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9月前半①肩こりと思ったら心臓病だった。

毎日日記を書く気力がもうないので、大まかな期間で書くことにしました。
8月を書いていないんですが、その前に記憶に新しく、死にかけたというイベントがある9月の前半を書こうと思います。
(この日は死にかけたという以上に、「嘘みたいな話」も多いんですが)

胸痛で倒れる

9月3日、私は1人で胸痛(正確には鎖骨の下あたりの筋肉の圧痛)にうめいていました。
聞かせる相手もいないのに「うぐぐぐぐ…」と声が漏れるほどです。

私は元々肩こりがひどく、肩の他、くび、肩甲骨も痛くて、数年前からはそれが段々前にもきて鎖骨下あたりにも苦しさというか痛さを感じるようになっていましたが、大抵はストレッチしたり自分で揉み解すと数分から数十分でおさまっていました。
が、この日起きた直後にきた痛みはまず痛さのレベルが今までとはまったく違い「10段階で言うと?」と聞かれたなら元気に「10!』と答えるくらいでした。
加えていつまで経っても治らないのです。

ストレッチをしても姿勢を変えても温めても冷やしてもよくならず、数十分はおろか1時間経って痛みが引くどころか悪化し、かと言って「肩こり痛すぎです」で病院は診てくれるのか?と悩んでいたとたころ、まさに「病院に行くべきかどうか迷った時の相談ダイヤル」があることを思い出しググりました(みなさんこの機会に覚えてください「 #7119 」です!)

その頃には痛みのあまり呼吸も難しく、手元もおぼつかない状態で、せっかく調べた #7119 に電話するのも手間取りました。
結果、鎖骨の下が凝ってる人!それは肩こりではありません!

相談したところ、「それは救急搬送にあたる状態」といわれそのまま119に繋いでもらい、人生初めての救急搬送を経験しました。

相談した先の担当の方はどちらも親切にキビキビと質問・判断していただき、お陰で命が助かりました。
(本当にこう言った体勢は私の様に「病気かどうかの判断ができない」状態の人間にとってありがたかったです。担当の方までは届かないと思いますが、本当にありがとうございます)

服すら着る前だったので何とか…と出しっぱなしになっていたジーンズに足を通し(ベルトを留める余裕はありませんでした)、Tシャツを被り、玄関の鍵を開けたところで力尽きて倒れました(幸いマスクは玄関に置いてあったので着けることができました)
救急車も5分以内には着くとの事で、日本の医療体制に人生で一番感謝した瞬間でした。

ただ、来た救急隊員が予想と大分違うというか、多分あれニセモノなんですよね…(そう思わないとやってられない)。

ニセ救急隊員到着

チャイムが鳴り、やっとのことで「は…い」と返事をするとドアが開き、人影が見えました。冷ややかな目です。例えるなら、"かわいそうだけどあしたの朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なのね"という目。

玄関で倒れ、今にも白チョークの線で囲われそうになっている私を見下ろすと、その人影は「きゅうきゅうたいいんです。きました。行きますか。」とだけ言って1人でスタスタ階段を降りていってしまいました(私の部屋は古い木造アパートの3階です)。
「大丈夫ですか」とか「立てますか」とかそう言った声かけは一切なく、本当にそれだけ言って視界から消えました。

行きますかでこの状態から病院行けたらこの世に救急車は要らねえんだよおぉ!」という魂の叫びはしかし、私の口から出ることはなく、代わりに出てきたのは「く…うぉ…おおお!」という、まるでアニメの主人公がラスボス相手に再起する時のような振り絞る声でした笑。でも人間追い詰められると本当にああいう声出るんだなと思いました。

朦朧とする意識の中、すぐに履けそうなクロックスに苦労して足を通し、玄関の外に出て、震える手でなんとか鍵を閉めようとしている時も、「きゅうきゅうたいいん」は踊り場で迷惑そうにこちらをみているだけでした。

その時に至って私は初めて「言葉」ではなく「」で理解しました。「こいつは私を助ける気は微塵もない

「きゅうきゅうたいいん」というから私はてっきり「救急隊員」だと思ってしまったけれど、実は「QQ隊員」とか、Amaz0n.comみたいな謎の存在なのかもしれない。

意識を失わずに階段を降りるのには本当に気力を振り絞る必要がありましたが、私には確信がありました「もしここで私がこいつに頼って意識を失い、階段から転げ落ちても、その結果がどうなろうとも、コイツは絶対に責任を取らない
最早意地ですが、自力で階段を降ります(119に連絡中に測った私の血圧は273/167でした。誤植ではありません。血圧273/167です)、なんとか自力で救急車(QQ車かもしれない)までたどり着きます。
部屋に来ていたQQ隊員は「じゃ、乗って」とだけ言って前の方に消えていきました(運転する役だったのかもしれないし、本当に謎の組織の人間が消えていったのかもしれません)。

