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写真の体験こそ写真展って話(curbon写真展の作り方)

〜〜随時編集更新中〜〜

ケンタです。
一年ぶりのnote更新?めっきり筆不精ですね。写真家たるもの、時々文章を書くべきだと言われたことがありますが、とにかく時間がなくて。前回の巨大展示、こずえ展を、主催してから早一年が経ち、気がついついたらカーボン写真展の運営とプロデュースを担当していました。本業もまだやってます。めたくそに忙しい日々ですが、楽しくもやってます。

さてはて、今回のカーボンの展示ですが、僕の展示経験数から、そのノウハウを買われて、しんやさんが推薦し、カーボン社長の武井さんから正式なオファーがあり、受けました。

僕自身はインスタグラム最強展を企画運営したり、フェイスブック最強展でも運営だったり、素人のカメラマンながら、大型の写真展のノウハウはそこそこそ持っていたし。なにより僕自身が展示が大好きで、その面白さをいろんな人に伝えられたら良いなぁと思っていたので、「大変そうだなぁ」と思いながらも、「面白そうじゃん」の気持ちが勝ってました。最初は。

そうなの。大変だった。
何が大変だったのかは後半に書きます。


とりあえず最初にお話をいただいたときに、聞いたカーボン展示のコンセプトは「つながり」と「それぞれのストーリー」でした。それを彷彿させられる仕組みが欲しいなぁと思っていろいろ想像を膨らませたわけで。

カーボンってなんだろう?カーボンって炭素?炭素といえばダイヤモンド?いやまて、この有機物のほとんども炭素で出来てる?ん?とかね。※カーボンって会社名だとcurbonて書くから造語であって炭素って意味じゃないって知ったのはこれよりだいぶ後のこと笑笑

で、まず、イメージを描いてみよう。と思って100円均一でスケッチブックと色鉛筆を買ってきて描いてみました。それがこちら。

こうしてみると出来上がった会場とほぼ同じ作りですね。このイメージで大切にしたかったのは子どもでも楽しめる空間、「写真の森」の雰囲気です。そこから、この作りから写真の奥に写真が見える作りになるなって思いももちろんありました。

ここから西武側とやりとりして、 予算問題と戦い、やれ無印良品とコラボさせるとか、他のアーティストとコラボする〜とか、二転三転して、結局この案にもどり、これとほぼ同じ形になったのは、今ではいい思い出。


ちなみにこの木枠に決定したのは、圧倒的に個性的で、誰も見たことなく、価格としても安いから笑。2×4材で出来てるからね。強度も問題なく自由度も高い。

木枠そのものに関しては僕らはこれを「造作搬機」とかそのまま木枠とか呼んでました。これのレギューレションがなかなかに決まらなかったのが本当に辛かった。どんな金具が使えるのか?どんな組み方が出来るのか?一人何枚まで木枠が使えるのか?などなど。

↓木枠の組み合わせ例。ここから選んでもらったり自分で想像してもらったり。

これにするって決まってから、出展者のアレがやりたい、コレがやりたい、でもあれが使えない、これが使えない、例えば消防法上、塗料や、接着剤が使えないなどなどのレギューレションが、後から出てくる出てくる。木枠を施工するデザイン会社&西武VS出展者のせめぎ合い。その中に仲介する僕。汗

僕自身も色々やれるなぁといろんなイラスト描いたのがアダになったかなぁと反省。


↑こんな案もありました。

出展者の中には使い方わからんから、完全にお任せって人も数名いました。おいコラめちゃめちゃ使い方提案したやんか!と、思いつつもその人の展示プロデュースすることに喜びを覚えてしまうドMな僕。

ただでさえ、木枠を使うと決定したのは展示まで二ヶ月を切ったところだったので、本当に苦しくて。正直、病んだし。大型の合同展だもん、こんな難しい展示方法を取らずにもっと簡略化した均一なプリントにするんだったなぁと思いつつも、どうしてもそのひとりひとりの作家の個性を出してもらう方がやりたくて。

いやほんと、病んだ。白髪めっちゃ増えたもん。死にかけた苦笑

でもね、木枠が会場に入った時点で、なんか興奮してきたし、

この展示は絶対いい展示になるって、木枠が入った時点で強く思いました。


搬入も五日間かけて、少人数精鋭で行った。本
当に色々な現場での調整などなど大変だったけど、その分、出来上がった会場を見て、感極まり、オープニングパーティのときに涙が出てきたのはここだけの話。

でも本当にね、僕のかかげたコンセプトである、「写真の向こう側に写真が見えて、新しいストーリーとつながりを生む」。これを実現できて、最高によかったって思いました。


加えてね、木枠を使い、写真を立体的に配置することで、今まで平面的に見てきた写真に立体感を演出するとともに、お客様が足を使って写真の見る順番を決めることで、そのお客様自身がその展示物の「ストーリーを想像できる」ってのをやりたかったの。

↑例えばしんやさんのブース。設計は僕とナナさんスタッフのなほちゃん。写真の見方をお客様自身に決めてほしい気持ちと、一番強い写真を見せたい気持ちを話し合いながら、貼り方を決めました。

↑ミスSNSブースはただの横並びにせず、楕円にすることでつながりを演出しました。

本当はね、お客様自身に写真のストーリーを想像して欲しいのです。故に、キャプション要らないと僕は思っているのですが、今回のテーマは一人一人のストーリーを「伝える」こともコンセプトの1つ。なので、キャプションは大事なものであり、必須としました。

キャプションの質には特にこだわりました。出展者の皆様には「お客様に良い影響が残るキャプションを作成して欲しい」と発注してます。読み応えあったでしょ?

キャプションそのもの話だけど、僕自身は、「キャプションは答え合わせの為にある」と考えます。その作品の色眼鏡をつけたり、写真の読み取り方を強制するものであってはいけないと考えます。なので、ほとんどのキャプションは下に配置する設計をしました。

↑招待作家の設計提案図。

またキャプションを下部に配置することで、後ろのお客様が写真を見られる様に配慮した作りです。その辺も考えました。

フォントと改行が読みにくいのは僕のせい。本当ここは謝ります。作ってくれたのは西武のデザイナーさんだけど、僕自身のやりとりが足りなかった。そこはもうご愛嬌にしてもらえたら汗。でも皆さんじっくり読んでくれて嬉しかった。

あと導線について、これは僕なりにこだわりがあった。お客様には、自由な距離で写真を楽しんでもらいたい、色んなお客様に写真を見ながら議論したり、会話が起きるよう、なるべく写真の前には、スペースを広く取りたい。

これがなかなかに難しかった。なぜなら、会場が百貨店ということがあり、まず優先させるのが「消防法」だから。通路の幅をある一定の距離取らなくちゃいけなかったり。ワンフロアに100人以上いれちゃいけなかったり。この消防法ってのがネックで、割といろんな制限があった。例えば火器がダメなのでお湯が沸かせずにコーヒーの提供ができないとかね。

本当、いろんなものと戦った記憶があるなぁと思います。でもね。そんな経験が出来るのも、楽しさの1つだったりする。


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