劇場数の推移と「Popcorn」

こんにちは。
映像制作チーム「ネクシネマ」の田代です。

今日は、2001年以降の劇場数の推移と「Popcorn」についてお話しさせてください。
まだまだ勉強中の身です。業界の方、知識のある方、問題のある表現を見つけたら、ぜひご指摘ください。

僕は、20代半ばから俳優業を始めて、30代に入って自前で機材を買い揃え映画・映像制作を始めました。
映画の制作現場というのは、どこも大変だと思うのですが、僕は前々から、「そもそもなんでこんなに大変なんだろう?」という疑問がありました。

ですが、俳優業をやっている時は、日々のバイトに追われて、そもそもの業界のことを調べてみようとする気持ちの余裕が持てませんでした。
自分でカメラを買って、色んな人とつながりながら、映画を作っていこうとしている今、「そういう勉強も必要だな」とやっと思えるようになったのです。

ペーペーの僕の眼から見ても、日本の制作現場ならではの慣習、雇用の問題など、語るべき問題は山ほどあります。
今回は、「日本映画産業統計」を基に、日本の映画館数などの動向をまとめてくださっているガベージニュースさんより引用して、劇場数の推移についてお話ししていきます。

ここでは、2001年~2018年の下の四つの指標に注目します。

興行収入   :2001年 2001億円 →2018年 2225億円
全スクリーン数:2001年 2585 →2018年 3561
公開本数   :2001年 630本→2018年 1192本
通常映画館の数:2001年 1401 →2018年 411
【引用元:ガベージニュース(http://www.garbagenews.net/archives/2034792.html)】

実は、映画全体の興行収入というのは、ここ20年間で1割ほど増えました。
そして、全スクリーン数は約1.4倍に増えています。複数のスクリーンを持つ大型映画館、シネコンの増加によるものです。
そして、公開本数は倍近く増え、通常映画館は……3分の1にまで減っています。

つまり、業界全体が盛り上がっているわけでは全くないのです。
次から次へと、短いサイクルで新作を公開し続けないと、売り上げがキープできなくなっていると言っていいかもしれません。
映画1本当たりの興行収入(≒来場者数)というのはぐんぐん低くなっていて、多くの通常映画館はどこも苦しい経営の中、がんばっています。

商品のラインナップ=どんな映画が売れているのかということを見ていくと。
2018年でいえば興行収入2225億円のうち、上位10作品が全体の25%以上を占めています。
それらの内訳はシリーズ物のハリウッド大作か、ファミリー層を取り込んだアニメ作品が多くを占めています。
【引用元
映画評価ピクシーン:https://pixiin.com/ranking-japan-boxoffice2018/
「一般社団法人 日本映画製作者連盟」発表 『2018年(平成30年) 全国映画概況』:http://www.eiren.org/toukei/img/eiren_kosyu/data_2018.pdf#search='2018%E5%B9%B4+%E8%88%88%E8%A1%8C%E5%8F%8E%E5%85%A5'

以上をまとめると、現状の日本の映画産業は、次のようにいえます。

・大型映画館=シネコンで安定的な売り上げを出せる作品がどうしても好まれる
・興行収入は1割ほどしか増えていないが、全公開本数が増えている。つまり1本当たりの売上はどんどん減っている。
・それは同時に、制作現場においては、制作単価が減っているということでもある。
・通常映画館の数は、ここ20年で3分の1にまで減ってしまった。

気持ちの暗くなる表現で申し訳ないです。
ですが、これが僕の今抱えている「映画産業」に対するイメージです。
地元の商店街はつぶれていって、大型の商業施設しか生き残っていけない。
そんなイメージを持っていただければわかりやすいかと。

ここで、「Popcorn」の話につながっていきます。
「Popcorn」では、権利処理が適正に行われた作品であれば、月4回までならカフェやバーなどの「マイクロシアター」で自由に上映イベントを作ることができるというWEBシアターサービスなのです。
僕は、この仕組みをすごく良いなと思っています。

通常映画館がどんどんつぶれてしまうのは、本当に悲しいことです。
映画に関する「交流の場」がどんどん少なくなり、僕たち制作者にとっても上映の機会がどんどん失われていく、ということですから。
「Popcorn」での上映イベントなどがその流れを少しでも変える力になってくれればいいなと思います。

もっともっと。
映画が好きな人が増えてほしい。
映画に関する交流の輪が広がっていってほしい。

日々そんなことを思いながら、自分の映画を作ったり、上映イベントなど行っています。

「Popcorn」に興味を持っていただけたら、ぜひぜひ一度HPをチェックしてみてください!(https://popcorn.theater/

僕が代表をしている上映ユニット「ネクシネマ/Nexinema」についてはこちらです。よければ。(https://note.mu/kenjitashiro/n/n0f714d3f661b

最後までお読みいただきありがとうございました!

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映像作家・俳優 田代健二
オウンドメディア:https://nexinema.com/
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~引用元~
ガベージニュース:http://www.garbagenews.net/archives/2034792.html
映画評価ピクシーン:https://pixiin.com/ranking-japan-boxoffice2018/
「一般社団法人 日本映画製作者連盟」発表 『2018年(平成30年) 全国映画概況』:http://www.eiren.org/toukei/img/eiren_kosyu/data_2018.pdf#search='2018%E5%B9%B4+%E8%88%88%E8%A1%8C%E5%8F%8E%E5%85%A5'


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