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甥と離山登山

GWに8歳の甥っ子や5歳の姪っ子らと山登りをした。

場所は長野県軽井沢町にある離山という小さな山。標高1256mだけど、登山口である軽井沢町が標高1000mくらいなので、往復2時間程度で登って降りてくることができる。

いまの時期は、ちょうど南国から夏鳥が渡ってきて、盛んにさえずっている。さえずっているのはオスたちで、これは繁殖相手のメスを求めての行動。ちなみにメスをゲットしたオスはあまりさえずらなくなるので、盛んにさえずっている鳥はまだ独身のオスなのかもしれない。そう思うとちょっと応援したくなる。

ツピツピツピという鳴き声はシジュウカラ。

今度は「ギー」という声が聞こえる。キツツキの仲間のコゲラ。

そんな話を甥としながら山を登っていく。
今回、はじめて甥に鳥撮影用の望遠カメラを渡してみた。最初はうまくレンズで被写体を捉えられなかったけど、だんだんとコツをつかんで撮影できるようになっていった。

甥が撮影したキビタキ。

そんなふうに鳥のことや植物のことなんかを話ながら山登りをしていたら「どうしてそんなに詳しいの?」と甥が聞いてきたので、「勉強したからだよ」と答えた(実際は本当に詳しい人とくらべたら全然詳しくないのだけど)。

昔から甥には生き物や自然の話をしているから「自然に詳しい叔父さん」という認識をもたれていると思うけど、8歳になった甥は今までよりもだいぶ大人になっていて、勘ぐりすぎかもしれないけど、何かいろいろ考えた上でこんな質問をしてきたようにも思えた。

甥に伝えたいこと

実はこのnoteを書こうと思ったのは、上の会話を思い出して、甥に伝えておけばよかったなと思うことがあったからだ。

小学校3年生というと、まだそんなに勉強に対して「勉めて強いるもの」という意識はないのかもしれないけど、自分自身のことを思い出すと、いつの間にか勉強が「楽しんでするもの」ではなく、受験勉強などのために「やらなければいけないもの」になっていた記憶がある。

しかも、生物学にしても化学にしても歴史にしても、現実世界のことを学んでいるはずなのに、内容がまったく日常生活と重なっていない、教科書の紙の上で起こっている現実とは別の出来事のように捉えていたように思う。すごくもったいないことをしたなと思う。

本来の勉強、というか学問は、現実の中に知りたいことや身につけたい技術があって、それを得るために調べたり考えたり練習したり教わったりすることで、それってとても楽しいものだと思う。私自身、自主的に勉強した自然のことや生き物のことはとても楽しかった。

もちろん小学校から高校までのカリキュラム全部で、「知りたいがあってから学ぶ」という流れをつくるのは難しいとは思うけど、いつの間にか勉強が無理にするものになって、本来の知的好奇心が失われてしまうのは避けて欲しいなと思った。

学校での勉強をしつつ、興味のあることや好きなことも並行して勉強していって、興味の幅を広げていたったら、やがて2つがオーバーラップしたりするんじゃないかなと今は思う。

好きなことがあれば、「そんなことダサい」みたいな周りの目に振り回されずに、その好きなことを大事にして欲しい。好きがあることは幸せなことだからその好きを無くさないで欲しいと思う。

離山登山に戻る

さて、そんなこんなでただ登っているだけだと単調で疲れたりする登山も、鳥を見たり、いろいろな出来事に遭遇しながら登っているといつの間にか山頂まで来てしまっていたりする。

ただ今回は、5歳の姪っ子が限界っぽかったので、山頂手前で下山することにした。走り縄跳びしながら、登ったりするからだよ。。

そうして下山しようとしたとき。
一緒に登っていた兄がふと立ち止まり、遠くの方を見ている。
何かの視線を感じたらしい。

兄の目線の先を追うと何やら動物が。

???
めっちゃこっち見てる。

もののけ姫のシシガミ様を連想させるような姿。義姉はオオカミ?とか言っていた(実際は結構な距離があってこの写真のようには肉眼でははっきりと見えませんでした)。。

ニホンカモシカでした。今までも何度かちらりと見たことはあったけど、こうまじまじと見たのははじめて。

甥に渡していた望遠カメラを受け取り、連写。

かっこいい。なんだか神々しい感じもする。
登山の醍醐味ってこういう予期せぬ出会いも大きい。

今回、カモシカに出会えたのは下山し始めたのが夕方にさしかかっていたのも大きいかもしれない。シカにしても動物は基本夜行性なので、夕暮れ時に差し掛かると出会える確率が高くなるように思う。ただ山の中は暗くなるのが早いので、マナーで言えば早い時間に下山するのが望ましいのだろうけど。

駆けながら下山する義姉と姪(撮影/甥)。



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