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海外移住生活10年目。カナダのAlberta州ってどんなとこ。

オーストラリアでのワーホリから海外生活が始まり、僕はカナダ永住権を取得しました。BC州、Yukon準州、AB州、NB州と滞在先を転々とし、2024年3月から2020年以来カナダAlberta州(AB州)のCalgaryへ戻ってきました。

Alberta州での生活もユーコン準州から引っ越してからトータルで4年ほどになります。その間にカナダの大西洋側にあるNB州にも数カ月間だけ住んでいたことがあります。

VancouverのBC州やTorontoのあるON州などは、カナダ有数の大きな都市圏を形成し、人口も圧倒的に多く海外移住者も多いです。そのため色々な現地情報もAlberta州に比べて多いかなと思います。

僕は、USAアラスカ州の隣のYukon準州やUSAのメイン州の隣にあるNB州での滞在歴があります。また各州への引っ越しのたびにカナダ国内を車で横断や縦断していました。そのため短期ながら各々の州の街を訪れた経験もあります。

現在Alberta州(AB州)に住んでいるので、今までの経験を比較材料として活かしつつ、今まで訪れことのあるAB州の街や都市について、またAB州の産業や気候など僕の視点でまとめてみたいと思います。


AB州は魅力的な街が多く、なんとかまとめてみましたが少し長文になりそうなので、2部構成にしました。続編は近日中に公開予定です。


【Alberta州の気候】

気候はカナダの内陸部の気候帯らしく全体的に乾燥していており、年間の晴天日数もCalgary周辺はカナダで最も多いと言われています。

またAB州はカナディアンロッキー周辺だけでなく全体的に標高が1000m以上あり、標高で考えると日本の山間部と変わらないかもしれません。

プレーリーに一直線に走る州道(ハイウェイ)

【AB州の冬】

晴天が多い方なので、日本の雪国のように冬もずっと曇り空というような気落ちするような日々ということもないです。日照時間は夏に比べて短い(冬至近くは特に)ですが、気温も氷点下1桁くらいなら、日中はポカポカ陽気で散歩日和のことが多いです。

冬はセントラルヒーティングされていることもありますが、室内も乾燥しており、乾燥機がなくても洗濯物を外に干さない(干さなくても良い)環境にあります。
カナダでは天日干しする習慣がほぼないのもわかります。夏は良くても冬の氷点下の日に外に干しても凍るだけですね。。。

氷点下25℃位になると圧倒的に水温のほうが外気温より高いので川にスチームができます。

例年通りの冬ならば、10月頃から降雪があったり氷点下の日々が数日ずつやってきます。
AB州も気温変化(気温差)は1日の中で20℃以上あるので、朝は雪が降っても昼過ぎは半袖日和というカナダらしい日々も体験できます。

11-2月くらいになると、月1-2回で数日間まとまった極寒日(氷点下25℃以下)がやってきます。もちろん真冬でもずっと極寒日というわけでなくマイルドな期間もあります。

冬でも週間天気をみると結構気温差があるので、冬は氷点下10-15℃前後が平均気温になるんだと思います。

そういう日は最高気温が氷点下25℃で最低気温氷点下30-36℃まで下がることも。極寒日は日中の気温差も10℃ないので、ずっと痛い寒さであることが多いです。
今年は暖冬で氷点下30度から氷点下5℃くらいまで上昇することもありましたが。。。。
ユーコン準州の以前に住んでいたCarmacks周辺なら極寒日に氷点下40℃以下もありました。ガスタンクのガスが気化せず凍るくらい。それに比べたらAB州の極寒日は車のエンジンも動くしマシだと思います。

ぽかぽか陽気な日だと日光浴する野生動物も増えます。

アルバータ州は、カナディアンロッキーが西側で南北にかけて聳え立っています。一般的に太平洋側の空気が山脈を通って乾燥した空気になる原因になります。また太平洋側のVancouverのあるBC州から暖かい空気を時々持ってくることがあります。

