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Goodな組織研究vol.1 - COTOPAXI - 貧困問題の解決に取組むアウトドアブランド

「何かを書きたい!」というものがあって始めた訳ではなく、ちょっと文章を書く練習をしたいなと思ってなんとなく始めたnote。だいたい週1更新を続けて早いもので半年が経ちました。特に「いいね!」を沢山貰う事もなく、自分の情報発信力の低さを日々感じつつですが、楽しくnoteの投稿を続けています。

半年間ほど「その時」気になるコトを書いていると、だんだん自分が「何に興味を持っているのか?何を大事にしようとしているのか?」見えてきて面白いのですが、半年続けて見えてきた、34歳の今の私が興味のある事を一言でいうと、

いかに楽しく、後悔なく生きるか?

に集約される気がします。
会社づくりだったり、社会・政治小田原生活たまにアイドルについての文章を書いたりして来ましたが、これって「世の中、社会の動きを観察しながら自分自身の心地よい居場所、生き方を探っている」感じなのかなと。

そして、中でも今一番気になっている「新しい時代の働き方、会社という組織の在り方」について、いろいろと面白い取組を行っている会社があるのが分かってきたので、不定期に「Goodな組織研究」シリーズとして一つの組織を掘り下げた形でnoteを書いてみたいと思います。

取材とかにいける訳ではないので、本だったりネットだったりで得た情報を整理する形になってしまうのですが、自分の備忘録として、また、私と同じ様に「居心地の良い組織」「持続可能な働き方」「ただお金の為に働くのには違和感がある」人達にとって、少しでも参考になるようなことを書けたらと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、それでは本題に入ります。

Goodな組織研究vol.1 - COTOPAXI -
2013年、デイヴィス・スミスによってアメリカで創業されたアウトドアブランド。「貧困問題の解決」を企業ミッションに掲げ売上の一部をNPOや教育機関などに寄付する仕組みを持つ会社。こういった慈善事業だけでなく「クエスフェスティバル」という「クエスト=冒険」と「フェスティバル=祭り」をミックスしたイベントを開催を通して、会社が大切しているカルチャーの発信し、ビジネスと社会貢献の両立に本気で取り組む会社です。
https://www.cotopaxi.com/

GEAR FOR GOOD


「Gear for good」これがCotopaxiが掲げている会社の理念です。

アメリカでパタゴニアやノース・フェイスに続く新しいアウトドアブランドとして注目されているコトパクシは、その魅力的なプロダクトデザインだけでなく、収益の1%を貧困問題の解決の為に寄付するというユニークは仕組みを持つ企業として有名です。

この仕組みを通して集まった寄付金の使い方、活動の成果は「インパクトレポート」として毎年公表され、それを読むことで、コトパクシの商品を買ったユーザーも「自分の購買行動がどのように社会貢献に繋がっているのか?」を知る事ができます。
https://www.cotopaxi.com/pages/gear-for-good

リャマとの旅から始まったCotopaxi

アメリカ出身の創業者デイヴィスは、4歳からドミニカ共和国(ラテンアメリカの中での最貧国の一つ)で育ち貧困を身近な問題として経験しながら成長しました。また、ドミニカはとても自然豊かな国で、その雄大な自然の中で父親と自給自足の様な生活を楽しんでいた、という経験が「アウトドアブランド×貧困問題の解決」というコトパクシのルーツになっているそうです。

大人になってアメリカの大学でMBAを取得したデイヴィスは、2013年にコトパクシを創業します。何かを始めるのは目立たないと!ということでリャマを2頭インターネットで購入し、そのリャマを連れてアメリカ、ユタ州の大学を周った事からコトパクシのストーリーは始まりました。

リャマを連れて旅するデイヴィスの姿はとても目立った様で、学生たちがこぞってSNSに写真を投稿し、コトパクシの名前はすぐにユタ州で有名に。大きな広告を打ったりする訳ではなくSNSを活用して知名度を高める凄くイマっぽいやり方ですね。

