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スタートアップがDebt(デット)で資金調達するとき、理解しておくべき2つの制度

スタートアップは、なぜ資金調達できるのか?
スタートアップ企業は「なぜ借入できるのか?」という事について考えたことはありますか?

資金供給する人達がどんな事を考えているのかを踏まえて考察します。

創業直後は、制度に頼ってデット調達を
創業直後は、最も資金調達がやりにくい時期です。
この時期は、会社の実績がなく、赤字が続く時期です。
会社に「お金を借りるための信用」は実質的には”ない”のです。

しかし、国などの「スタートアップ支援」の制度を利用する事で、デット調達が可能となります。

国などのスタートアップ支援とは?
国や自治体が発展するためには「経済成長」が必要です。

経済成長には、世の中の新しいビジネスが育つことが非常に重要となります。

国や自治体は、世の中の新しいビジネスを育てるために、創業支援のための政策をいくつも準備しています。

スタートアップ企業の味方の政府系の日本政策金融公庫

例えば、日本政策金融公庫という、政府系の銀行があります。
創業直後の会社に信用はありません。
信用がないとはいえ、創業直後の会社が全く資金調達できないと、新しいビジネスが伸びないため、国の経済成長に大きなマイナス影響が出てきます。

しかし、民間の銀行が通常のリスク査定をしたら、資金を融資する判断は極めて困難になるでしょう。

そこで、民間銀行が手が出しづらい創業直後の会社への融資を行ってくれるのが「日本政策金融公庫」です。

スタートアップ企業が資金調達する上で覚えておきたい2つの制度


1、日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、
・創業前の社長の実績
・社長個人のクレジットカード返済状況の実績
など、社長個人の信用をみることで融資判断を進めてくれます。

また、創業支援のための融資制度も準備してくれています。
スタートアップが、最初に相談に行きたい銀行です。

2、信用保証協会
信用保証協会には、スタートアップが利用できる創業融資制度があります。
この制度を使うことで、民間の銀行から融資を受ける事ができます。

信用保証協会は、最初に保証料を支払うことで、銀行からお金を借りて返せなくなった時に、代わりに銀行に返済してくれるのです。

もし、この様な事態になったら、返済期間を再度スケジューリングしてくれます。例えば、月々の返済額を5万円などの現実的な金額にして、保証協会に返していくことになります。

また、民間の銀行や信金に相談に行くと、信用保証協会と連携して融資をしてくれます。

つまり、信用保証協会なしでは、民間の銀行や信金との取引を始めることは極めて困難になります。

どの銀行とお付き合いするにしても、最初は「信用保証協会」と連携した融資になると思います。

日本は世界的にも優秀な制度融資が根付いている
スタートアップの聖地シリコンバレー等では、銀行などからお金を借りる「デットファイナンス」でスタートアップが資金調達することは、ほぼないと言われています。

シリコンバレーでは、銀行は投資家からの資金を受ける決済口座としての役割などが主な機能です。

なぜ、日本にはこの様なデットファイナンスの制度が根付いていったのでしょうか?

それは、戦後の高度経済成長にありました。

高度経済成長の時代、会社を支えたのは「メガバンク制度」でした。
銀行と会社は、メインバンク制と呼ばれる強固な関係を構築しました。

この時代に、銀行と会社が連携する文化が日本に強く根付いていったと考えられます。

バブル崩壊後、銀行は生き残りをかけて保守的になり、リスクの高い融資には消極的になります。

しかし、会社に資金が共有されないと経済がどんどん縮小してしまいます。
そこで、国などが融資を支援する「日本政策金融公庫」や「信用保証協会」といった制度が発展していきました。

シリコンバレーでは「エンジェル投資家」や「ベンチャーキャピタル」といったスタートアップ”エクイティ”ファイナンスが発展しています。

その一方で、日本では「日本政策金融公庫」や「信用保証協会」といった、スタートアップ”デット”ファイナンスといった、ちょっと渋いファイナンスが発展してきたのです。


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