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『内臓の痛みが背中に現れる』は本当か?

今回は、内臓のダメージからくる背中の痛みについて書いていきます。
『内臓の痛みが背中に出てくる』割と聞いた事がある方もいらっしゃるかと思います。
これはメディカルに認められている事なのか、東洋医学的な経験則からのものなのか結構わかりにくいですよね。

結論から言うと、これは事実でメディカルにも常識レベルとして認められています。
これは専門用語で『関連痛・放散痛』と言い、簡単に言ってしまうと、脳が勘違いしてそこに痛みを感じるという事です。

もう少し詳しく掘り下げてみましょう。
痛みというものを認識しているのは、脳です。
腕でも足でも、体のどこをとっても脳の痛覚を処理する部位が機能しなければ、いくら激しい損傷が起きていても痛みを感じる事はありません。
これはつまり、脳が勘違いすれば実際に異常がない部分に痛みを感じる事がありえるという事ですね。

内臓に不調が起きると、そのダメージの情報は神経を伝ってまず脊髄に行きます。
しかし脊髄には内臓以外からの神経も接続されており、その中でも情報量としては皮膚からのものが圧倒的に多いため、その内臓から来た痛みの信号を、脳は皮膚からのものだと誤認識してしまいます。
そしてその皮膚は面積的に多くを占める背中である事が多いのです。
背中に限らず、肩や腰という事も部位によってはありえます。
これが関連痛のメカニズムです。

ですので、内臓の不調で背中や肩や腰が痛くなるというというのは事実なのですが、もちろん全てがそうなわけではありません。
内臓以外から信号が来ている、つまり筋肉や関節などの不調であることももちろんあるからです。

そこで困ってしまうのがその見分け方。
ただの肩こりや腰痛かもしれないのに、出るたび内臓を心配して毎回病院に行くというのもなかなか生活的に難しいものですよね。
脳が勘違いしているのですから、痛みの強弱の感じ方で見分けるというのも難しいでしょう。

そこで、一つ目安にしてみるといい事をお伝えします。
それは、動かすと痛いのか、安静にしていても痛いのかという事です。
痛みを感じる状況やタイミングで見分けるという方法ですね。

寝ている時などは痛くないが、体を動かすと痛いならば内臓以外からの信号の可能性が高いです。
筋肉や骨は運動器ですので、その名の通り動かした時に痛みが強く出ます。

逆に、横になって安静になっていたり、何をしていても痛いのならば、内臓から来ている可能性があります。
内臓は絶えず働いているので、強弱の差はあれど安静にしていても常に痛みの信号を出しているからです。

実際、私の整体院に来られるクライアントさんが、上記の方法と東洋用医学的な他の部位のサインで総合的に判断し、病院で詳しく検査してもらったら対応する臓器が弱っていた事例はかなりあります。

また、病院の検査では分からないくらいの軽度のダメージを、目星をつけた臓器に合わせて生活を改善してもらう事で不調がなくなるといった事もよくあります。

もし背中などに慢性的な痛みがある方は、こういったものも判断材料にしてみると健康維持に役立つかと思います。

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