体験を通した社会貢献の意識づけ

デイヴィスはリャマを連れて大学を周りながら体験型のアドベンチャーイベント「Questival(クエスティバル)」の宣伝をしました。「クエスト=冒険」と「フェスティバル=祭り」を合わせたこのイベントは、6人一組でチームを作り、仲間たちと大自然の中を冒険してその様子を専用のアプリにアップし、写真の美しさなどを評価しあって競うイベントです。

目的地までの到達時間を競う様なイベントではなく「山登り」「川下り」といった様々なお題をチームで一つ選んで挑戦し、その挑戦の様子を写真で撮って、どれだけ「クリエイティブか、楽しそうか、臨場感があるか」で評価されるというイベント全体の仕組みも興味深い。

リャマを連れて宣伝したクエスティバルの初回は、学生を中心に4000人以上!!が参加し、現在、クエスティバルは開催地を増やしながら広がっているとのこと。口コミ、SNSの力を改めて感じますね。

いやぁー、楽しそう。人生は冒険だね。

職人を大切にする

コトパクシのリュックはフィリピンの工場で手作りされています。この工場はフェアトレード認証されている工場で、工場使用料とは別に2%多く支払う必要があり、その2%が工場で働く人たちの賃金への上乗せ、工場内の保育園といった施設の拡充、ランチの無料提供などに使われるそうです。

また、通常のアパレルメーカーでは一部のデザイナーがデザイン、色などを決めて、工場で働く職人はその指示通りに製品を作る事を求められますが、コトパクシではリュックの色使いなどを現地で縫製を担当する職人に任せているとのこと。「職人が仕事を通して幸せになり、自分の仕事に誇りを持てるようになる」という事をブランドとして大切にしているそうです。

職人さんもこんなふうにリスペクトされた環境で働けたら楽しいでしょうね。

ミレニアル世代が求める価値観

ミレニアル世代 = 米国で、2000年代に成人あるいは社会人になる世代。

私自身がこのミレニアル世代なので当事者として感じているのですが、モノに溢れた社会で生まれ育った私たちは、私たちより上の世代が抱いているような分かりやすい「カネ、モノ、ケンリョク」といったステータスにあまり興味がありません。

ファストファッションは便利だし安くてとても助かるけど、せっかくお金を使うなら、ブランドが掲げるミッションに共感できるか?そのブランドの行動がきちんとミッションに即したものなのか?ストーリーを追いかけた上で、ブランドが作り出す世界観のファンとして消費行動をする人たちも増えているようです。

先日、「なぜ今の時代、会社にVisionが求められているのか?」というnoteを書きましたが、ミレニアル世代に支持される企業は

「何故やるのか?」
「誰のためにやるのか?」
「どうやるのか?」

というストーリーを分かりやすく提示し、その文脈に沿った企業活動を行う事で多くのファンを獲得しています。

インターネット、SNSの発展により上辺だけのブランディングはその底の浅さがすぐにバレてしまう世の中になりました。そんな中で、コトパクシには「明確なビジョン」と「ビジョンに沿った確かな行動の積み重ね」があります。

コトパクシが行動を通じて表現する企業としての「生き様」が多くの若者の共感を呼び支持を集めている様に、これからの会社には「企業活動を通じて成し遂げたいこと」の表明と、そのストーリーに沿った一貫した行動が求められているのだと改めて感じました。


参照元:
https://www.cotopaxi.com/
https://www.forbes.com/sites/petertaylor/2017/01/30/gear-for-good-outdoor-start-up-cotopaxi-on-why-millennials-want-stories-not-things/#5f170bd76cfd
http://heapsmag.com/how-this-new-out-door-brand-has-been-competitive-to-patagonia-the-northface-Cotopaxi-outdoor-brand-which-change-the-world-with-millennials
https://www.amazon.co.jp/WORK-MILL-Forbes-JAPAN-ISSUE/dp/B07PZYLFDX/ref=dp_return_2?_encoding=UTF8&n=465392&s=books

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