見出し画像

【連結会計 Part③】難易度が爆増してしまう"部分所有"の場合における連結財務諸表の作成🌟:エッセンシャル会計学 No.44

今回は「部分所有の場合の連結財務諸表の作成」を学習します。
前回は、持分比率100%(完全所有)の場合における連結財務諸表の作成について取り上げましたが、今回は持分比率が異なるケースを対象にします。

親会社(P社)と子会社(S社)だけではなく、非支配株主の存在を考慮しながら、連結財務諸表を作成することが最大の目的となります🔥

基礎的な演習も含めて、着実に理解できるように頑張っていきましょう💖

会計・財務についてもっと学びたい🔥

会計業務や経理、財務、簿記についての基本的な知識を持つことは、ビジネスパーソンにとって重要であると感じています。

今後、定期的に投稿していく【エッセンシャル会計学シリーズ】では、会計業務の重要性から経理や財務の役割まで、私が勉強したことをわかりやすくアウトプットしていきたいと思います🔥

さらに、経理業務の具体的な内容や財務業務の目的、簿記の種類と特徴についても詳しく掘り下げていきたいです💛
そして、日商簿記検定2級合格を最終的な目標として会計学を勉強していきたいと思います!

ビジネスにおける財務情報の管理や経営判断の基盤となる知識を身につけるため、ご一読いただけますと幸いです💖

前回のお復習い📑

部分所有の場合における連結財務諸表🌟

部分所有の場合、子会社の株主には親会社以外の株主が存在します。
このような株主のことを、非支配株主と言います📝
よって、子会社の資本のうち、非支配株主の保有割合に対応する部 分は、非支配株主に帰属することになるのです!

例えば、P社が70%(100株発行のうち70株所有)でS社(資本:100)を支配していたとしましょう。
すなわち、その他の株主(非支配株主)の持分比率は、30%ですね。
ここで、S社貸借対照表において、S社資本100のうち、非支配株主の持分比率である30%分は、非支配株主持分(30)として帰属することになるのです✨
※P社持分は、70となります。

非支配株主の存在を理解した上で、完全支配の場合と同様に➀支配獲得時の連結修正仕訳、②支配を獲得した翌期の連結修正仕訳について整理していきましょう💚

➀支配獲得時の連結修正仕訳

投資と資本の相殺消去において、子会社株式と相殺するのは、子会社の資本のうち親会社持分のみとなります。
ここで、子会社の資本のうち、非支配株主持分は「非支配株主持分」 勘定(純資産)に振り替えることになります。
また、のれんの計上額は、親会社持分のみとなる点に注意します!

非支配株主持分とのれんの計算式は以下の通りです。

$$
\\非支配株主持分=子会社の資本合計×非支配株主持分比率\\   \\のれん=子会社株式-子会社の資本合計×親会社持分比率
$$

この式に基づいて、部分所有の場合における投資と資本の相殺消去について演習しましょう!

P社はS社の発行済株式総数の70%を250円で取得し、支配を獲得した。
支配獲得日の子会社の資本は、資本金150円、利益剰余金50円である。

$$
\\解答:投資と資本の相殺消去(部分所有のケース)\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\資 本 金:150&S社株式:250\\利益剰余金:50&非支配株主持分:60\\の れ ん:110&\\        \\\end{matrix}
$$

先ほど述べた計算式に基づけば、以下のように値を算定できるのです。
非支配株主持分:S社資本合計200×30%=60
のれん:S社株式250-S社資本合計200×70%=110
なお、この仕訳は、以下の仕訳を合算したものです。

$$
\\<P社持分(70%)>\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\S社資本:140&S社株式:250\\のれん:110&\\        \\\end{matrix}\\ P社の投資とS社の資本を相殺消去\\   \\<非支配株主持分(30%)>    \\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\S社資本:60&非支配株主持分:60\\ \end{matrix}\\非支配株主持分へ振替\\
$$

