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あなたと宇宙を結ぶ、4本の映画。

こんにちは、みずけんです。
#老化の科学 その2後編は後回しに、

宇宙を題材にした感動映画4本をご紹介します。

この記事は、ただのまとめ記事とは一味ちがいます。

学士論文は宇宙デブリを題材にし、修士論文は宇宙構造物の新材料を題材にし、果てには宇宙機用の機械メーカー企業の技術職も経験した人間がおすすめする、宇宙映画4本だからです。
なんだか書いていて恥ずかしいのですが、受け入れてくださると嬉しいです。

※基本的には、映画は科学考証を抜きにして芸術品として鑑賞しています。

先にご紹介しますが、今回並べる映画は、以下の4タイトルになります。

・はやぶさ/HAYABUSA -2011年
・ゼロ・グラビティ (Gravity) -2013年
・オデッセイ(The Martian) -2016年
・ジオストーム (Geostorm) -2017年

どうでしょう。
あ!観たことある!というタイトルも、一本くらいあるかもしれませんね。
「あのタイトルが入ってない!」と思われた方は、ぜひご教授ください。


・はやぶさ/HAYABUSA -2011年

From: http://movies.foxjapan.com/hayabusa/index.html

2011年から2012年春にかけて、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還を受けて企画・製作された映画が相次いで公開されたが、本作はそのうち実写の第1弾となった作品である。「はやぶさ」を題材とした映画は他に『はやぶさ 遥かなる帰還』、『おかえり、はやぶさ』が製作されており、映画大手3社競作として注目を集めた。 (Wikipediaより)

この映画のすごいところは3つあります。

1つめ.厳密なほどに、事実に基づく。
科学考証をする必要すらない、こんなにドラマチックなストーリーが現実にあったのだと、驚くはずです。ネタバレになりますが、規則を破って安全装置を勝手に取り付けた技術者の判断が、土壇場で功を奏した場面は、もはや忘れられることはないでしょう。(プロジェクトマネージャの川口先生はその技術者を褒めることも怒ることもできず、2週間口が聞けなかったとか。)

2つめ.「はやぶさ」を題材にした3作品中、最も評判が良かった。
JAXAの目玉のひとつである「はやぶさ」は何なのか、宇宙開発とはなんなのか、科学者とは・・・。考えさせられる映画になっており、同時期に上映された他のはやぶさ作品に比べて好評だったようです。

3つめ.機械が主人公なのに、泣ける。
世界中で、ヒューマンライクなロボットを作ろうという動きが活発になっていますが、感情がデザインされた機械ではなくても、人はそこに己を見出しうるのだと気づかされました。

予告編

おまけ:竹内結子さんインタビュー。



・ゼロ・グラビティ (Gravity) -2013年

From: https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=4364/

地球から60万メートル上空。
スペースシャトルでのミッション遂行中、突発的事故により、
無重力空間(ゼロ・グラビティ)に放り投げ出されたふたりの宇宙飛行士。
ふたりをつなぐのはたった1本のロープ。残った酸素はあと僅か!
真っ暗な宇宙空間の究極的な状況の中、
果たしてふたりは無事、地球に生還することができるのか…! (Amazonより)

これは宇宙デブリについて厳密性を大事にして描かれた作品ではないこと、予めお伝えしておかなければいけません。というのも、いたずらに宇宙デブリについて恐怖が植えつけられていることが、宇宙開発を進める上でポジティブに働くはずはないという確信があるためです。

ただし、宇宙空間での危機管理や、危機的状況でのサバイバルは、驚くほど綿密に描写されているように思います。
宇宙で起こりうる全ての怖いことが網羅されている作品とも言えます。
僕らはまるで地球生活の延長線上にあるように宇宙旅行を考えるのですが、ほんの少しでも手違いがあれば即、死につながる世界であることを思い出させてくれる作品です。

予告編


・オデッセイ (The Martian) -2016年

『オデッセイ』(原題: The Martian)は、2015年のアメリカ合衆国のSF映画である。アンディ・ウィアーの小説『火星の人(英語版)』(2011年出版)を原作としている。監督はリドリー・スコット、主演はマット・デイモンが務める。火星に一人置き去りにされた宇宙飛行士の生存をかけた孤独な奮闘と、彼を救いだそうとする周囲の努力を描く。 (Wikipediaより)

対比的になりますが、オデッセイは科学考証がきっちりされている映画です。
植物学者である主人公が、宇宙機の中にあるものだけで火星で栽培を行う様は、その内容に矛盾点が無く必見。
始めのシーンにある火星の砂嵐だけが現実と異なる点のようですが、そこ以外は事実に即した形で、かつ物語は凄まじくドラマチックに展開していきます。

我々の住む地球は50年以内に人口が100億人を超えると言われていますが、イーロン・マスクなどのビジョナリーが言う通り、移住する星の候補としては火星しかありえないでしょう。
この映画は、そんな未来を予期して作られたのではないでしょうか。

予告編


・ジオストーム (Geostorm) -2017年

世界中が度重なる自然災害に悩まされている中、全世界の天候を制御する気象コントロール衛星が開発され、世界の天候は完璧に管理されていた。
ところが、ある日、衛星が暴走を始めた! リオ・デジャネイロが寒波に、香港が地割れに、ドバイが洪水に・・・想像を絶する空前絶後の災害が勃発! なぜ! ? 地球はどうなる! ! ?その時、科学技術者ジェイクは仲間と共に地球の危機に立ち向かった。 (Amazonより)

今回紹介する作品の中で最もSF色の強い作品です。
将来、地球の気象環境を衛星でコントロールするようになっているという設定で、スリルとサスペンス、愛と憎しみが画面いっぱいに広がり、鑑賞中は息をつく暇もありません。

現実的には、地球の気象環境コントロールに衛星を使うことになるかどうかは勿論定かではありません。
ただし、何らかの方法で気象環境を制御するシステムなり装置が構築されることは想像可能です。
すると、何が1番の脅威になるか?
そのヒントが作中で描かれています。

いま議論されているAIやブロックチェーンの急所にも通じる話です。

地球の未来を宇宙から解決するという視点で動いており、
「科学」寄りの上記3作と比較して「工学」寄りの作品と言えます。

予告編

おまけ:どっきり企画。こんなどっきり、仕掛けられたい!


おわりに

「はやぶさ」を観れば、「今の宇宙開発:地上編」
「ゼロ・グラビティ」を観れば、「今の宇宙開発:宇宙編(パニック)」
「オデッセイ」を観れば、「少し先の未来の宇宙開発:地上、宇宙編」
「ジオストーム」を観れば「未来の宇宙開発:地上、宇宙編(パニック)」
を鑑賞することができます。

映画は、直感と閃きを与えてくれるもの。
たとえ科学考証に無理があったとしても、それは問題ではありません。
ただし、手元にある技術との検証をして学びを深めることも面白いかもしれません。
それがテクノロジーファーストのドキュメンタリーおよびSF映画の良さとも言えるでしょう。

☆おまけ漫画★「勉強だい」

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著者プロフィール
水谷健
1992年11月生まれ、三重県桑名市出身。
名古屋工業大学工学部卒、東京大学大学院工学系研究科卒。
さまざまなタッチで漫画を描くことを好む。
研究家と漫画家と事業家の三本の矢で進むことを夢見る。
養老孟司氏、茂木健一郎氏、堀江貴文氏、伊藤穰一氏、イーロン・マスク氏の話題が好き。
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