本物救急隊員の登場

後部に待機していた隊員は大変優しかったです。
「大丈夫ですか、まずはここに座れますか?はい。そこで大丈夫です。保険証はお持ちですか?ありがとうございます。そのベッドに横になっていきましょう。
ちょっと血圧とか測りますね。」
どうやら2人目は「救急隊員」で間違いなさそうです。私の知っている医療の対応が出てきました。

慣れた手つきで私のバイタルを測り、状況を連絡していきます(途中「え?260...?ちょっともう一回失礼しますね」とは言っていましたが)
救急隊員の方は信頼できそうだったので、さっき自分で測った時も家庭用機でだが270台であったこと、人の血圧がこんなに極端に上がることがあるのかを途切れ途切れに聞いてみました。
「痛みに耐えたりっていうことでも人の血圧はあがるんですが…こう…『緊急事態だ!』っていうことで…。ただ、250超えっていうのはちょっとみたことないですね」とのことでした(よく破裂せずにQQ隊員の試練を乗り越えたものだと自分で思います)。

病院に到着

途中意識を失いながら救急隊員の方に「もうつきますからね、あとすこしですからね、わかりますか?」と声を掛けられつつ(この人は本当に優しかった)人生で初めてストレッチャーで救急搬送されました。考えたら当たり前ですが、真上しか見えないので位置関係とか全然わからないですね。あれ。

循環器系だということは断定されていたようで、循環器の救急室?のようなところに通されます。
大量の看護師さんや機器、医師と思われる方々が手早く動いていました。
あの、ストレッチャーからベッドへ「1,2,3!」で、移動されるというやつも初体験しました(アメリカドラマで見るより大分優しく下ろしてくれました)。

全然ダメじゃん

医師と思われるその場を取り仕切っている方から「まずは緊急で血圧を下げる処置をします。他の数値もよくないので複数の処置を同時で行います。並行して検査もします」と告げられます。

周りで看護師と思われる人たちが慌ただしく動いています。

「こっちが点滴でこっちはシリンジで間違いないですか?」
「こっちのルートを使ってこれを入れてこっちはこれで…あああ!そしたら採血どこからすればいいんだ?」
「シール…この点滴のシールがない…シール」
「こっち(薬)がこっち(腕に刺された管)で間違いない?大丈夫?」


台詞だけ聞くとドタバタ劇ですが(実際緊急でドタバタはしていたのだと思いますけれど)、手つきが非常にテキパキとしていたので、セリフから感じるほどの心配はしていませんでした(というか「緊急対応」というやつでで痛みが改善されたので後はどうでもよかった)。

他にもレントゲンやらエコーやら短時間に様々な検査をされて、出てきたデータをみた医師は「何これ!全然ダメじゃん!」と現状を一言で説明してくれました。

手術します

「まず、あなたは心筋梗塞です。命に関わる状態になっているのでほんとは同意書とか色々あるんですが全部後回しにして、今すぐ手術します」と医師は宣言し、ベッドのまま手術の部屋(「手術室」ではないんだそうです)に運ばれます。
途中、「カテーテルって知ってますか?」と聞かれ「なんか管を通す、という程度には…」と答えると「じゃあ十分です。あとは痛いことする時だけ教えてあげます」といわれ手術室(仮)へ。

部屋の中は映画の中のように真っ白な正体不明の機器や大きなモニター、ウネウネ動くアームなどで満たされていて、私の中の大きな子供が「アベンジャーズじゃん!」と大歓声をあげていました。
思わず「これムービー撮っちゃダメですか」と聞きそうになりしたが、「怒られるぞ」と私のゴーストが囁くのでやめておきました(私は賢いので)。

「麻酔はしますが歯医者さんの麻酔と同じなので意識はあります。
右手のここを切ってカテーテル、管を入れます」といわれた時にはもう麻酔の針が刺さっていました(ちなみに、この麻酔の注射が手術で1番痛かったです)

