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ヒッチコックの映画術、見ました

公開のタイミング〜、宣伝〜がんばってくれ

なんか、あまり話題になっとらんよね。
いや、こんな映画を公開するんだったら、まず、ヒッチコックの旧作がいくつかリバイバルされて、ヒッチコック特集とかヒッチコック週間とか、やってからの話だろう、と思う。せっかくの機会に。
テレビでも、BSでもいいからヒッチコック映画連続放映とかやってるときに。
ヒッチコックの映画、もうみんな知ってるでしょう、つったってな。
盛り上がりが無いよ! さりげなさすぎる。

それに、どうせやるんなら、映画館に等身大のヒッチコックパネルでも置いとけ、て感じだよ。去年のエリザベス女王のドキュメンタリー映画でもやってたよ。
映えがないと若者も興味持たんよ。
ましてや、こんなに見た目のキャラが立ってることで一番有名な監督なのに! もっとグッズ作れや!

ヒッチコックの声

この作品は、ヒッチコック映画の名シーンの数々をカットアップしながら、ヒッチコック自身が解説する、という形式で、生前インタビューなどで語ってた言葉を再構成して、ヒッチコックに似せた口調で役者にナレーションさせています。
ここは当然、面白いに決まってます。7割は興味深い。

ま、声のほうは、ぼくも「ヒッチコック劇場」の言語版を昔見たことあるけど、もう少し軽い、力の抜けた声だったな。

しかし、有名な熊倉一雄さんの日本語吹き替えほど、トボケた調子ではないですよね。 
しかし、あの吹き替えはハマっていた。素晴らしい。

今は熊倉一雄さんも亡くなられていますが「ヒッチコックの映画術」もいつかテレビ放映されるときがあったら、熊倉さんに似た声の出せる人に吹き替えしてほしい。おれがやってもよいよ!

内容の感想

で、3割は納得行かなかった! の1割づつ3点アゲますが、

1:
まあヒッチコックの名作の数々とはいえ、取り上げられてる作品がけっこう初期作品も多い! 戦前のモノクロ映画。
ぼくも「バルカン超特急」「第三逃亡者」「海外特派員」あたりは劇場リバイバルでも見てますが、もっと全然知らない、日本じゃビデオも出なかったような作品についても、たくさん語られてる。わからんわ〜。
ヒッチコックマニアでも見てない作品あるだろうな〜。

この初期作品重視は、ヒッチコック自身の思い入れも強かったからか、この作品の監督の趣味なのかは、よくわからない、ような構成です。

2:
そして! 合間をつなぐブリッジ的に、令和の観客を意識したようなカットが。
名作映画ロケ地の今現在の風景、とか、ヒッチコックの生家や、暮らしたアパートなどの現在の映像も出てくるよ。過去映画の画質とのギャップと違和感。。
それはまだイイんだけど! 
まったく無関係な、CMで見るような単なるオシャレ風景や、オシャレモデルのイメージカットも挿入されてんだけど。
なんか監督の自己アピールだけ、みたいに見えて、いらないんですが!
ヒッチコック風に撮ってるワケでもないし。

3:
で、音楽もなんか重いんですよ〜。シリアスすぎるし。見ててノれない!
ヒッチコックらしさがない。
昔のヒッチコック作品のサントラそのまま使えばよかったんじゃないか。
それかヒッチコック劇場のテーマ曲でよかったのに!

このタイトルは?

これは新作映画なのです。
原題は「My Name Is Alfred Hitchcock」
「ヒッチコックの映画術」という邦題は、この本からでしょう。

1981年に日本版が出版されている名著・大著

ヌーヴェル・ヴァーグの名作「大人は判ってくれない」の監督、「未知との遭遇」の博士役、でも知られるフランソワ・トリュフォーが、ヒッチコックにロングインタビューしてる本。これは1962年からインタビューをし始め、1966年に初めて本になったものだそうです。
この本の中のヒッチコックの発言も映画にかなり引用されたんでしょう。

しかし、この本も原題はただの「Hitchcock」なんですが。「映画術」という邦題は日本版著者の山田宏一氏が考えたのかな。山田氏はこの映画の推薦文も書いているし。


トリュフォーとヒッチコック

その本が出た後も、トリュフォーとヒッチコックの関係はずっと続いていた、というドキュメンタリー映画も実は、7年前くらいにあったんですね!
ぼくは未見でした、不勉強ですんません。

この作品では、様々な有名な監督がヒッチコックから受けた影響を語ってるらしい。「10名の監督たちが語る"ヒッチコックの映画術"」というコピーもすでについてた! この映画も字幕で山田宏一氏が関わってるんですね。

そういうヒッチコックの影響を受けた側の視点というのは、今回の「ヒッチコックの映画術」にまったく無い部分なので、この2本の作品を見て補完しあったほうが良いのかもしれないなあ〜。2本立てがいいんじゃないか。

ま、まずヒッチコック作品そのものを、もっと劇場リバイバルで見るのが先、かとは思いますが!

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