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エア・ジョーダンの映画見ました

まず、ダイアー・ストレイツ「マネー・フォー・ナッシング」が高らかに鳴り響くタイトルバック!
1984というテロップと共に、1984年の様々なトピック映像がフラッシュバックする。ゴーストバスターズ、ハルク・ホーガン、ミスターT、ナイトライダー、バンドエイド、レーガン大統領、ダイアナ妃、とかいろいろ。

そう、これは80sカルチャーを描く映画だったのだ。
「AIR」
ナイキ社が、歴史に残る大ヒット・バスケットシューズ、エアジョーダンを誕生させる物語なんだけど、その1984年の時点で、ナイキはやっと大手メーカーと言えるまで成長したが、老舗のアディダス、プーマ、コンバースに比べると、まだまだ新興企業であって、大物選手と契約する金が無かった
だからマネー・フォー・ナッシングが象徴的に使われてるのだ。

と思ったけど、パンフの解説では、マネー・フォー・ナッシングて「金のムダ使い」とか「苦労せず稼いだ金」という比喩の意味もあるんだそうだ。英語って面白いな!

80年代のナイキ社の社内の雰囲気も、ほんとに当時のオフィスがよく再現されてる。あの時代だったなぁ〜という。まだ世に出たばかりのパソコンも置いてあるけど、あんまし使われてない、紙の書類時代。


で、アディダスは、ランDMCのおかげでストリートファッションでもウケている、ナイキはまだダサい、というイメージ。という時代背景も語られています。途中アディダス社が映るシーンでも「マイ・アディダス」がかかるよ。

ちなみにコンバースが出てくるとこは、なぜかクラッシュ「ロック・ザ・カスバ」がかかる。

主人公はナイキのバスケ部門で選手との契約をやってる社員役に、かつての2枚目マット・デイモンがすっかり腹の出たオヤジで出てくる。共感する〜。
スーパーで買い物するときの店内の80年代再現もイイ。

仕事に苦労するデイモンの心情を表すように、またBGMがナイト・レンジャー「シスタークリスチャン」(予告編でもメインで使われている)とか、REOスピードワゴン「涙のフィーリング」シンディ・ローパー「タイム・アフター・タイム」とか出てくるんよ。

行動を開始するときは映画「ビバリーヒルズ・コップ」のテーマ曲とか。タンジェリン・ドリームの曲も使われてる。ZZ TOPとかスクィーズとか、とにかく音楽の使い方は凝っているね。

新人選手だけどドラフト3位で将来を期待されるマイケル・ジョーダン、アディダスも当然狙ってるけど、ナイキも出し抜いて契約交渉しよう、でも彼自身もアディダス好きだから、親から説得しよう、て田舎の山の中にあるジョーダンの実家を訪ねるシーンでは、ビッグ・カントリー「イン・ア・ビッグカントリー」がかかるんだよ。ハリウッド映画で! 80年代だな〜。

スプリングスティーン「ボーン・イン・ザ・USA」とかも、ちゃんと「アメリカ人が盛り上がる曲かと思ったら、歌詞をよく読んだら悲しい歌なんだな〜」みたいな説明も入ったりする。

まあ、アディダスやコンバースは、ナイキにしてやられて、マイケル・ジョーダン獲得に負ける側、として、ちょっと間抜けな描かれ方をするんだけど、アメリカ映画って実名で実在する企業名を出して悪口言ったりするの平気でやるの、すごいよな〜。あらためて。

パンフの解説を読んだら、映画に登場するナイキの人々も、現実世界では後にアディダスに引き抜かれた例が多いみたいで、ビジネスはタダでは済まないの〜。。

普段、あまり新作映画パンフを買わない自分がひさびさに買った。

映画で、ジョーダンとの契約が決まる瞬間。ネタバレしないよう書きませんが、えっ、と驚くような映像の展開がある。今までにない。実話再現映画でも、こういう手法が許されるのか、と。みんな知りすぎてる事実だからといって。。まあ、ある意味ショッキングな部分です。未見の方はお楽しみに。ほんとは見た人にも説明が必要なシーンでもあるんだけど!


そして映画のラスト近く、ジョーダンとの契約に成功したナイキのメンバーが「次はパトリック・ユーイングを狙うか!」と盛り上がったりするのも、笑わせる。ギャグとして入れたっぽい。

当時のスニーカー好きなら知ってることで、ジョーダンと並ぶスター選手だったユーイングはアディダスと契約した後、自分のブランドを作って、やっぱし自分のシューズを大ヒットさせました。ナイキには行かなかったのに!

実は、ぼくもナイキに目覚める前に、先にユーイングを履いてたんじゃよね。オレンジ色のやつ。

このオレンジ色が大好きだったなあ〜。

その頃はリーボックもよく履いていた。1990年にアメリカ旅行で、WWE(プロレス)レッスルマニアを見に行ったとき、ホテルにいたら、素顔のアンダーテイカー(地獄の墓掘人)がブラブラ歩いていて、足元を見たら自分と同じリーボックを履いてて、うれしかった思い出があるなぁ〜。

これとまったく同じではないけど、こんな感じの。

じゃ、その前、映画に描かれたエアジョーダン#1が誕生した時代、ヒップホップブームでアディダスがウケてた1980年代中期はどうしてたかというと、ブームに反発して、スケボーブームに乗っかりw スラッシュメタルを聴きながら、バンズを履いてました!

VANS OFF THE WALLのスケボーロゴでおなじみの!

ぼくが、ナイキ、エアジョーダンにリアルタイムで目覚めたのは、やや遅くて、6からでしたね。
そのあと7,8,9,10まで買って、そこからエアマックスの時代になったので、バッシュを卒業した感じ。エアハラチも履いてたなあ〜。

ぼくがナイキにハマるきっかけとなった、エアジョーダン6!
てことは映画から6年後てことかね。
今見ても、宇宙的でカッコいいデザインだなあ〜。

BS-TBSでやってる、カズレーザーが司会の番組で、ナイキ特集があったんですけど、2023年2月21日(火)放送。いつか再放送されたら、この映画の参考として、見るといいよ。

ナイキジャパンの人が出てて、まあエアマックスの話が中心ではあるけど、80年代に、やっぱアディダスがストリートでウケてたときも、ナイキはスポーツメーカーとして、まずアディダスやプーマほどの歴史も売上もないのに、ファッションで売り出すなんて発想はなかった、みたいな、日本でも映画同様、苦労してたんだな〜という裏話が語られていて面白かったよ。


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