右腕の動脈部分をメスで切られ、カテーテルを入れられます。
私としては人間に入れるのだから「つつつ」という感じでそっと入れていくのかなと想像していましたが、「お、パイプユニッシュかな?」というくらいガッシュガッシュ勢いよく入れられてビビりました。
しかも「なんだこの皮膚、硬いな」と呟いたかと思うとメスでピッと追加で切れ目を作っていたのを私は見逃しませんでした。
(それ、段ボール開ける時の手つきじゃないですか?)と思いましたが私は賢いので黙っていました。

さっきまでより入りやすくなったのか、ザッシュザッシュ管を入れられ、しかも腕の中を管が通っていくのがリアルにわかるんですよ!

「おおお?」
「?」
「いえ、腕の中を通っていくのってわかるものですね…」
「へーえ、そういうのってわかるもんなんだー」
「(お、"ザ・他人事"ってかんじだな…でも今は雑談に興じられるよりよい…)今この辺(上腕中間辺り)って感じです」
「お、そうそう今その辺」

※私個人の感想では、肩口あたりまではカテーテルの進み具合がわかりましたが、胴体部分になるとらさっぱりでした(動脈も太くなるでしょうし)。

「これは薬剤やバルーンを入れるための"カテーテルを通すカテーテル"です」と説明を受けたあと、造影剤?を、入れられ、梗塞部分を特定していきます。
特定は少し難航したようでしたが無事になされ「幸い、と言っていいかはともかく、すごく太い血管がどん詰まりしている、っていう状況ではないです。が、血管が99%だめ、というところまではきてます。
場所的に今回ステントが使えないのでバルーンで行います」と早口目に言われ(「ドクター・ストレンジ」か「er」でステントって聞いたな…意味はわかんないけど。バルーンは「中から膨らませる」ってことだろうから、少なくとも開胸はしないっていうことだな)と理解して「はい」とだけ返事をしました(私は賢い犬と同じ位賢いので)。

できるかな?

ここまで凛々しくテキパキと処置を進めていた医師がここで一つ伸びをして「さーて、私これ上手くできるかなあ?」と言い出しました。

「おお、なかなかに不安になるコメントですね」
「心筋梗塞の人って意外とこないのよねー」
「(お、「退勤後に一杯飲んで愚痴トーク」みたいなトーンになってるけど大丈夫かな?)
「念の為○○先生呼んでおくかなー。この程度大丈夫かなー?いや、念の為読んでおくか…?」
「(先生、心の声ダダ漏れになってますが…。その「念の為」っていうのは「私の心臓がうまく動かなかった時の為」って事ですね?)」
ま、いいか。やりますよー。バルーンは2階膨らませるんですが、バルーンを膨らませるということは血は流れなくなるので、さっきみたいな痛いのがあと2回きます。ではいきますねー」
「(先生、「ま、いいか」の部分は声に出さない方ががいいのでは…?しかもあと2回「あれ」が来るのか…) はい。ところで入院って必要ですか?(バルーン膨らませて終わるなら明日帰れるのでは?)」
「んー…2週間」
「えー( ˚᷄⌓̉˚᷅)」
あなたね!今のこれ死ぬやつですよ!
「(しまった!さっきまでの心の声に油断してゴーストが囁いてくれなかった!これはマジ怒られだ!)はい…」

結果バルーンは無事終了し、なんらかの都合で残っていたらしい「○○先生」も顔を出した様子で「うまく行ってますよ!」と太鼓判を押されて手術は成功したのでした。

おまけ

手術後、もののついでというように医師が私に「あ、貴方が『肩こり』って呼んでるあれ、狭心症ですよ。まあ、詳しいことは明日以降に」と言って颯爽と去って行きました。

というわけで、この四半期で私はうつ病で休職し、心筋梗塞で死にかけ、狭心症であることが判明し、さらにこのあと会社のパワハラ問題(私が被害者側です。念の為)と、ガレージが壊れたのをFxxkin'管理会社に無視されてる問題が続くわけですがひとまず今日はここまで。。。

ところでその、「今日」なんですが私の誕生日でして、こんな「シットコムでもここまで詰めないよ!」ってくらいのトラブルに加えて数時間前まで恋人と絶賛喧嘩中だったんですが、かわいそうだと思ったら(もしくはお祝いの気持ちで)サポートください…(いいですかみなさん、お金ほど人の心に届く栄養はありませんよ…)

(これが言いたくて5000字書きました)

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