このように、部分所有のケースにおける支配獲得時の連結修正仕訳の際の投資と資本の相殺消去は以下のようになることを覚えておきましょう!

$$
\\投資と資本の相殺消去(部分所有のケース)
\\
\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\資 本 金:××&S 社 株 式:××\\資本剰余金:××&非支配株主持分:××\\利益剰余金:××&\\の れ ん:××&\\     \end{matrix}
$$

②支配を獲得した翌期の連結修正仕訳💎

支配を獲得した翌期の連結修正仕訳について、整理していくことにしましょう!
今回は、部分所有のケースですから、 連結修正仕訳において①子会社が計上した当期純利益の振替、②配当の修正の2点について適切に仕訳をしていくことが非常に重要となります📝

(1)子会社が計上した当期純利益の振替

子会社の利益は、その持分比率に応じて親会社と非支配株主に帰属することになります。

したがって、支配獲得後に子会社が計上した当期純利益のうち、非支配株主に帰属する金額は「非支配株主に帰属する当期純利益」に振り替えることが、連結会計のポイントになります!

すなわち、$${被支配株主に帰属する当期純利益=子会社株式の当期純利益×非支配株主持分比率}$$によって求められることを確認しておきます。
なお、非支配株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純損益とする場合もあるので注意しましょう。

以下の例題を考えましょう!
前期末にP社はS社の発行済株式総数の70%を取得した。(非支配株主持分比率:30%)
S社の当期純利益500円について非支配株主持分への振替を行う。

$$
\\解答:子会社が計上した当期純利益の振替\\\begin{matrix}\\&借方:金額&貸方:金額\\非支配株主に帰属する当期純利益:150&非支配株主持分:150    \\\end{matrix}\\    \\非支配株主に帰属する当期純利益:S社当期純利益500×30%=150
$$

(2)子会社の支払った配当金の修正

子会社の配当金のうち非支配株主に支払った額は、連結上、非支配株主持分の減少とします🌟

なお、連結修正仕訳において、個別上「利益剰余金」の減少となっ ているものですから「非支配株主持分の減少」に修正します。

以下の例題を演習しておきましょう!
前期末にP社はS社の発行済株式総数の70%を取得した。
当期にS社は利益剰余金を財源とした配当を200円行ったため、修正を行う。

$$
\\子会社による配当の相殺\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\受取配当金:140&利益剰余金:200\\非支配株主持分:60&\\      \\\end{matrix}\\      \\受取配当金:S社配当金200×70%=140\\非支配株主持分:200×30%=60
$$

なお、上記で解答した仕訳は、以下の2つ仕訳を合算したものと考えることができます。

$$
\\(1)受取配当金の相殺\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\受取配当金:140&利益剰余金:140\\\end{matrix}\\    \\(2)非支配株主持分の減少への振替\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\非支配株主持分:60&利益剰余金:60\\\end{matrix}\\
$$

このように、親会社に支払った分は相殺し、非支配株主に支払った分は非支配株主持分の減少に振り替えるプロセスを経由するのです。

なお、支配を獲得した翌々期以降の資本連結(開始仕訳)について補足しておきましょう💖
支配を獲得した翌々期以降の開始仕訳は下記のようなタイムテーブルによって示されることなります。
なお、損益項目である「非支配株主に帰属する当期純利益」と「受取配当金」は「利益剰余金」となります。

そのため結果的に、利益剰余金の増加額に非支配株主持分比率を乗じた金額が開始仕訳になるというのです!

