多くの宗教が禁欲を説く中、欲望を肯定する密教とその経典「理趣経」
生命を賛美し、欲望、特に性欲を肯定する哲学である。
あらゆる存在の本性が清らかだというのは、『法華経』において、すべての衆生は仏性を備えているという教えに通じるものだが、その後の展開が、『理趣経』の特徴である。
これに続けて、「いわゆる妙適清浄の句、これ菩薩の位なり」となっている。ここで言われる「妙適」とは性的な快楽のことであり、この箇所全体は、「いうところの性的快楽が本来清らかなものである、という成句(=地位)は、そのまま菩薩の立場である」と訳されている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?