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これが「社会に出る前の必要な学びだ」と確信した100分特別講座

 法政大学キャリアデザイン学部には、他大学や他学部にあるようでない、ユニークな講座があります。「キャリア体験」という名称の講座で、二年生が受講学生で、25名までという履修者制限もかけています。

 「キャリア体験」は通年科目で、単位を取得するには、5日間以上のインターンシップに参加し、インターンでの学びの個別報告とレポートでのまとめをクリアしなければなりません。

 この科目を担当するようになり8年目になりますが、6/27日(水)に実施した100分が、一つの理想型だったと手応えを感じた内容でした。

なぜ、うまくいったのか。

教育コンテンツの共有という意味も込めて、当日のタイムスケジュールに沿って、ふりかえってみたいと思います。

(*なお、当日は、取材も入っていたので、より詳細な記事はまた後日記事になるかと思います。私のまとめは、忘備録的な要素と教育コンテンツとしての共有を狙いとしています。)

◉14:30 特別ゲストと打ち合わせ

お招きしたゲストは、4名の「ワーママ」です。この企画のディレクションとキャスティング、当日の司会を全て担当いただいたのが、岡村紘子さんです。

#経営戦略
岡本真梨子
株式会社エスキャリア取締役社長
#企画営業
中山綾子
イベントプロデューサー
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会理事
#マーケティングリサーチ
城みのり
株式会社グローバル・カルテット代表
リサーチクオリティコントローラー
#広報
岡村紘子
株式会社リアライブ 経営企画室
株式会社manma 広報

 見ていただけるとわかるように、それぞれ別の会社、別のプロフェッショナルな領域で活躍されている4名の方々です。

◉15:00~15:05 
#成人式を連想したキーワードを黒板にかいてもらう  (講義前)

(講義前に、簡単なワークを出して、見える化させておくと受講モチベーションが上がります)

◉15:05〜15:10(10分)
・冒頭趣旨説明


◉1510〜1525(予備含み15分)ゲスト自己紹介(1人3〜4分)
経営戦略 企画営業 マーケティングリサーチ 広報

◉1525〜15:35(10分)*仮想案件に対する模擬MTG 
 

ここは、今回初めての企画だったのですが、「プロジェクト会議をそのまま、見せてください」というお願いをしました。4名のゲストの方の「会議」の様子を受講学生は周りで見ています。

【会議の模様】
>>社長
「前回の会議で確認したように、経営戦略に基づいて策定した中期経営計画にそって、まず今期はティーンエイジャー向けのイベントに注力していきます。

私たちの強みでもある「全員がプロのピン芸人であること」「全員がママであること」を活かし、ビジョンである「ママ、はたらく、おもしろく」の原点に立ち返った時に、これからの時代を生きる若者に伝えたいのは、「一人ひとりが強みを意識しながら一緒にチャレンジし、チャレンジを通して成長していくことは、いくつになっても面白いんだぜ〜!」というメッセージです。これをティーンエイジャーや彼らを取り巻く大人に向けて発信していきます。

社会人てしんどそう、ワーママって大変そう、という残念なイメージを、ティーンエイジャーへの関わりを通してポジティブで楽しいものへと変えていきましょう!

というわけで、目下「若者の成長の支援・機会提供」「それを通した地域活性化の実現」という観点から、広告代理店や自治体などからの受注に向けて各自動いていただいていますが、今回は、、各チームの動き共有からいきましょう」


>>営業
「新規獲得に向けて、提案動きたい案件があります」


ついては、事前にマーケに共有はしていて、周辺状況を調べてもらったので、課題感とか共有してもらえますか?

>>マーケティング
実際の当事者の声がキーだと思います。

>>広報
それであれば、大学生のネットワークつながりがあるので、法政大学の田中先生にアポイントとりますね!

>>社長
了解。では案件獲得に向けて具体的に動くってことで、ヒアリングセッティングしてもらって、企画つめましょう。提案まで予想される工数と予算を各自報告してください。

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「実際に、どのようなスピード感や発言内容でプロジェクト会議が進行して行くのかを見るのは、臨場感もありますし、働く学びになります。」

 会議を見たら、今度は、その「プロジェクト(模擬)ミーティング」を実施していきます。

◉15:35〜15:50(15分)グループワーク(前半)1:5〜6人
 『現状の成人式の何が問題?課題?調べよう!』課題抽出

L 現状の問題点・課題点を調べ、1人3つ調べたことをポストイットに書く。(検索方法は自由。Google、Twitter、Instagram、自分の体験も可。)5分。
L 共有するーポストイットに書いた内容を発表し模造紙に貼っていく。5分
L 併せてゲストも現状の課題点を調べたものを共有
L 重なる意見が出ると思うので、グルーピング(後半のワークの土台になる

ここで大切にされたのが、「リサーチ」でした。まずは、必要な情報を徹底的に調べる。社会人では当然の作法ですが、学生にとっては、目から鱗だったようです。

◉15:50〜16:20(25分)グループワーク(後半)
『参加したくなる成人式にするには?自分のアイデアをたくさん出そう!』




(前半出した課題点のグルーピングをベースに)

ポイント:
L 思いつき&アイデアベースでOK
L 誰かの意見じゃなく、あなたの考えをアウトプットして!
L 出たアイデアを整理する必要なし。アイデア出しっぱなしでOK。思いつくだけアイデア出ししてほしい。
L ゲストは思考が活性化するような問いかけを幾つかしてもらう
Lアウトプットに行き詰まったら、上記の”4つの行かない理由”を軸に、指名して「どう思う?」と発言をうながす。出たアイデアに対して肯定、感謝のスタンス。ゲストの自分の実体験シェアも。

◉16:20〜16:25(5分)
⇒今日のアイデアが事業に活かされていくかを領域で紹介回


 会議のやり取りを見て、「成人式の参加率をあげるには?」という2年生の学生にとって身近なテーマをリサーチし、アイデアを出して行くことで、どの班も考え抜かれた事業案が練り上げられていきました。

 また、このグループワークの時にも、各班にゲストの方が入って、ファシリテートしていただいたのも良かった点です。

 学生の授業感想の中には、次のようなものがありました。

「無駄な時間が本当になかった。4人全員違う分野のプロフェッショナルだからこそ、どの方のお話も興味深かった。成人式というキーワードは身近で、調べていても面白かったし、考えることも面白かった。」

「グループワークは問題点を考えた後、解決策を考えるという二部構成でわかりやすかった。また、アイデアを出したその後どうなるのかの説明もあり、仕事の流れを理解することができた。」

教員がマイク一本を持って、100分間独演会する講義は、今の時代、全くナンセンス。

どこまでもインタラクティブに、どこまでもイノベーティブに、100分を使い倒す。

 社会に出て行く前に、大学生の誰もが受けてほしい「学び」の一つだと感じました。岡村さん、岡本さん、中山さん、城さん(順不同)、ありがとうございました!

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さて、

いよいよ、出版が近づいてきました

http://ur0.work/JYXz

出版記念特別セミナーも開催します。

https://makes-design.jp/news/info/20180622-1666

 







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