片倉 健(Ken Katakura)

株式会社ビタリー代表取締役。1986年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。アクセンチュア、…

片倉 健(Ken Katakura)

株式会社ビタリー代表取締役。1986年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。アクセンチュア、フロンティア・マネジメントの経営戦略コンサルタントを経て、ビジネス書籍の要約サイト「Flier」の共同創業者として起業。その後「VITALY」を共同創業。著書に「未来市場(日経BP)」。

最近の記事

withコロナの更なる長期化を見据えて

「ワクチン2回打ちました」という言葉が、「あなたを感染させる心配はごさいません!」ということを意味するかと思いきや、「感染しても、私は(たぶん)死にはしません」というメッセージに過ぎないことが明らかになりつつあるようです。 この事実を見る限り、「そのうち収束して元の世界に戻るだろう」という期待感は私の中で無くなりました。むしろ、「今後一生withコロナかも」と思うようになりました。目の前にある飲食店を貸し切って、大人数でワイワイ飲むという行為自体は、やろうと思えば今すぐにで

    • 経営者と従業員の関係は、相互に奪い合うよりも、常に対等でいる方が、穏やかに過ごせる

      「やりがい搾取」という言葉がある。よく、ベンチャー経営者はリクルーティングイベントなどに登壇すると、 うちの会社には、成熟した大企業では得られない「やりがい」に満ち溢れている。確かに仕事はハードだ。残業も多いかもしれない。転職すると給料も低くなるかもしれない。しかし、それを上回るほどの成長機会と大企業では得られない仕事のやりがいを手に入れることができるだろう。さぁ、君も私のチームにジョインしないか? という類の発言をしているのを目にする。要は、優秀な人材を低賃金で雇いたい

      • 事業を拡大する際は、人員増を意識するよりも、顧客の利益だけに集中する方が、穏やかに成長できる

        普通に生活していると、初対面の人などに「お仕事は何をされていますか?」という質問をされることがしばしばある。私が「会社経営をしています」と答えると、次に来る質問は「何人くらいの会社なんですか?」というものが殆どだ。「その質問、何の意味があるの?」と内心思うのだが、敢えてその人の心情を洞察してみようと思う(私は「忖度」が、つまり、その人の本音を拾い上げるのが得意だと自負している。この記事は、その表現の仕方に容赦がないのを予めご了承願いたい)。 「何人ですか?マン」の正体一つ目

        • 会社経営は、無理に急成長する会社を作るよりも、カームカンパニー(穏やかな会社)を目指す方が、関係者の幸福度が高い

          私はソフトウェアの開発・運用を手掛ける会社を経営している。IT業界にいるのは間違いないが、よくメディアで取り上げられるようなスタートアップとは全然違う思想で会社を経営している。それは、タイトルに挙げた通り、 会社経営は、無理に急成長する会社を目指すよりも、カームカンパニー(穏やかな会社)を目指す方が、ステークホルダーの幸福度が高い という考え方だ。この記事の内容は、大いに私の価値観がベースになっている。この価値観を他人に押し付けるつもりはないし、急成長するスタートアップを

        withコロナの更なる長期化を見据えて

          中長期的な目標と期限は、明確に持つよりも、おぼろげに抱く程度にしておく方が、穏やかに過ごせる

          こちらの記事に書いた通り、私は「カームカンパニー(穏やかな会社)」であることを意識しながら会社経営を続けている。これは、ハードな長時間労働を続けるよりも、無理なく続けられるストレスフリーな働き方で、利益額(率)も自身のスキルも限界までストレッチすることを目指している、という意味である。 中長期的な目標と期限は不要ところで、かなり昔の「カンブリア宮殿(テレビ東京)」だったと思う。ソフトバンクグループCEOの孫正義さんが高校生にむけて、 自分の持った夢の大きさに人生はおおむね

          中長期的な目標と期限は、明確に持つよりも、おぼろげに抱く程度にしておく方が、穏やかに過ごせる

          起業初期は「急いで勝ちに行く」よりも「負けない状況を作ること」を意識した方が、成功確率が高まる

          私はクラウド型ソフトウェアの開発・運用と、それに伴うコンサルティング業務を担う会社を経営している。創業したのは2015年なので、この記事を書いている時点で丸6年が経過している。それ相応の野心は持っているが、ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達は行っていない。創業初期からVCからの資金調達を行い、短期間でスケールし、株式上場を狙う「スタートアップ」とは全然違うスタイルだろう。別に私はVCからの資金調達をするべきではない、と言っているわけではない。資金調達のスタイルは、自分

          起業初期は「急いで勝ちに行く」よりも「負けない状況を作ること」を意識した方が、成功確率が高まる

          「オフィス不要説」に異を唱える

          ①緊急事態宣言以降、専ら外で飲むのが怖くなってしまった、②昨今、ベンチャー企業を中心にオフィス不要説が叫ばれるようになった。この二点を理由にオフィスの一角をバースペースにしました。まだビンテージ物は入れてませんが、裏鍋島をはじめレアな日本酒はあります(日本酒を縦置きできるセラーもゲットしました)。 さて話を戻して、オフィス不要説についてですが、コロナ前は私も賛成でした。しかし、コロナを機に今一度オフィスの価値を問い直してみました。結論、❶自宅より快適な作業スペース(会話はチ

          「オフィス不要説」に異を唱える

          DX・新規事業「5%ルール」について

          ※本記事は段階的に更新していくことを想定している  2020年5月11日最終更新 現在、私の会社では、表題にあるように『DX・新規事業に関する「5%ルール」』を提唱している。主に大企業向けの施策提案だ。 こちらはGoogleの「20%ルール」をベンチマークに検討した考え方であるが、「20%ルールは現場からの反発が大きい」ということで、現実問題として全社施策として導入困難であるという会社が殆どだ。 確かに、従業員全員が週のうち1日を現業とは関係のない新しい取り組み当ててよ

          DX・新規事業「5%ルール」について

          コロナで時代が10年進んだ気がするのだが...

