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「人的資本経営」をSORとSOEの視点から考える

人的資本経営とは何か?を改めて説明する必要はないと思います。企業のサステナビリティを担保するものとして財務情報と非財務情報の2つがある。そのうちの非財務情報の重要なピースが「人材」であり、その「人材」に関する取り組みを「人的資本経営」として語ることが求められています。
これを語るとき、SOEとSORの2軸で人事担当者は取り組んでいるはずです。「人材版伊藤レポート2.0」でも取り上げられている、リスキル、学び直し、知と経験のダイバーシティ&インクルージョン、サクセッションプランニング、社員エンゲージメント、企業文化への定着などが重要な取り組みでしょう。そして、これらの取り組みのためにシステムやソリューションを活用しようとするとき、SOE視点で考えることが有効だと思います。
一方、「人材版伊藤レポート2.0」の中で、As is - To beギャップの可視化、動的人材ポートフォリオといった取り組みも指摘されています。これらは現状を把握する、いわば現在地を確認できないことには計画できません。そのためには現在地をモニタリングできるCapabilityが求められ、すなわちこれはSORの視点でシステムやソリューションを作りこみ、正確に把握することがquickにできることを意味します。これがないと、SOE側のソリューションもその効果や期待されている成果に向かって取り組みが堅実に進んでいるのかどうかも把握できなくなります。
そう考えると、SORとSOEのソリューションはそれぞれ特性が違うものの、人的資本経営を追求するときにどちらも同時進行でバージョンアップしていくことが必須なのだと考えます。「両利きの経営」は知の探究と知の探索を指していますが、「人的資本経営」を支える両利きはSORとSOEとなる、と考えます。どちらか一方だけに投資して取り組むのではなく、両方とも同時進行で進化させていく必要がある。しかし、その投資においてSORとSOEの根本での違いがあることを理解せずに判断してしまったり、プロジェクトを進めようとすると混乱が生じ、成果を出すまでに時間がかかってしまう。
「人的資本経営」におけるプロジェクトを任されたら、それぞれの取り組みをSORとSOEの本質的な違いから本能的に嗅ぎ分けて、成功に導いてほしいと思います。

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