それが冬になると【Chinook】とよばれており、これがAB州の気温を前日比で20℃以上に上昇させることもあります。

Chinnokがくると氷点下20℃でも翌日はプラス気温になることもあります。そうなると雪が溶け圧雪路がアイス路面になったり、シャーベット状になります。
日光浴や散歩に出かけるなど冬の休息日になる一方で、ユーコン準州など極北や他の内陸部の州にように冬の間ずっと氷点下をキープしないなり負の面もあります。

Vancouver周辺のような雨が多く湿度の高い冬と比べると、気温が一桁でも暖かく感じるので、AB州の極寒日以外の冬は過ごしやすいかもしれません。

【AB州の夏】

AB州の夏は、Heat Waveが来たり真夏日もあり、ハーフパンツで1日中快適に過ごせる日々が6-8月にあります。

もちろん4-5月でも暖かい日があるのでハーフパンツを履いているカナダ人はいます。

夏でもロッキー山間部ならこんな感じ。

基本的にAB州には蒸し暑い日々もなく過ごしやすい夏です。
日本のような寝苦しい熱帯夜もないです。夜も25℃以上というの日は数日あれば多いかなと思います。

比較的過ごしやすい夏と菜の花畑。これらは植物油になる予定。

AB州の夏の朝夕は、日本の平成初期の盆過ぎに体験できた懐かしい涼しさがあります。日中は汗ばむくらい暑くてもカナディアンロッキーでは、肌寒いくらいです。

最近は気候変動で真夏日が増えているような気がします。夜間が25℃以上の日も増える年もあります。最近は、今まで必需品でなかったエアコンなど増設している場所も多くなりました。

AB州はユーコン準州など極北と比べると、まとまった夏がやってきます。
カナダでも州によって気候が違うのを感じます。

ユーコン準州ではHeat Waveが来ても、昼過ぎから結構風が吹きはじめ晴れていても、夕方にかけて気温が下がり調子になるので肌寒かったですね。。。

AB州では、カナディアンロッキーから雪解けが始まる春頃から9月頃の秋の始まりまで、釣りやカヤックなど水場でのアウトドアアクティビティーも盛んです。ホームセンターなどで専用コーナーもあり充実していますね。

マウンテンゴートも夏は毛が落ちる。

春から夏は、NB州のようにカナダ大西洋側の湿度(朝方の濃霧や雨など)のある気候と対極にありそうです。適度にNB州は、昔の日本のような朝夕は涼しく昼間は蒸し暑い感じでした。
AB州は、オーストラリアやニュージーランドに近い乾燥した夏です。冬は全く違いますが、夏はVancouverのあるBC州近いと思います。

【AB州の春と秋】

春は、冬の残雪が溶け始める頃か始まり、5月まで雪が時折降るような不安定な日々です。

日照時間は22時くらいまで長くなっていくので、カナダ人にとっては楽しみな季節の始まりです。枯れた木々や草花も緑になっていきますし、カナダグースのひな鳥がヨチヨチ歩いていたり変化に気づける季節ですね。

カナダグースのGoslings

秋になるとAB周辺では、カナダらしいメープルの木々が植生していませんが、他の植物たちが黄色やオレンジに染まるので美しい季節で、観光シーズンです。冬の始まり直前なので紅葉と降雪が同時に見られることも。

9月後半から10月中旬まで紅葉シーズンとなりますね。
ユーコン準州など極北のように8月おわりから9月初旬に秋が終わるのと比べると冬の始まりが1ヶ月程ゆっくりです。

日差しも緩くなり、紅葉が際立つ。

大西洋側のNB州には、ON州やケベック州と同様にメープルの木々があり、ステレオタイプっぽいかもしれませんが、日本から見るカナダのイメージ通りで羨ましかったですね。

