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台湾法人での苦渋の意思決定(社員数半減からの、V字回復まで)

このnoteは台湾で書いています。
最近では3ヶ月に一度ほどの訪台になっていますが、3年前は月に2回とか、頻繁に足を運んでいた。

手を挙げて2016年より台湾法人も任されることになり、そこから遠隔でのマネジメントへの再挑戦をすることとなった。
2011年、前職で中国の蘇州・天津・大連 3拠点の責任者をやっていた経験もあったので、心理的抵抗はなかったのだが…想像以上に現実はタイヘンだった。

法律や言語はもちろん、人事制度やマネジメント手法、それどころか採用基準も異なり、共通言語も合わないという状態に。そこで、マネジメントポリシーを合わせるところから始める。
スタートアップ組織では、行動しながら修正、という状態に陥りがち。緊急×重要のマトリックスで見ると、「緊急性が低×重要性が高」なものは後回しになる。ルールや制度が不完全だから、発生した問題に後手後手で対応していく「モグラたたき」状態になる。
でも、本質は「その問題がなぜ起きるのか?」を構造化して考え、ボトルネックを変えていくしか解決法はない。何かを変えると、必ず不安や反発も生じる。でも、だからこそ、変化を起こす時には意志をもって臨まなくてはいけないのだ。


必要だと思ったから人事評価制度も変えた

台湾法人を継いでから、最初に直面した大きな課題は人事評価制度。個人営業目標の達成率が90%でも100%でも、評価はほぼ同じ、そんな状況だった。これでは、目標達成への意欲が湧きあがらない。
経営が大切にすること、推進したい指標があるにもかかわらず、それが個人の人事評価に繋がっていなければ意味はない。だから、早期に人事評価を変えるという決断をした。

人事制度の変更。組織にとっては大きな変化だ。
過去にいた中国でもベトナムでも同様のことが起きたのだが、まぁ多くの社員は退職するよね。でもこれは絶対必要だと思ったし、それができるのは自分だから、強い意志をもって決行した。

案の定、社員数は2ヶ月間で半減。
ただ、この状況になるであろうことは拠点長の満尾やプロパー社員の水落とも話してあらかじめ対策をとっていたので、売り上げが一時的に落ちはしたものの、新しい仲間の採用を進めることで早期にV字回復を遂げられた。

意思決定は遅いと、致命傷になる。だから早くの決断が大事なのだ。

優秀な社員を採用することも大事だが、それよりも周囲の足を引っ張るネガティブな社員を残しておくことのほうが、組織にとっては痛手が大きいと思う。
ただ、ネガティブに陥る社員は、経営陣とのミスコミュニケーションから生まれることも往々にしてあるので、これは1 on 1 ミ―ティングでざっくばらんに話せる環境を用意することが、責任者の義務だと思う。
人には排泄が必要だ。我慢は体に良くない。心も同じ。だから、1 on 1 ミーティングは時として、トイレの機能を果たすのだと思っている。

台湾出張の頻度も今では減り、社員数も増加したので、1 on 1を社員全員にすることは物理的にできなくなっている。
でも、こういうポリシーを根付かせることで台湾法人が「組織の成功循環モデル」を活用し続け、成果をあげることができているのは嬉しい。近い将来オフィスも拡張しなくては!

台湾の人々を日本での就職に紹介する新規事業もこの頃から新設した。
日本の「人材不足」という社会課題の解決策の糸口に、台湾の人々がなるのかもしれない。そして、台湾人にとっては「日本で働く」という夢を叶える…。弊社がそんな架け橋になれればと願いつつ、台湾を離れ次は上海に行ってきます~。


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