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糖尿患者さんの食事のストレス


人の健康を考えますと、なかなかむずかしい時があります。

 私どもの外来に来られた方の中に「現在の自分の健康を維持したい」と相談に来られた70才の婦人がいました。                      その方は、現在糖尿病で医師や栄養士の指示を忠実に守り食事療法や運動を毎日実行して、医師や栄養士から見れば模範的な糖尿病の患者でした。たしかに体重は良くコントロ-ルされていて皮下脂肪も正常の範囲にありました。        おそらく御本人は、これ以上糖尿病を悪化させたくないと思われ、現在の健康を維持したいー心で来られたのでしょう。


 一般的にみれば、糖尿病はありますが、健康指導からみればいまさら指導するものは何もない状態なのです。 しかし、この方が何気なく言った言葉が私には気にかかりました。それは「最近食事を作るのがいやになってきたのです」というー言でした。


 この方は、食事を料理する時、食べる時に、食指導を受け健康志向も強いために食事のカロリ-や栄養バランスばかりを気にして、美味しいものを選んで料理する喜びや、楽しく美味しく食べる気持ちが無くなってしまっていたようです。

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今、多くの健康に関する書物が出版され、とりわけ食事に関する内容が多くの紙面を占めています。カロリ-の記事や、栄養のバランス、癌や病気にならないためのメニュ-ばかりです。
 

食事はカロリ-やバランスではなく、“食文化”そのものです 

 肥満を単に過食と運動不足だけで捉えると、その治療はダイエットと運動療法になりますが、これは体重をコントロールしているだけで、肥満の治療ではなく単なる対症療法です。カロリー制限や栄養指導は人には却ってストレスとなり、リバウンドしてしまうのです。                          たとえ肥満が解消されても、それは体重が戻っただけで健康は実現できないことになります。

真の健康になるためには、人は満足感や幸福感が必ず必要です

 私は、肥満や生活習慣病を、ストレスによる疲弊脳の結果と考えています。脳には食欲をコントロ-ルする食欲中枢や自律神経、ホルモンなどの中枢があります。脳で食事の満足を感じる食事を食文化としてとらえ、脳が満足する指導を行えば、ストレスを感じることなく肥満が解消され、生活習慣病が改善され、真の健康が得られます。

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 私はこの方に「食事は生活の中の文化です。そして食材は栄養素やカロリーではなく命を頂いているのです。だから食事の前に命を頂きますというのです。好きでおいしい食材で料理して、食べる時は食べ物に感謝しながら噛みしめて味わいながら楽しく食べるように」とー言話しました。するとこの方の目が輝き出しました。

この目の輝きこそが真の健康です

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「2」1994.10.22(糖尿病患者さんの食事のストレス)

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