がっかり通信vol.20

会議は周知型から討議型へと変換期を迎えております。
ただ、なかなか討議というのは難しいもので誰かを責めたり詰めたりする気持ちが出てしまいどうしても遠慮がちになってしまいます。一人の担当責任者以外は。
誰だって責めるような負のエネルギーは使いたくないし、
誰だって成績は上位の方がいいし当然ビリにはなりたくありません。一人の担当責任者以外は。
もちろん自助努力としてそれは自部署で「こうしよう」「あぁしよう」と管理者から一方的でもやる気スイッチを入れる努力をしてなければならないことが前提です。本来なら次席社員から言ってもらいたいものですが。うちは特殊。

誰かを詰めると思うよりどうして挙がらないのか心配、悩みを抱えているのではないか、という考えで投げかけるといいのかなと考える次第です。
例えるなら丸裸にされたあと誰も服をかけてくれず恥をさらしただけといった風でしょうか。
討議が闘議にならないように工夫してほしいものです。

さてこの度その会議で「声出しハンコ押し施策」を決行することとなりました。
嫌な言い方をすればエリア統一で誰が声出ししているかを見える化してやろうという施策です。
ハードルも下げて「〇〇してますか」と声出しするだけでOK。単純明快です。結果も求めません。
逆にこんなことでもハンコを押すという達成感を少なからず得られるという点では優秀な施策でしょう。

そこで自部署はというと今月も折返しに差掛かる本日現在、彼はハンコ0ナッシングです。
かくいう私も1個のみ。言えた義理ではありませんが言い訳をすればもっとやっています。
彼に私を追い越すというささやかでも達成感を味わってもらいたいんです。
しかしながら意に反してこの1を抜くことはないのかとも思っています。

窓口にお若い男性の方がお見えになりました。
契約番号を紛失されてしまったよう。
本来の契約番号は分かっているとのことで契約番号再発行のみ実施。
その間に「こちらの方にお勤めなんですか?」など世間話をしています。ご近所在住とのことでした。
そんなことができるんです。私にはできません。漢字で書くウマシカのように一直線で「〇〇してますか?」を言いたくて仕方ありません。
今回は背後に立って圧力をかけなくても自分からこのキーワードを言ってくれそうですが、散々期待を裏切られているので万馬券欲しさで期待せずに眺めます。

彼の口から「〇〇してますか」。
でました。出来ました。初めてのおつかい並みに涙が出そうです。
しかし幸か不幸かその瞬間、まさにその瞬間「プルルルルる」とお客さまの携帯が鳴り響きました。
お客さまは画面を確認した後ご丁寧に電話を切ってくれました。そしてそっと前かがみになり「すみませんでした」と話を聞こうという姿勢をしてくれています。紳士です。
しかしその後彼の取った行動はというと「あっ、うちで〇〇やってますのでありがとうございました。」と投げやりな感じでお帰ししてしまいました。
まさにバンジージャンプで意を決してダイブしようとしていたところに尻込みしてしまい二度と飛べなくなってしまったかのように。

言うまでもなく
その後、「ポン」と軽快な音を立てて1が達成されました。
彼にとって1件の声かけよりも1押しのハンコの方が大事のようです。
ほんとがっかりです。

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