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料理を勉強するならcakesがオススメかも、という話です

私はいま、cakesというメディアで有賀薫さんの『スープ・レッスン』と樋口直哉さんの『「おいしい」をつくる料理の新常識』というふたつの料理連載を担当しています。

連載を担当するまでは、レシピサイトや料理本を見て、時折かんたんな料理をつくってはいたものの、一向に料理が上達する気配はなく…。でもcakesで毎週、原稿を確認して料理を試作していくなかで、料理が楽しくなってきたし、料理の考えかたも見えて上達してきたかも、と思うようになりました。

私がいうとポジショントークではありますが、cakesにはいろんな料理連載があるので、cakesを読んでいればおいしい料理を作れるようになったり、料理が楽しくなったりするのでは、と本当に思う次第で、cakesの料理連載をご紹介しようと思います。

料理の基本的な考えかたを身につけられる連載

この連載では、「味噌汁」「焼き魚」「ステーキ」「ハンバーグ」「サラダ」など家庭でおなじみの料理をつくりながら料理の基本を学べます。著者はnoteでもおなじみの作家・料理家の樋口直哉さん。

2019年1月1日現在、31の記事がアップされていますが、過去の記事で学んだことが別の料理で活かせるという経験が増えてきました。たとえば先月頭に公開された『ブリの照り焼き』では表面に焦げ目をつけて、身はふっくらさせるコツが書かれていますが、これは過去にやった『ポークソテー』『ステーキ』、さらには『豆腐料理』『目玉焼き』にも共通する考えかた。

どういうことかと言うと、表面は強めに加熱することで、メイラード反応による香ばしさを出し、中は加熱しすぎて水分が飛ばないようにゆるやかに熱を通す。だから外はこんがり、中はジューシーになるんですね。

焼き魚とステーキ、焼き豆腐という一見するとまったく別の料理が、同じロジックでつくられているんです。これと似たようなことは、連載を重ねるたびに増えてきていて、直近でいうと『お雑煮』のレシピにある出汁のとりかたは第2回の記事で紹介した「旨味の相乗効果」のことが活かされているし、野菜の茹でかたには『お浸し』の回の知識が参考になります。

思えば、以前はレシピを見て「なぜそのような工程を踏むのか」がわからずに、ただレシピに書かれている通りに、言わばレシピのロボットのように料理していたから料理がおもしろくなかったし、いっこうに上達しなかったのかもしれません。

この連載を読んで料理をつくっていけば、料理のしくみがわかっていくので、きっと料理が上達していくはず、と思います。

現代人の食生活の悩みに寄り添う、やさしい連載

スープ作家・有賀薫さんの『スープ・レッスン』は、やさしさ溢れる連載です。コンセプトは『旬の野菜をたっぷり味わう究極のシンプルスープのレッスン』。

いま単身世帯が増えて、仕事も忙しくて帰りも遅く、できれば料理したいのにできない、という方が増えていると思います。野菜もなかなか採れなくて栄養面に不安を抱えつつコンビニ弁当などで済ませてしまったり。私自身、一人暮らしをしていた時には、家に帰るのは11時くらいで、そこからなかなかつくる気になれないし、つくったとしても材料が余ってしまうし、夜中に食べると胃がもたれるしで、あまりよい食生活を送れていませんでした。

なぜスープなのか。有賀さんのことばを引用します。

簡単で失敗しにくい、作り置きがきいて無駄がない、朝や夜遅くに食べても体に負担がかかりにくい……スープの最大の特長は、作る、食べる、両面において、楽であるということです。コトコト煮込んで時間をかけ、だしをしっかりとるイメージが根強いですが、食材の特性をうまく生かせば、短時間でも十分においしいスープは作れます。

『スープ・レッスン』のスープは20分以内でつくれるものがほとんどで、3ステップで簡単につくれます。鍋ひとつで作れて、食べるにもお皿一つあればよいので、片付けるのもラク。食べてみるとわかりますが、本当にやさしい味わいでお腹にも負担がすくないのです。

旬の野菜をたっぷりと使うので、材料を余らせることがあまりないのもうれしいところ。たとえばこのキャベツとベーコンのスープは1/4個のキャベツをたっぷり使っています。

連載を担当して驚いたのが旬の野菜のおいしさです。手の込んだ料理をしなくても、旬の食材のおいしさを上手に引き出してあげれば、驚くほどおいしい料理を味わうことができるのです。旬のにんじんがこんなにおいしいんだと知れたのは『にんじんの塩スープ』の記事。

料理のハードルって、時間がないとか、レシピがむずかしいとか、いろいろあると思いますが、「料理がおもしろくない」という部分が大きいのかなと思います。この連載のいいところは、レシピに余白がたっぷりあって、アレンジしやすいこと。有賀さんのtwitterを見ていると、たくさんの方がスープレッスンのレシピをアレンジしてつくってくださっているのが分かります。

アレンジできると楽しいんです。それは、きっとそこに自分ならではの創作や表現があるから。創作の楽しさ。それは絵を描いたり、文章を書いたり、スポーツのプレイで自己表現したりするのにも似た楽しさかもしれません。

スープレッスンは極限まで素材・調味料を絞った究極のシンプルレシピ。だからこそ、アレンジの余白がたっぷりあります。ぜひ、自分ならではのアレンジで料理を楽しんでみてください。


cakesにはほかにもたくさんの料理連載があります。これらが全部、月500円で見られるのだからお得ではないでしょうか。笑

ということで、料理を勉強したい人、おいしいものを作りたい人に役立ちそうな連載をピックアップします。

『スープレッスン』の有賀薫さんがスープ料理の基本を全8回でまとめてくださった、いわば『スープレッスン』の副読本。「30分で読める教養」というコンセプトでつくられているスマート新書の1冊でもあります。

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していきます。おいしいレシピが多くてcakes編集部員にもよく作られています。

カレーの達人が20年以上かけてたどり着いた究極のレシピ、その名も「ファイナルカレー」。書籍化もされています。ピースオブケイクのイベントではたびたび振舞っていただいていますが、とてもおいしいです。


上記はcakesオリジナルコンテンツですが、このほか出版社から提供いただいた魅力的な料理連載も多数あります。(解説は連載ページの説明文から引用します。)

休日の昼ごはんって、いつも「あるもの」で「テキトー」になりがちじゃありませんか? たぶん、ほぼ日本初の休日昼ごはんレシピ本『休日が楽しみになる昼ごはん』(文響社)から選抜した昼ごはんアイデアをお届けします。
毎日クタクタの”瀕死状態”で帰宅して、なかなか自炊ができない……。本連載では、そんな”毎日が瀕死”の状態でもサッとつくれて、ごはんの力でちょっぴり元気になれる超カンタンレシピをご紹介していきます。コンロは1つ、道具は包丁・フライパンなど最低限のもの、調味料も基本の「さしすせそ」+αだけでOKです。コンセプトは「自分に優しく、ゆるーく料理しよう」。癒し系レシピコミックを、どうぞお楽しみに!
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こうして並べてみると、いろいろな連載があるなぁと改めて感じます。
今年から料理を本格的にはじめようという方、もっと料理うまくなりたいと考えている方、ぜひともcakesの購読をご検討いただけたらうれしいです。
1週間150円。ペットボトル1本分の値段です。


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