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著書「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ 」の出版に合わせて一時帰国していました。

今回の帰国では久しぶりに箱根へ。

箱根は日本で通訳案内士として働いていた時、一時期は毎週のようにフランス人観光客とツアーで行っていた思い出深い場所です。

大涌谷の硫黄の匂いや、ワカサギの天ぷらの味、箱根特有の気まぐれな天気、1日の終わりに旅館で浸かる温泉・・・その当時は日常だったものが全てが懐かしく感じました。

多分100回以上は行っている場所ではありますが、ガイドとして訪れるのと観光客として訪れるのは全くの別物で、フランスで暮らすようになって、ガイドとしてフランスのことを多く知るようになって、改めて訪れると、色々な気づきがありました。

何度も同じ場所をガイドをしていると、その場所を初めて見た時の感覚を忘れがちです。けれど、その感覚こそがガイディングする上で結構大事なことなんじゃないかと思います。ガイドが案内する人たちはその場所を訪れるのが初めてのことがほとんどで、その感動にガイドがどのように言葉で寄り添っていくか・・・

誤解を恐れずに極論してしまえば、箱根で富士山が見えればその瞬間は何も話す必要はないのかもと思ったりもします。富士山の美しさを目の前にすれば、言葉であれこれ語るのは野暮じゃないかと。

ちなみに、箱根に行って富士山がきれいに見える確率は個人的な感覚からすると、3回に1回くらい。ちなみに、今回は悪天候で全く見えず、海賊船は運行スケジュール通りに動かず・・・など全く予定通りにいかず。

そう言えば、大雪で道が封鎖されて宿から動けず、お客さんと宿で七並べをしたこともありました。

嵐で船もロープウェーも動かず、そのまま宿に向かい、食事後にみんなで折り紙をひたすら折ったこともありました。

その時は冷静さを保ちながらも、いかにこの状況を打開していくかを考えるだけでも大変でしたが、そうやってお客さんと過ごした時間と、別れ際に彼らが見せてくれた笑顔は今でも忘れられません。

ちなみに、今回の旅行では悪天候のため富士山は見れず。とはいえ、それでもまた戻ってきたいと思わせる魅力が箱根にはあるなと改めて感じた旅でした。


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