時間をつくり、出演者の写真を何度も眺め、過去のインタビュー記事を読み、そして描きまくりました。私なんかの絵で大丈夫だろうか、と不安ばかり募っていた初めの頃から打って変わり、絵を描いている時間はとても楽しく、幸せでした。

ページをめくった瞬間、オタクの熱量が伝わるようなものがいい。余白をどんどん埋めるように、絵や文字を書き足していきます。初音ミクの長い髪は、よく役に立ちました。超歌舞伎の舞台の上、地に足のついた初音ミクの、ツインテールだけがゆらゆらと不気味にゆらめくのを思い出しながら、私は無我夢中で描きました。白い紙の中を自由に泳いでいた初音ミクが、不敵に笑います。
ほらね。お絵描き好きなんでしょ

彼女にはすべてお見通しだったってわけです。まったく、初音屋さんには敵いません。私のような、一介の会社員を、創作の道へ(再び)引きずり込んでしまったのですから。

彼女の存在は、世界を見る目を変えました。ひょっとしたら、電車の向かいのあの人は、絵を描く人かもしれないし、今すれ違った鼻歌を歌う人は、ボカロPかもしれない。あの女の子はTikTokでボカロ曲に振り付けして踊っているかもしれないし、あの男の子は今日「歌ってみた」を投稿するかもしれない。今日も、なんでもない市井の人々の手によって、0から1が生まれ続けている。そう考えただけで、なんて豊かで素晴らしいことなんだろうと感激します。年齢も職業も、住まいも飛び越えて、初音ミクは今日も誰かを誘いにいく。そして得たパワーでもって、彼女はステージに立ち、今も最前線を走り続けているのです。あまりにも素晴らしいでしょ初音ミク。

ハア…ハア…描き切れた喜びと、積もり積もったクソデカ感情が相まってなかなかに気色悪い文章になってしまいましたが、こういうのを書く場所こそがブログだと思いますから、オッケーとしましょう。とにもかくにも、こんな溢れる感情を抱えたオタクたちの随筆と、そんなオタクたちへ感動を届ける公式サイドの見解が同時に読める、情報量の多い一冊となっておりますので、「ボーカロイドと私」を何卒、よろしくお願いいたします。

賢ニ

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