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星間旅行

今日はまさに秋空、というような雲が広がっていて、何もない一日だった。

何も無くて、心だけが辛い一日。
わたしの様な人間には、または時間には、そういう日がある。珍しくはなくて、「生きるのは辛いのだ」とか、そういうこととも違って、物理的にはありふれた、心だけが傷つくような一日。

瞑想の動画を流す。心が静まるかと思って。
目を閉じて、静かな呼吸をする。
呼吸をする。静かに。

生きることは食べることだ、ともいえるけれど、全ての前に、呼吸をする、ということが当たり前の前提の様に在る。
(わたしは喘息持ちなので「呼吸」が当たり前ではないけれど、症状の治まって居る時に一呼吸ずつ確かめたりはしない)

この手の動画には大抵「自分を愛する」という言葉が出てくる(瞑想にはそういう効果があるのかもしれない)。
「自分を愛する」
まるで星空のような言葉だ。
美しいものの代名詞の様に語られるけれども、それは日々見えたりはしない。
どこかに在るはずで、美しいはずのもの。

それはまるで太古の海や、星間移動のように、いつか在った、または在るかもしれない、フィクションのようだなと思う。

身体も精神も冷やしたくて、眠りにつけないような、夜。

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