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遭難について考えた

 失踪宣告には、普通失踪(民法30条1項)と特別失踪(30条2項)の2種類あり、普通失踪は不在者の生死が7年間明らかではないこと、特別失踪は死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、危難が去った後1年間明らかではないことがその要件となっている。
 「危難」といえば、ことし4月におきた知床観光船事故が思い浮かぶ。事故から半年を過ぎたが、いまだ6名の方が行方不明である。行方不明の方や既に亡くなられた方々の想い、ご家族の想いを考えると本当にやりきれない思いになる。
 報道が中心ではあるが東日本大震災を含め数々の「危難」を目の当たりにしてきて思うことは、いま、いるひと、誰もが皆、不在者の還りを待ち続けていること。ひとはひとを想うこと。うまく表現できないが、そこにひととしての「根」があるように想う。
 
 私事ではあるがビーコンを購入した。理由としてはバックカントリーの3種の神器と言われているからである。用途しては雪崩に巻きこまれた時いち早く自分の居場所を知らせるため、雪崩に巻き込まれた仲間の場所を知るためである。
 ビーコンを購入して、ふと、考えることがある「危難」に遭った時、自分はやっぱり、何が何でも、家族のもとへ、家かえりたいと。


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