          緊急事態宣言から1カ月が経過し、新型コロナ問題に対して、自分の中での整理がついてきた。結論から言えば「働き方」に関して、急に時間が10年先に進んだということだ。タクシーの信号待ちすら我慢できない私にとって、「移動」は心の底からストレスだった。あらゆる束縛が耐えられない私にとって「常に東京にいること」は、牢屋に入れられているも同然の気分だった。そもそも、2019年の段階で仕事は録画した動画とチャットだけで済んでいたはずなのに、現実問題として社会がそれを受け入れてくれなかった。

          コロナで時代が10年進んだ気がするのだが...

          テレワークを長続きさせるためには「電話」と「会議」を捨てよ!

          ※リモートワーク時代の必須スキルを動画トレーニングで配信しました 【非常に真面目なYouTubeを始めました】 4月7日に緊急事態宣言が出まして、社会はあっという間にリモートワーク一色となりました。私の会社は以前から勤務形態自由でしたので、特段何の変化もありませんが、急遽リモートワークを始めた会社(特に大組織)は大変でしょう。しかし、デスクワーク中心の勤務形態で、リモートワーク導入により、ネットワーク環境以外の要因で労働生産性が下がったというのであれば、それはそもそもの働き

          テレワークを長続きさせるためには「電話」と「会議」を捨てよ!

          コンサルの弊害 ~ 概念実証(PoC)疲れ

          最近、どこのコンサルティング会社もみんな「新規事業を企画して、素早くモック作ってポック(PoC)しましょう!」と言っている気がする。 「これだから起業経験のない素人コンサルどもは...」 というのが私の率直な感想だ。大企業はどこもかしこも新規事業に困っており、コンサル会社のお得意なそれっぽいパワポで、それっぽい提案をすると、それなりに受注できるのが今のタイミングだ。 「半年間で企画~モックを作って、そのあと半年間でポックしましょう」というのが彼らのお決まりの提案フォーマ

          コンサルの弊害 ~ 概念実証(PoC)疲れ

          初めての起業は、海外モノのパクリからはじめよ、という話。

           大学を卒業し、2年半サラリーマンをして脱サラ、起業家8年目の私。既に2社目の起業だ(大学時代のをカウントすると3社目だ)。日本は米国や英国の人口と比較して、圧倒的に起業家が少ない。その理由はかなり複雑で一筋縄では解決できない課題だ。なぜこれが課題といえるのかというと、米国や中国を見ればわかる通り、GAFAやBATHなど世界全体の経済成長をけん引している産業が、比較的歴史の浅い新興企業によってリードされているからだ。  さらに、私が「Crunchabase」のDBを独自に分

          初めての起業は、海外モノのパクリからはじめよ、という話。

          「2040年問題」とテクノロジー

          将来、人手が足りなくなる? 最近、「2040年問題」が話題になっている。「2040年問題」とは、今から約20年後に、人口減少と高齢化によって、高齢者の数がピークを迎え、それを支える人手が大きく不足するという問題である。 この問題が話題となったきっかけは、総務省の有識者会議「自治体戦略2040構想研究会」の報告書だった。報告書によれば、「2040年問題」に対応するために、自治体連携の枠組みとしての「圏域」の導入、AI・RPAを使った行政の効率化、そして公務員数の削減などが必

          「2040年問題」とテクノロジー

          テクノロジーと税金の未来

          凄まじいスピードで発展するテクノロジーは、我々にとって福音なのか、それとも危機をもたらすのだろうか。AI、ロボット、Iot、キャッシュレス、仮想通貨。近年、新たなテクノロジーがもたらす将来的な経済・社会像が多くの論者によって語られている。ある人はテクノロジーの発展がすべてを解決していくれるかのように語る。はた、またある人は、それが人間の役割を阻害するようなものとして捉える。果たしてどちらが正しいのだろうか。そこで今回は、AIとキャッシュレス・仮想通貨を取り上げて、テクノロジー

          テクノロジーと税金の未来

          文化をソウゾウする

          日本は人口減少社会に突入している。それゆえ日本経済の規模を維持するために海外の需要を取り込み、生産力を維持するために外国人労働者のさらなる受け入れが企図されている。経済規模と生活の豊かさは必ずしも直接的に関係しているとは考えられないが、国際的な経済力には規模が重要であるという考えを理解できないわけでもない。もっとも、近い将来には多くの仕事が、急速に発展するAIによって置き換えられる可能性があるため、生産力についてはそれほど重視する必要はないかもしれない。そうであるならば問題は

          文化をソウゾウする

          自己紹介 / 会社概要

          【経歴】 片倉 健(かたくら・けん)。先端テクノロジーを活用した新規事業開発の総合支援・ベンチャー企業投資を行う、株式会社ビタリー代表取締役ビジネスプロデューサー。1986年生まれ。北海道札幌市出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系コンサルティング企業のアクセンチュア、経営支援・M&Aアドバイザリー企業のフロンティア・マネジメントの経営戦略コンサルタントを経て、ビジネス書籍の要約サイト『Flier』を共同創業。同社退職後ビタリーを共同創業。 【主なプロジェクト実績】

          自己紹介 / 会社概要