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「超」競争社会、深セン

深圳(深セン)に来ています。中国勤務時代に数回来ていたけれど、香港に近いので最近はよく足を運んでいる。

銀行や役所回りをしているのだが、効率がめちゃくちゃ悪い。銀行口座を開設するのにも100枚近くの書類にサイン+押印しなくてはならない。
不正をはたらけないように徹底的に管理をするためだ。写真だけでなく、何度も自分の動画まで撮られた(笑)。いくら深圳が電子化されようとも、「性悪説を追求する」姿勢は変わっていない。

「深圳はスゴイ!」とか「進んでいる」みたいな話を巷では見聞するが、日本と比較する必要なんてないと思っている。そもそも中国と日本は国も都市も成り立ちからしてまったく異なるのだから、比較してもあんまり意味がないのだ。


中国の若者は「996」で働く

あ、でも、日中両国で面接をしている中で、比較して感じることはある。

深圳に来ている中国人の若者は、ほとんどが外地出身(つまり深圳の外から来た子)。
そんな彼らに「なぜ深圳? 深圳に来てみてどう思う?」といった質問をすると、ほぼ100%の確率で「中国の中で深圳が最も発展性がある。競争が激しくて毎日大変ですが、チャンスをつかみたい!」と意気込みを見せてくれる。
中国では平和ボケなんか、してられない。止まればあっという間に置いていかれるのだ。


一方、日本で新卒の面接も担当している。ここでよく聞くのは「閉塞感のある日本から飛び出したい」…つまり「自己実現をしたい!」という欲求が強いのだ。

形骸化した働き改革を推進し、どこも一緒くたに労働時間を減少させる日本。「996」という、朝9時~夜9時までを6日間働く人も増えているという中国(ちなみに僕は中国駐在時の一時期、7116でしたw)。
同じ経済指標、企業の時価総額といった基準から見れば、明らかに中国企業のほうが成長を遂げている。この既存の枠組みではもう日本企業は勝てないだろう。だから既存路線から脱却しないと…な~んてことを考えていた矢先に、商売の仕方について深く考えさせられることが我が身にふりかかった!


街の片隅の薬局で感じた商売根性

アリペイやWeChat Payの普及で、深圳の街では銀行ATMが減少している。それでも出張者には必要なATMを探している矢先に、激しい雷雨に襲われた。
近くに傘は売ってないかと思わず入った店が薬局だった。その薬局に傘が5本売られていたのだが、一本なんと99元(約1600円)もしたのだ! ふつう、傘なんて15元程度で買えるのに。

恐ろしいまでに需要を読んだ戦略だ!(笑)
中国人のこうした商売への嗅覚にはことごとく感心させられる。タイムサービスの逆張り、まさにイールドマネジメント。商機を見て単価を上げて、稼げる時に利益を得る。砂漠では水も高く売れるのと一緒だ。

一律同価格という考え方よりも、よっぽど資本主義。

実は、先日のアジアリクルートの会の上海大会でも、予約をしていたクルージング会社から開催10日前になっていきなり値上げを要求された。これも全く同じ考え方だ。ちょうど3連休だったから予約も増えてきただとかで、後から単価を上げてくる。
一般的に、どこでもホテルやフライトは休日・祝日なんかは値段が上がる。これが原理だと思う。だったら働き方改革推進中の日本だって、旅行業界に限らず、祝日の購入価格を上げるというのはどうだろう。そうしたら、平日に買いに来る人も増えるんじゃないかな。
飲食店は年末年始やGWなど、もっと価格を上げるべきだ。なぜなら、人件費が上がるのだから。

商機を捉え、強気に攻める。こんなことを、上海でも深圳でも目の当たりにした。

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