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食べものは商品ではない

慣行農業に疑問を持ち始めたのは1979年頃、父親の田畑を受け継いで農業を始めて3年たった頃から。
自分の体調が悪くなったり、お子さんがアトピーになったりがきっかけでした。
何人かの仲間と有機農業を始めます。
最初は虫がつきにくく収量があがるいもや大根で始めました。
買い手はその頃知り合った「せっけん運動」をしている都会の人達で10年程都会に有機農業の野菜の宅配を続けます。
そして、カフェトークでお話があったように、都会に野菜を届けることに疑問を持つようになるのでした。
有機農業も自分の思っている農業と違うと思い、行きついたのが自然農でした。
それが15~16年程前。今では長野県の小諸市に畑3反、田3反、大豆や麦などを3反位。
田んぼからは1反から米4俵が収穫できます(慣行農業の半量程度)。
暮根っこという自然農の会を作って活動するようになりました。
受け取り手も変わります。都会の人達には他の有機野菜の宅配システムの出現もあり買い手が少なくなり、今は長野県内の17~18件の家庭が受け取り手で美斉津さんの家に取りにきてもらっています。
野菜はいつも採れるわけではなく、多い時もあれば少ない時もありますが、生活の安定のために一定量のお金をいただく。
普通の消費者感覚とは違いますが、そうすることで農業者の生活が安定する。
生活費という意味合いも含めてそのような形にしています。
畑や田の手伝いに消費者に手伝いにきてもらうこともあります。

 美斉津さんの一日は長いです。朝4時半に起きて朝食をとり、14時まで働きます。
少し休んで19時頃、暗くなるまで働きます。
こんなに働いて疲れませんか?との質問に「苦にはならないね」。
その時その時を見つめて生きているからでしょうか。
自然農に携わる人達にはこういう方が多いのだとうたさんが教えてくれました。
食事はほぼ玄米菜食になってきて、魚や肉はほとんどとらず、卵も飼っている鶏が産む卵を月に1個~2個食べる程度。以前は水が体内にたまった感じがあって仕事始めは疲れていたが、最近はそういうこともなくなってきたそうです。

 冬には野菜が採れないので秋にとって貯蔵したものをお渡しします。
そうすると青物は2月頃まで提供できるのだそうです。
干し大根や干し柿等の加工や縄細工もしています。
味噌や醤油、パンも作っています。
「夏は冬のために、冬は夏のために仕事をする。」

 自然農で作りやすいものとしては豆類、雑穀、トマト、トウモロコシが挙げられます。葉物は比較的難しく、美斉津さんの畑では土地柄なのか茄子があまりうまく育たないそうです。

 「食べ物は商品じゃない」今後、美斉津さんは自然農で自給するという考え、実際のやり方を広げていきたいと願っています。
その輪は少しずつでも広がるでしょう。
既に自然農の素晴らしさをパーマカルチャー塾生は知りました。
美斉津さんのような自然農実践者をお手本に、頑張っていきたいですね。

ブログにもレポートが載っています
http://shalomusui.blog90.fc2.com/blog-entry-1110.html

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