ケン

小説書いてます。『池内祥三文学奨励賞』受賞。世界旅を終え、作家活動中。ブログ『日刊ケネミック』→ http://kenemic.com | Amazon著者ページ→ http://amzn.to/1sh7d1f

『ウソ嫌いの妻』

ウソをつかれるのが嫌いという妻に、大事な場面でウソをつくか、つかないか。


『ウソ嫌いの妻』

 病院から電話があった。妻が運転する車が事故に巻き込まれたらしい。4歳の娘も乗っていた。

「覚悟していらしてください」

 電話口で担当者が言った。病院に着くなり、医者は「お子さんは亡くなられました」と頭を下げた。

「妻は!?」
「奥様も、もう時間の問題です」

 できることもない、と医者は続けた

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『復讐の行く末』

恨みが溜まっていた部長に復讐したぼくの結末は……。

『復讐の行く末』

 役立たず、のろま、ゆとり、給料泥棒……。どれもこの5分の間に聞いた言葉だ。

「おい、聞いてンのか!?」
「はい……」
「俺に勝てるもんなんかなにもないんだから、聞いた通りに仕事しろ!」

 放っておけば、延々と続く部長の罵声。入社してすぐ部長に嫌われたみたいで、事あるごとにこうして怒鳴られた。

——復讐してやる!

 

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『祭り』

今年、中止になってしまいそうな祭りをどうにか決行しようとする貞男のお話です。

『祭り』

 雨の中、貞男が鳥居に下に立っていた。長い階段の下から数人の村人が見上げている。雨に濡れた鳥居の朱が美しかった。

「あいつ本気か?」
「バカなやつだ」

 村人は口々に貞男を悪く言った。しかし貞男から目を離せずにいた。

 貞男は祭りのために生きてきたような男だ。もうじき五十になるが、年を感じさせない身体

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『白いシカ』

凄腕猟師が見た白いシカのお話です。

『白いシカ』

 怖いものなんて何ひとつない、という評判の凄腕の猟師がいた。名を忠介という。忠介が山に入ればシカが消えると囁かれるほどの腕前だった。

 ある冬、山にシカ猟に入った忠介は遠くに白いシカを見た。銃を構えるまでもなく遠すぎる。

「爺さんから、白いシカは山の神だから撃つなって言われたな」

 やはり猟師だった祖父の言葉を思い出してなお、忠介は笑った

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『夏休みのカブトムシ』

息子のためにカブトムシを捕ってやりたいと思うのだけど……。

『夏休みのカブトムシ』

 盆休みに妻の実家にやってきた。家の裏に小高い山がある。

「伸也を連れてカブトムシでも捕ってきたら?」

 という妻の言葉に、義父母も「裏山の神社で捕れる」と頷く。東京で生まれ育った自分は昆虫採集なんて得意ではないが、目を輝かせている伸也を前に「行きたくない」とは言えなかった。

 言われた通り裏山の神社にや

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『バイクが結ぶ』

ケンカしつつ、ふたりで乗るバイク。なかなか複雑です。

『バイクが結ぶ』

 恵子が睨むように俺を見る。負けじと見返す。

「いっつもわたしの話、聞いてないじゃん。いい加減に相槌打つだけでさ!」
「聞いてるよ、って何度も言ってんじゃん」

 なんてこともない痴話喧嘩だ。でも、なにもこんなときに……、とも思う。高速道路のサービスエリアで休憩がてらコーヒーを飲み、バイクに戻る途中にケンカだ。

 ふん

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