$$
\\支配を獲得した翌々期以降の資本連結(開始仕訳)\\P社:70%支配(非支配株主持分比率:30%)のケース\\      \\X0年度末\\S社 利益剰余金:50\\
利益+400 配当△200(増加額+200)      \\      \\X1年度末 S社利益剰余金:250\\<X1年度連結修正仕訳>         \\\begin{matrix}\\非支配株主に帰属する当期純利益:90&非支配株主持分:90\\   \end{matrix} \\※S社 当期純利益300×30%=90\\  \\\begin{matrix}\\受取配当金:140&利益剰余金:200\\非支配株主持分:60&\\   \end{matrix} \\※S社の配当200を70:30の比率で按分\\   \\X2年度末\\<X2年度連結修正仕訳>         \\\begin{matrix}\\利益剰余金:90&非支配株主持分:90\\利益剰余金:140&利益剰余金:200\\非支配株主持分:60&\\⇒利益剰余金を相殺\\非支配株主持分:60&利益剰余金:60\\         \\<開始仕訳>\\利益剰余金:60&非支配株主持分:60\\※増加額200×30%=60\\    \end{matrix}
$$

総じて、部分所有における支配獲得後の連結修正仕訳については以下の4点をしっかりと理解しておきましょう💖

$$
\\部分所有における支配獲得後の連結修正仕訳\\
(1)開始仕訳\\\begin{matrix}\\資本金××&S社株式××\\資本剰余金××&非支配株主持分××\\利益剰余金××&\\のれん××&\\    \\\end{matrix}\\(2)のれん償却\\\begin{matrix}\\のれん償却××&のれん××\\\end{matrix}\\      \\(3)配当の修正\\\begin{matrix}\\受取配当金××&利益剰余金××\\非支配株主持分××&\end{matrix}\\           \\(4)利益の振替\\\begin{matrix}\\非支配株主に帰属する当期純利益××&非支配株主持分××    \\\end{matrix}
$$

本日の解説はここまでとします!
連結会計の目的を理解して、適切に会計処理できるようにしていきたいです🔥
日商簿記2級の本番で、連結会計の問題が出題されても良いように着実に問題演習を進めていきたいですね✨


私が考える会計学を学ぶ意義💖

会計知識は、経理や会計士だけが理解していればいいというわけではありません🔥

なぜならば会計は、経理や監査法人の会計士だけではなく、営業や管理職、経営全般まで、会社に所属している全て人にとって必須の知識であると考えているからです!

ほとんどすべての会社は、営利団体であると思われます!
つまり、ボランティアではなく、利益を追求し、事業活動を行い、会社は成長していくことを本質的な目的にしていることでしょう。

私も株式会社に就職を予定している以上、利益の出る仕組み、お金の流れは確実理解をしておく必要があることを自覚しています。

例えば、営業マンだとしても、売上の目標や予算作成に関わることがあると思います!
そして、その予算の仕組みも、売上の処理も、全て会計が関係しているのです。
また、営業の売上は経理が処理をし、会社の利益がいくらになるかを算出していくことになります!

総じて、会計を知ることで、会社にどれほどのインパクトをもたらしているのかを把握でき、予算の作成においても精緻に行えるようになると言えますね💖
また、数字に強くなり、定量的な分析に基づく思考法やビジネスが行えるようになるでしょう。

そして、会計の知識を洗練していけば将来的に経営者の視点を手に入れることができると思いますので、新規プロジェクトにアサインされたり、昇格のきっかけにもなり得るかもしれません🔥

会計の基礎知識である「財務3表の理解」を中心に理解を深め、財務3表とは何か?
これを見て、何をどう判断するのか?などを考えていきたいですよね
この知識があるのとないとでは、今後の仕事の仕方が大きく変わることに間違いはないでしょう。

これからの時代はグローバルに活躍できる人材というのがより一層求められると思います!
私の投稿でも会計の基礎を身に着けるのであれば、英語も交えて知識をつけると、今後ますます活躍できるフィールドが広がっていくと考えていますので、グローバルスタンダードにも挑戦していくことにしましょう🔥

なお、参考資料は以下の通りです。

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです。

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました
🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥


今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!

この記事が参加している募集

リモートワークの日常

泊まってよかった宿

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?