一方で移住生活を通して、カナダには景色を含め色々な表情があることを知れたのも嬉しいです。

【AB州の産業や特徴】

カナディアンロッキーとELKの群れ

AB州は、西にカナディアンロッキー、北はオーロラで有名なイエローナイフのあるNW準州へと続く湿原地帯。そして他は広大なプレーリー地帯になります。

実はAB州も”オーロラベルト”に属しているので、運が良いとカナディアンロッキー周辺だけでなくCalgaryでも結構きれいなオーロラを見ることができます。

プレーリーはAB州から大陸の東側へ続き、Manitoba州東部やTorontoのあるON州の楯状地にある森林地帯まで広がり数千km続きます。3つ広大な州にまたがる穀倉地帯や牧草地帯でもあります。

そのため産業として、牛や馬など育てる畜産や酪農、小麦や菜の花など育てる大規模農業があります。

人力で到底運べないくらい大きい干し草ロール

牧草地も多く、秋になると大きなBale Wrapも見かることができます。
辺り一面鮮やかな黄色一色の菜の花畑も綺麗ですね。

カナダのスーパーマーケットで見かけるカナダAAAランクビーフといえばABビーフですね。

ビルなど高層建築で遮蔽することなく小麦畑など壮大な景色があります。

プレーリーそしてカナディアンロッキーは、太古の海の隆起などできた地形であり、太古の時代に海で生息していたであろう生物の化石が山脈でもみられ、平野部では海が大地になってから栄えた時代にいた恐竜達の化石も出土するBadlandsがあります。

化石が見られるかもと思いつつ、Badlandsを歩いてみる。

そういう地層が多いためか古くから石油や天然ガスなどが産出する地域となっています。AB州に入るとハイウェイ沿いの農地や牧場周囲で油井をよく見かけることでしょう。

パンデミック頃のガソリン価格ここから40¢代まで価格の下落があった。
この頃の価格に戻ってほしい

石油産業は、畜産や農場と同様に大きなAB州の産業基盤です。今日のAB州による消費税(PST)がない(連邦税GST5%のみ)なのも、石油産業などでAB州の人口規模以上に州が比較的他の州と比べて潤っているからかと思います。

※2024年現在、BC州ではPSTが7%。ON州ではPSTが8%あります。

AB州のガソリンは、精製後のガソリン輸送距離も少ないため、カナダ国内で最も安い地域となります。
パンデミック前なら80-90¢/Lが通常でした。カナダの石油の輸出料もアメリカからの世界への輸出量を圧倒的に抜いています。

干し草や小麦を貯める蔵?とプレーリー地帯。

プレーリー地帯は、化石なども採取できるので観光業として栄えている街もあります。大半は古くから畜産などがメインであり、その影響でカウボーイやロデオなどのウェスタン文化が発展しています。

Calgaryではウェスタンカナダを代表する都市として、毎年夏にStampedeというウェスタン文化のお祭りが開催されます。市内は、カウボーイハットを被る人が増えるなどカウボーイ・ガールの人々でstampede一色になります。

Calgaryのアイスホッケーは、NHLに所属するチームであり、シーズンの調子いいと冬でも赤いユニフォームやチームフラッグで一色になります。しかし夏のStampedeほうが期間も短く、他の街からやってくる人も多いので、活気も凝縮され盛大です。

Calgaryで一番大きな丘より。ダウンタウン周辺だけ高層ビルが経つけど
基本的に平野部などが良く分かる。

また世界中の観光客がバケットリストにするカナディアンロッキーは、夏はハイキングやサイクリング、キャンプ、冬はスキーやスノボ、クロスカントリーなど、壮大な景色と触れ合えるアクティビティーが充実しており年中多くの人が訪れます。

観光業もAB州の外せない産業といえるでしょう。

ラフティングなどウォーターアクティビティーも盛ん
ハイキングする場所は、数年かかっても終わらないくらいいっぱいあります。

カナディアンロッキーには、オリンピックやプロ選手も満足できる雪質やコースもあるため、カナダ人選手だけでなく世界中の選手が合宿などでも訪れます。

【次回】

今回はここまで
次回はAB州の各都市や町の紹介をしていこうと思います。

Calgaryの冬の景色。氷点下が続いても水流があり完全に凍らず。

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